はねバド!
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また、メンタル面も脆い一面があり、自分自身が伸び悩んでいるとか、他人に対し驕っているとか不安視していた場面もある。中学時代に芹ヶ谷薫子に初めて試合で敗れた直後、母である有千夏が、本人の抱く教育方針から家を出て行ったこと、そしてその後母親に再会したい一心でバドミントンを続けるも、いつしか孤独感に苛まされ、一度はバドミントンから退くきっかけとなった。その後再びバドミントンを再開する中で母と再会したいと強く願う一方で、今さら彼女と会っても自分に得るものはないと悟り、単なる「越えたい壁」として認識するようになる。しかしその内心は母親にもう会えない辛さを秘めており、もっと強くなることで、それまで自分をバドミントン選手として育ててくれた母親の意思に応えるのが自分の出した答えという信念に基づいている。登場当初は気弱で臆病な少女として描かれるが、薫子の推測によると生来より母親譲りの攻撃的で負けず嫌いの性格であり、有千夏が綾乃の許を去った反動と、過保護な周囲の環境により本来の感情が押し殺されていたとされる。しかし、次第にバドミントン選手としての意志が呼び覚まされると、生来持っていた傲慢な性格が露顕する一方で、逆に自分が本能的に意識していた「人とのつながり」を損ないつつある姿に気付き、涙ながらに(人として)優しくなりたいとも強く願うようになり、それまで以上に人とのつながりを強く意識するようになる。また、気弱だった頃は小声という設定であり、吹き出しに対する写植文字が相対的に小さく描写されているが、物語が進むにつれ見られなくなる。作者は綾乃について、「周囲は性格が変わった、とか言われていますが、僕の中では変わってしまったとは感じていないんです。1話からいわゆる大人しい良い子としては描かなかった記憶があります。(中略)…気を遣ったりできない子という印象です。」と述べている[3]。プライベートでは親友のエレナ、のり子と一緒にいることが多く、試合中にはない爛漫な笑顔も見せる。その他、バド部の先輩にあたる悠や空からはあやのんと呼ばれているなど仲が良い。肉まんが好物なのか、よく食べているシーンがある。インターハイ個人戦にて神奈川県代表としてなぎさと共に出場し、強豪と戦っていく。
アニメ版
全日本ジュニア選手権では「神藤」ではなく「羽咲」で出場していた。また、小声で喋る、のり子と幼馴染という設定はなくなっている。
荒垣 なぎさ(あらがき なぎさ)
声 - 島袋美由利[6]女子バド部主将。3年生。右利き。174センチメートル。ショートカットの美少女で、スタイルもよく高身長、豊満な胸を持つ。ほかの部員たちから「お色気担当」とからかわれ、劇中初期はお色気担当となっていた。綾乃とは対照的に攻撃力重視型のバドミントンを仕掛け、威力抜群のジャンピングスマッシュを武器としており、実力も全国レベルである。しかし選球眼に劣り、そして攻撃的な性格ゆえに際どい弾道(アウトコース)を全て食らい付いていってしまう性質を持っているため、膝を故障する遠因にもなる。これについては健太郎のアドバイスにより、相手の行動を自分の攻撃力でコントロールして相手に左右に動かされることがなくなり、膝の負担を減らす戦術を習得している(ただし、ジャンピングスマッシュを連打すると膝に負担が凄くかかってしまう)。また、登場当初は全日本ジュニア選手権でまだ中学生だった綾乃にストレート負けしたことに起因し、鋭いスマッシュが打てなくなるスランプに陥っていた。それでありながら、プライドは人一倍高く、当初は自分を当て馬にしようとした立花(実際は彼女の誤解だった)を快く思っておらず、また新たに入部した綾乃に対しても強いコンプレックスを抱くが、後にコーチのアドバイスなどもあって自分らしいプレイを取り戻し、そして人間的にも成長していく。県大会シングルス決勝で綾乃を破りインターハイ出場を決めるが、膝を傷めたため、団体戦への出場を断念する。後に、リハビリメニューをこなしつつ、インターハイ個人戦には神奈川県代表として出場し、試合の中で苦手を克服していくなど、目覚ましい成長を遂げ、強敵と戦っていく。父親はパイロットで、滅多に家に帰ってこない。作者は自身にとって最も感情移入しやすいキャラクターだと述べており[7]、バドミントンが心から好きで、そのために成長していくことができる才能を持った人物と答えている。
アニメ版
立花健太郎の厳しすぎる指導により部員が減少した原作と違い、アニメ版ではなぎさによる厳しい練習により部員が減少している。また、スランプ中は周りに厳しく当たっており、部員たちからはよく思われていないのと同時に心配もされているが、スランプを克服したなぎさの謝罪により再び一致団結することになる。
泉 理子(いずみ りこ)
声 - 三村ゆうな女子バド部副主将。3年生。右利き。163センチメートル。長い黒髪をポニーテール風に後ろでまとめている。また、眼鏡をかけている。バド部のまとめ役。ダブルスでは綾乃とペアを組むことが多い。自分には才能がないと感じており、綾乃となぎさに対し劣等感を抱いている。しかし、後に持ち前の分析力と的確な判断力を武器に頭角を現し、コントロール重視型での相手にミスをさせて得点を取る戦法を編み出し、横浜翔栄高校のA特待生、橋詰英美に勝利するまで成長を遂げる。一方で、同じタイプの大会個人戦シングルスでは三回戦で逗子総合高校の強豪の石澤望に敗れており、団体戦シングルス準決勝でも芹ヶ谷薫子に敗北する。家族に母親と弟に黄太郎(きたろう)、妹に雅子(まさこ)、貴子(たかこ)、一番下の妹の3人がおり、仕事で帰りの遅い母に代わり家事や弟たちの世話をしているため、遅くまで練習できない。
アニメ版
原作と違い、全日本ジュニア選手権の観戦に行っていたため、対戦相手の綾乃を知っており、偶然学校で見かけた際にはすぐに気付いている。
立花 健太郎(たちばな けんたろう)
声 - 岡本信彦バド部男子女子兼任のコーチで作中の主要人物の一人。あざみ野体育大学に通う大学生。右利き。181センチメートル。髪を金髪に染めている。北小町高校のOBであり、バド部のコーチとして赴任するが、彼の厳しい練習が原因で半数以上の部員が退部し、部員集めに追われることとなる。また、顔立ちは二枚目なのに、部員集めに躍起になる余り奇妙な行動や言動を繰り返していたため、北小町バド部からは変態やおじさんなどと散々な言われようであった。しかし、後になぎさや綾乃、エレナたちバド部員たちから信頼を集められることになり、他校監督からも一目置かれる存在となっているなど、自身も大会を通して成長している。本人の口からは言わないが、インターハイ男子個人シングルス制覇の実績があり、オリンピックに出て金メダルを獲ることを強く夢見ていたが、彼自身、実業団の時に膝の大怪我でオリンピック選手への道を断念した過去があり、その夢をなぎさや綾乃に託している。作者によると、唯一の男性のメインキャラであるため、ハーレム化しないようにバドミントンへの情熱を強調して描写されている[7]。しかし、劇中には荒垣なぎさとの異性関係を強調したような描写も多い。
アニメ版
赴任のタイミングが原作から変更され、部員減少後にコーチに就任している。そのため、序盤から部員たちの信頼を得ている。
藤沢 エレナ(ふじさわ エレナ)
声 - 小原好美綾乃のクラスメイトで幼馴染。1年生。バド部マネージャーから部員に転向する。165センチメートル。なぎさの団体戦欠場により、親友の綾乃やほかの部員たちを助けたいという思いから選手として参加する。中学まではバスケットボール部員だった。世話焼きな性格で、それ故マネージャー入部前からバド部にこき使われていた。また、登場当初は、気弱だったころの綾乃の用心棒的役割をしており、今なお綾乃にとっても、気を許し本心を打ち明けることができる親友の一人である。気が強く好奇心も強いが、けっこう怖がりな性質も持っている。
アニメ版
幼少期のころから綾乃と母の有千夏のバドミントンの練習を傍で見ており、有千夏とも面識がある。また、有千夏の失踪についても知っている。綾乃に楽しくバドミントンをしてほしいという想いから、綾乃をバドミントン部に連れて行き、自身はマネージャーとして入部する。綾乃の変化にいち早く気づいており心配している様子も見られる。
三浦 のり子(みうら のりこ)
声 - 岩橋由佳綾乃のクラスメイトで幼馴染で眼鏡をかけた1年生。バド部マネージャー。163センチメートル。エレナと違い劇中での出番は少なく、綾乃と彼女が二人だけで絡む場面はない。
アニメ版
幼馴染設定自体が消えており、バド部にも入部していない。
海老名 悠(えびな ゆう)
声 - 石川由依女子バド部員。2年生。149センチメートル。陽気で快活なバド部のムードメーカーだが、劇中当初は不真面目な態度が目立つ。1年のころから空とペアを組んでおり息はぴったりだが、基本的な実力に劣っており、フレゼリシアの美里・白石コンビには惨敗し、県大会予選でもほとんど勝てていない。後に荒垣の後任部長となり、綾乃の強化選手参加の後押しをした。
伊勢原 空(いせはら そら)
声 - 松井恵理子女子バド部員。2年生。伊勢原学の妹。162センチメートル。1年のころから悠とペアを組んでいる。劇中当初は体調が悪かったようで、時折咳き込んでいる。糸目であり、目を開くのは特別に感情を揺り動かされたときなどごく稀であるが、設定資料には開いた目の姿も描かれている。
アニメ版
第5話で、敗戦の言い訳する綾乃を諭す時に目を開けた(アニメ第1話から通しても初開眼である)。
伊勢原 学(いせはら がく)
声 - 山下誠一郎男子バド部員。3年生。伊勢原空の兄。170センチメートル。理子が2年間まともに声を聴いたことがないほど無口であるが、妹である空とはよく話すらしい。空からはガックンと呼ばれている。神奈川県予選個人戦シングルスベスト4。
葉山 行輝(はやま ゆきてる)
声 - 沢城千春男子バド部員。2年生。157センチメートル。無口な学とは対照的に活発で明るい性格。なお、元の設定資料には学と葉山以外にも数人男子部員が描かれていた。
アニメ版
学と同学年の3年生に変更されている。
太郎丸 美也子(たろうまる みやこ)
声 - 小松未可子バド部顧問。31歳。独身。作者の前作『パジャマな彼女。』のスピンオフキャラである。バドミントンに関しては素人。部員が県大会で好成績をあげると校長にボーナスをせびるなど金に汚い。いい加減な性格だが、視野が広く周囲を丸く収める能力に長けており、とりわけ第二部では羽咲母娘との関係を修復するきっかけを作った人物として描かれている。
バド部以外の生徒
大船 友香(おおふね ともか)※
声 -
明坂聡美元女子バド部員。2年生。アニメ版ではなぎさによる厳しい練習により不満を抱き最後は智子や恵と一緒に女子バド部を退部した。その後バド部とは友達関係は続いてる。綾乃とは県予選女子シングルス決勝まで面識がない。
犬養 智子(いぬかい ともこ)※
声 - 阿部里果元女子バド部員。2年生。友香の親友の一人。
松下 恵(まつした めぐみ)※
声 - 矢野優美華元女子バド部員。2年生。友香の親友の一人。退部した後は予備校に通っている。
西園寺 影文(さいおんじ あきふみ)※
声 - 逢坂良太男子テニス部員。2年生。去年1年生にして県代表になったうえ大手芸能事務所に所属する超イケメンで、女生徒からアイドルなみに人気が高い。
フレゼリシア女子短大付属高校

宮城県のバドミントン強豪校[注 3]で、通称「フレ女」。インターハイ用のユニフォームは、太腿の露出した(体操競技および新体操レオタードに近い)大胆な衣装となっていたが、後に普通の丈のショートパンツに差し替えられた。登場人物の苗字は宮城県の地名となっている[8]。前年は団体戦準優勝高で、今年は団体戦優勝。今年は個人戦、ダブル戦、団体戦の全ての県代表の枠を獲得している。本編の1年前を描く外伝小説『小説 はねバド!』の舞台となっている。
コニー・クリステンセン
声 - 伊瀬茉莉也作中の主要人物の一人で、デンマーク出身のプロ選手。綾乃にとって一度も会ったことがない義理の妹。身寄りの無い孤児だったが、綾乃の母、有千夏に育ててもらったことで、彼女のことは肉親同然に慕っている。また、彼女からバドミントンの英才教育を受け、天性のセンスと恵まれたフィジカルを持ち、ヴィゴにスカウトされた。しかし、“お姉ちゃん”と呼び慕っていた綾乃に会うため、団体組織を抜け出し日本に留学する。来日当初は育ての母親に対する執着心と独占欲に溢れ、また、生来のマイペースな性格、突然の家庭環境の変化から来るホームシックなどで留学生活がうまくいかず、また綾乃に会いたい一心で逃避行動にも走っているが、志波姫によって絆されてから、人とのつながりを大切にするようになる。その経歴があるため、同様に逃避行動を繰り返していた綾乃に対し、「人とのつながり」を教えた相手にもなっている。


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