の・ようなもの
[Wikipedia|▼Menu]
恋人がおりキスマークをつけていることが多いため、時々会う志ん菜から指摘されている。
亜矢
演 - 室井滋エリザベスの友人。ある日エリザベスに琵琶湖の写真を見せて滋賀県雄琴行きに誘う。
結婚式の新郎・新介
演 - 由良聡竜子の恋人。チャラそうな見た目の若者。冒頭で竜子と木陰のベンチに座ってディスコで数人の女性たちから声をかけられたことを話した後、「でもやっぱりお前が一番だよ」とのろける。
エリザベスに挨拶される男
演 - 永井豪とある建物内を恋人か妻らしき女性と2人で歩いていた所、ばったり出くわしたエリザベスから挨拶される。
作中に出てくる落語

寿限無」(じゅげむ)
女子高の落研部員の下級生たちが上級生の前で、この落語に出てくる赤ん坊の長い名前である「寿限無」を暗唱する。

野ざらし
深夜寄席で志ん肉が演じる。

青菜
この落語の「奥や、奥や」と手を叩いて人を呼ぶ動作について、志ん水が出船亭扇橋から手ほどきを受ける。

道具屋
志ん魚と志ん菜の見てる前で、女子高の落研部員の上級生の内4人が冒頭の部分を一人ずつ演じてみせる(映像ではリレー形式で一つに繋がっている)。

たがや
まだまだ未熟な志ん菜が、とある寄席で演じる。

寝床
志ん魚が出船亭扇橋から新作落語を勧められるシーンで、志ん魚の普段の寄席でする古典落語の映像として間に挟まれる。

二十四孝」(にじゅうしこう)
由美の自宅に初めて訪れた志ん魚が、彼女の父から催促されて2人の前で演じる。
製作

N.E.W.S.コーポレーション制作、日本ヘラルド映画(現・角川映画)配給。森田芳光が監督・脚本・企画を務めて制作された作品で、劇場映画監督デビュー作である[5]栃木弁丸出しの伊藤克信秋吉久美子と並んで主役に抜擢され本格的にデビュー、秋吉がソープ嬢[2]を体当たりで演じたことも話題になった。落語関係者や日活ロマンポルノ関係者などが多数出演している。タイトルは三遊亭金馬 (3代目)十八番(おはこ)の演目「居酒屋」から採っている[6]

この作品について、森田は「『人間はみな面白いものだ』という観点から人間をより多面的にとらえ、言葉やしぐさの中に含まれる人間的な温かみを表現したかった」[7]と語っている。キャッチコピーは「人間ってなんて面白いんだろう」だった。また、『間宮兄弟』の原点であるとも語っており、同作の公開とあわせて2006年10月に初めてDVD化された[8](発売元:アスミック、販売元:角川エンタテインメント)。
スタッフ

監督・脚本・企画:
森田芳光

企画・製作:鈴木光

音楽:塩村宰

主題歌:OP「彼女はムービング・オン」、ED「シー・ユー・アゲイン 雰囲気」(歌:尾藤イサオ、作詞:タリモ(森田芳光)、作曲:浜田金吾、編曲:塩村宰、演奏:NONO)

撮影:渡部眞

編集:川島章正

美術:増島季美代、伊藤羽

助監督:山本厚、佐藤睦夫、杉山泰一

エピソード

本作の撮影のため若手落語家を探していた森田監督は都内の
寄席に通ったがなかなか思い描くような人が見つからず、『全日本落語選手権』へ出演していた伊藤克信(当時、大学生)を偶然テレビで観て主役に抜擢した[9]。伊藤は、保険会社へ就職が決まっており演技経験もないため申し出を断ろうと思っていたが、監督の熱意に押され映画出演を承諾した[10]。このような経緯で出演したため苦労話も多く、道中づけのシーンでは実際に42.195キロを歩き、このシーンのナレーション収録の際はスタジオの中を歩きながら50回近くも収録を繰り返したため、力の抜けた語り口調に仕上がっている[9]

主人公と兄弟子・志ん米の関係は森田と高田文夫(大学落語研究会の先輩)をモチーフとしている[11]。また、志ん米の服装は大学時代の高田そのものであったという[12]

道中づけのシーンでは、アサヒビール吾妻橋工場(跡地にはアサヒビールタワーなどが所在するリバーピア吾妻橋)、仁丹塔森下仁丹の広告塔)、国際劇場(跡地には浅草ビューホテル)、台東体育館(ジャイアント馬場アントニオ猪木デビュー戦の会場)など現存しない建物がフィルムに収められている。また、由美がスクーター(ホンダ・タクト)で志ん魚を追う場面でヘルメットを着用していないのは義務化以前に撮影された映画だからであり違法ではない(原動機付自転車の公道でのヘルメット着用が義務化されたのは1986年からである)。

公開時に995円の入場料でお釣が5円になるようにして「ご縁」と引っ掛けた設定をしていた[13]

落語家の柳家喬太郎が2006年に発売したアルバム「の・ようなうた ?柳家喬太郎歌謡図鑑?」の中でこの映画の主題歌「シー・ユー・アゲイン雰囲気」を自らカヴァーして歌っている。

受賞

第3回
ヨコハマ映画祭1981年度)日本映画ベストテン第1位、作品賞、新人監督賞(森田芳光)を受賞

脚注^ “松山ケンイチ主演「の・ようなもの のようなもの」、笑顔あふれるポスター公開”. 映画ナタリー (2015年9月12日). 2015年9月14日閲覧。
^ a b 劇中では、当時の一般的な呼称である「トルコ嬢」「トルコ」と表現しているが、本項では変更後の名称を使用(DVD化された際は一部不適切な表現としながらもオリジナルのまま収録されている)。
^ 落語家の身分の一つ。
^ 父親が師匠に贈り物を送った話や華厳滝の話
^ 料亭のひとり息子であった森田は廃業しかけていた実家の料亭を抵当に入れて借りた3千万を製作資金にした。一世一代のばくちだった(「映画の旅人」朝日新聞2014年10月18日)。
^ 縄のれんの居酒屋で小僧が客にからかわれる噺で、肴はなにかできるかと問われた小僧が「できますものは、つゆ、はしら、タラ、こぶ、アンコウのようなもの……」と答えると「じゃあ、『(の)ようなもの』をもらおうか」と注文されることから、落語通の森田監督が拝借した(「映画の旅人」朝日新聞)。
^ 『読売新聞』夕刊1982年3月23日付、4版、11面。
^映画『間宮兄弟』公式ブログ 森田芳光の監督日誌
^ a b日本映画劇場 銀幕を飾る俳優たち伊藤克信より
^ この時、出演交渉したのが監督の妻・三沢和子だった(「映画の旅人」朝日新聞)。この記事で保科龍朗は「監督になりきれていない監督が、役者になりきれていない役者を演出する。この映画こそ、まさに『の・ようなもの』の集合体でできていた」といい、結論で「なに者かになりきれる者など、いるはずもない。この世は『の・ようなもの』の集合体である」と書いている。
^ “ ⇒高田文夫氏、後輩・森田監督の秘話明かす”. サンケイスポーツ (2011年12月24日). 2011年12月25日閲覧。
^ ラジオビバリー昼ズ2011年12月22日オープニングトークより
^http://www.bunkatsushin.com/news/article.aspx?id=56038

外部リンク

公式ウェブサイト


の・ようなもの - 日本映画データベース

の・ようなもの - allcinema

の・ようなもの - KINENOTE


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:36 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef