にがり
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日本では1972年にイオン交換膜法による製塩に切り替わるまで煎熬採塩法が広く行われていたが、この場合は鹹水を煮詰めて析出した塩を採った残りの液体としてにがりが得られる[4]。なお、出来上がった塩にもマグネシウム分が含まれているので、これをカマスなどに詰めて置いておくとにがりがしたたり落ちてくる[5](塩化マグネシウムは塩化ナトリウムよりも水への溶解度が高く、潮解性があるので、吸湿して溶け出してくる)。にがり成分をしたたり出させる工程を「枯らし」といい[3][5]、塩を2年、3年など長期間に渡って枯らした塩は珍重された[5]

にがりの成分は、製法やメーカーで大きく異なる実態がある[6]
健康問題

2004年5月30日に放映された『発掘!あるある大事典II』で「にがりダイエット」が放映されてから[7]、にがりのダイエット効果が話題になっていたが、科学的根拠はなく、同番組を見て試した視聴者が下痢などの症状を訴えることが相次いだため、後に厚生労働省から警告が出された。なお、同番組はダイエットなど健康に関する話題で過去にたびたび信憑性の低い内容を放送し、2007年には「納豆ダイエット」についての放送でデータ捏造が発覚し、番組が打ち切りとなる事態に発展した。詳細は「発掘!あるある大事典#指摘された問題点」を参照

にがりはマグネシウムを多く含むため、飲み過ぎると下痢などの消化器症状を起こすことがある[8]

また高マグネシウム血症などの悪影響が出る場合があり、過剰摂取は危険である。2004年3月に神奈川県の知的障害者入居施設で、職員が女性入所者に誤ってにがりの原液400mlを飲ませたところ血管が詰まって危篤状態となり[9]、翌4月に死亡する事件が起きた[10]

なお「第6次改定日本人の栄養所要量について」によると、マグネシウムの所要量は約320mg/日、マグネシウムの許容上限摂取量は約700mg/日である[11]
参考文献^ a b 小松勝, 西川周, 小島茂樹、「ブロムを中心とした「にがり工業」の現状と将来」『日本海水学会誌』 1980年 34巻 4号 p.217-232, doi:10.11457/swsj1965.34.217, 日本海水学会
^“Production of pure potassium salts directly from sea bittern employing tartaric acid as a benign and recyclable K+ precipitant”. RSC Advances (65). (12 August 2014). doi:10.1039/C4RA04360J. ⇒http://pubs.rsc.org/en/Content/ArticleLanding/2014/RA/C4RA04360J#!divAbstract 2015年11月4日閲覧。. 
^ a b “ ⇒「カンホアの塩」の天日製法 - 2:結晶、収穫、石臼挽き(Step 4?7)”. カンホアの塩. 2021年1月3日閲覧。
^ “ ⇒にがり”. 珠洲製塩. 2021年1月3日閲覧。
^ a b c “誤解していませんか、塩のこと”. 伯方塩業. 2021年1月3日閲覧。
^“にがり”の成分や表示等についてテストしました 大阪府消費生活センター
^ 第9回「にがりで本当にヤセるのか!?」] 発掘!あるある大事典2文字化け時は文字エンコードを(日本語 シフトJISに)
^ ミネラルについての解説 - マグネシウム 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所。2004年10月13日。
^ 「にがり原液、飲まされ危篤 神奈川県立障害者施設」朝日新聞、2004年3月30日、朝刊 社会面、39頁
^ 「にがり原液飲み、危篤の女性死亡 神奈川・障害者施設 」朝日新聞、2004年4月19日、朝刊 社会面、34頁
^ 第6次改定日本人の栄養所要量について

関連項目

塩田

高マグネシウム血症

外部リンク

「にがり」と「痩身効果」について
- 素材情報データベース<有効性情報>(国立健康・栄養研究所) 2004/10/13

「茶およびにがりが膵リパーゼ活性に及ぼす影響」桐生短期大学紀要

あなたは誤解していませんか? にがりダイエットに根拠ナシ! - All About


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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