なつぞら
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舘野がプロデューサーを務めるオープニングのタイトルバックは連続テレビ小説初となる全編アニメーションで製作される[7]。アニメーション制作は舘野のスタジオ「ササユリ」と東映アニメーションが担当し[54]シンエイ動画スタジオカラーコミックス・ウェーブ・フィルムオープロダクションスタジオパブロなど名だたるアニメ制作会社のスタッフが参加している[56]
撮影

撮影は、2018年6月8日より北海道・十勝管内において陸別町新得町を中心にクランクインした[57][58][59]。2019年1月には同管内にて厳寒の中で冬のロケが[60][61]、放送開始後の同年4月には3回目となる十勝ロケが行われた[62][63]。同年7月には物語終盤のシーンを撮るため4回目となる十勝ロケが行われた。十勝における撮影では、ロケハンに始まってキャスト・スタッフの宿泊施設、撮影地への移動用の車両と運転手の手配、エキストラの募集、冬季間のロケセットの維持管理に至るまで、帯広観光コンベンション協会が各町村の窓口となって長期におよぶ撮影の支援を行う[64]。また、昭和20、30年代当時の十勝の酪農や生産者の思いを映像で再現するにあたり、先人の苦労や歴史を多くの人々に知ってもらい農業や地域振興に繋げたいとして地域の酪農家やJAが「酪農指導」「馬車指導」などさまざまな形で撮影に協力している[65][66][67]

2019年8月20日深夜、クランクアップ[68]
プロモーション

放送に先立つ2019年2月に、帯広市で開催された「おびひろ氷まつり」で小畑雪次郎役の山田裕貴がトークライブを開催[69]。また、同月に札幌市で開催された「第70回さっぽろ雪まつり」の開会式にヒロインの広瀬すずがスペシャルゲストとして参加し、ヒロイン・なつを模した雪像が展示された。「さっぽろ雪まつり」を連続テレビ小説のヒロインが訪れるのも、連続テレビ小説を題材とする雪像が展示されるのも初となった[70][71][72]。特設ステージで開催された「元気いっぱい北海道 feat.なつぞらトークショー」には戸村菊介役の音尾琢真、柴田夕見子役の福地桃子が登壇し、ドラマの魅力のPRを行った[73]

2019年2月1日には番組の公式Instagram(インスタグラム)を開設、「第70回さっぽろ雪まつり」開会式の様子など、オフショットの写真や動画の発信を行っている[74]

日本航空が、前年に発生した北海道胆振東部地震の復興支援の一環として、ヒロインのなつが機体の左右にデザインされた本作の特別塗装機(ボーイング737-800型機)を就航させ[75]、2019年4月19日から9月中旬まで運航された[75]

放送残り1か月となった8月31日、イベント「なつぞらファンフェスin十勝」が十勝管内の幕別町百年記念ホールで行われ、広瀬すず、山田裕貴、清原翔渡辺麻友伊原六花の5人のキャストが出席、イベントの模様は、NHK総合(北海道ローカル)で9月14日に放送、全国放送はBSプレミアムで9月21日に放送された[76]
あらすじ
北海道・十勝編(第1週 - 第7週)
第1週 - 第2週

父が満州で戦死し、母を空襲で亡くして東京戦災孤児となった奥原なつは、兄・咲太郎と妹・千遥とも別れ、1946年昭和21年)5月、父の戦友だった柴田剛男の厚意で北海道十勝牧場を営む柴田家に引き取られる。当初剛男の妻・富士子には受け入れられるも他の家族からは冷遇されるなつであったが、家に置いてもらうために懸命に酪農仕事に取り組むなつの様子に、富士子の実父で家主の泰樹は次第に心を開いていき、嫉妬心を抱いていた同い歳の長女・夕見子も、なつを引き取った父の真意を聞き、親切になる。やがて泰樹の許可が降り国民学校に通えるようになったなつは、同じく東京から転入した絵が得意な同級生・山田天陽と親しくなり、学校の映画会で見たアメリカの漫画映画[注 3]に興味を抱く。ある日、兄の咲太郎からの手紙の返事が無く、会いたい寂しさから、なつは家出をするが、自身を探し出した柴田家の人々の親身な優しさを知り、素直な感情をぶつけられるまでに打ち解けていく。
第3週 - 第7週

咲太郎は行方不明、千遥とも連絡が取れぬまま年月が過ぎ、1955年(昭和30年)6月、なつは牧場で働きながら十勝農業高校の畜産科に進学して3年生となり、柴田家の人々からは実の娘同然に扱われていた。農協に勤める剛男と農協加入を拒む泰樹の板挟みとなったなつは、幼なじみの同級生・小畑雪次郎の勧めで雪次郎が所属する演劇部の顧問・倉田隆一に相談し、演劇部に入部することとなる。倉田は農協への取材やなつの証言をもとに戯曲『白蛇伝説』を執筆し、なつは倉田の厳しい演技指導を受けてその舞台に立つ。山田家を訪ね小規模酪農家の窮状を知った泰樹は、なつの舞台を見て利己的な考えを改め、農協加入を決意する。夏休みとなり、なつを幼なじみの佐々岡信哉が突然訪ねる。咲太郎が東京・新宿の劇場で働いていたらしい情報を知ったなつは富士子に伴われて上京し、咲太郎を知る新宿のベーカリー兼カフェ「川村屋」のマダムこと前島光子を訪ねるが、消息はつかめない。そんな中、信哉の得た情報をもとに浅草の舞台に立つ咲太郎との再会を果たすが、ほどなく咲太郎は盗品を質入れした疑いで逮捕され、手紙でなつに別れを告げる。「川村屋」で天陽の兄・陽平に遭遇したなつは、陽平の案内で漫画映画のスタジオを見学してアニメーターという職業を知る。

冬を迎え、なつは照男が用意したチケットで天陽とディズニーの漫画映画『ファンタジア』を鑑賞し、漫画映画への思いをさらに強める。一方、咲太郎との再会でなつが柴田家を離れることを危惧した泰樹は、なつを正真正銘の家族にとの願いから、富士子と剛男の反対をよそになつと照男との結婚を画策する。泰樹の思惑を聞かされたなつは傷つき、動揺したまま天陽の家に向かう途中で吹雪に巻き込まれて、森に住む彫刻家・阿川弥市郎親子に助けられる。一夜が明け、帰宅途中に見た朝日の光景に、なつは上京しアニメーターを目指すことを決意する。上京の意志を打ち明けるものの、泰樹の期待を裏切り酪農を離れることへの後ろめたさから本当の目的を言い出せずに思い悩むなつだったが、天陽や雪次郎の祖母・とよに背中を押され、単身移住し北海道を開拓した泰樹のように自分も漫画映画に挑戦したいと告白し、泰樹はなつの上京を許し東京を開拓してこいと激励する。
東京・新宿編(第8週 - 第9週)

高校を卒業したなつは1956年(昭和31年)4月、新宿の「川村屋」で修行予定の雪次郎とともに彼の父、雪之助に伴われて上京し、雪之助の口利きで「川村屋」の寮に住み込み皿洗いをしながら絵の勉強を続ける。なつは兄、咲太郎の消息を求めて煙カスミの歌うクラブを再度訪れ、カスミは咲太郎が母と慕うおでん屋「風車」へ誘い、女将の岸川亜矢美に引き合わせる。その際酩酊状態で雪之助が語った話(事実ではない)を真に受けた亜矢美は、なつが柴田家でこき使われた末に追い出され、「川村屋」のマダムが咲太郎の借金を肩代わりさせるために強制労働を強いられているのだろうと彼に話す。激怒した咲太郎は「川村屋」に怒鳴り込み、なつを連れ去ろうとする。なつの上京の目的を知った咲太郎は撮影所内で遭遇した「東洋映画」社長・大杉満に直談判し、6月を迎えなつは「東洋動画」の作画課の臨時採用試験に臨む。なつは実技で高評価を受けるものの、面接で兄が所属する新劇の劇団から政治思想を疑われて不合格となる。落胆したなつは、不合格を知った陽平の先輩アニメーター・仲努と陽平から仕上課の臨時採用試験があることを知らされ、9月の採用試験を受験し合格する。なつは半年間世話になった「川村屋」の寮を出て、おでん屋「風車」の2階で亜矢美と咲太郎のもとで生活を始める。
アニメーション編(第10週 - 第18週)

1956年(昭和31年)10月、「東洋動画」に入社したなつは、亜矢美が毎朝見立てる華やかなファッションに身を包みスタジオへ通い始める。スタジオでは日本初となる総天然色の長編漫画映画『白蛇姫』[注 4]の製作が進み、なつは仕上課で彩色を担当する。仲と陽平に誘われて就業後に作画課に足を運んだなつは、仲の勧めでアニメーターたちが護美箱に捨てた作品を持ち帰り、参考にしながら独学で絵の勉強を続ける。華やかな服装から先輩アニメーターの大沢麻子に男目当てと誤解を受けるものの、なつが描いた動画のラフが偶然麻子の目に留まる。仲の取り計らいでなつは6月入社の養成中のアニメーターたちと一緒に能力審査を受験する機会を得るが、発想力に画力が伴わず再び不合格となる。


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