なつぞら
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また、事前にキャストの発表がなく、劇中で初めて明かされたヒロインの生き別れの妹・千遥役を演じた清原果耶は、後に『おかえりモネ』でヒロインを演じることになる[33][34][35][36]

また、北海道を拠点に活動する演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーである安田顕戸次重幸音尾琢真がレギュラーで出演し、後半には森崎博之、最終週には大泉洋がゲスト出演し、メンバー全員が出演した。メンバー同士が共演したことでも注目を集めた。起用理由として「地元の人たちに喜んでもらえる人に出てほしいと思い、そういう方々の力を借りたいと思った」としており、会見で制作統括の磯智明は「(残る森崎と大泉の出演も)頑張って交渉していきたい」と話していた[37][38][39]。5人で最後の出演となった大泉は「北海道が舞台の記念すべき朝ドラに、我々TEAM NACSを全員出演させてくれたスタッフの皆様、そして我々全員の出演を願ってくれたファンの皆様に本当に感謝です」とコメントした[40]

語りはドラマのナレーションを担当するのは本作が初となる内村光良。ヒロインの亡き父として彼女を天国から見守っている設定で[41]、2017年末の『第68回NHK紅白歌合戦』で総合司会を務めた際の「優しさと慈愛が満ちあふれる」言葉遣いが「きっとヒロイン・なつの波乱に満ちた半生を、太陽のように明るく照らし続けてくれるに違いない」との評価を受けての起用となった[42]。2018年12月31日、『第69回NHK紅白歌合戦』において、総合司会の1人である内村が本作の語りを務めることをサプライズで発表した[43]。なつのモノローグや客観的なナレーションも考えられる中で「厳しい環境に身を置くことになったなつにとって一番の理解者が身近にいた方が視聴者の皆さんが物語に入りやすい」「なつの道しるべになる人がドラマをナビゲートする今回の形がいい」との発想から「語り=ヒロインの父」の設定に至り、第9話終盤の語りの中で「語り=ヒロインの父」であることが判明する異色の仕掛けによって明かされた。語りの中で用いられる「なつよ」のフレーズは脚本の大森が考案し、印象的だったことから各週のサブタイトルにも用いられている[44]

音楽は、「十勝の丘を駆け抜ける、爽やかな夏風のようなフレッシュで心地よいメロディーを作ってください」との依頼を受け、『おそ松さん』『3月のライオン』をはじめ多くのテレビアニメ作品の音楽を担当した橋本由香利が手がける[45]。主題歌はロックバンドのスピッツが担当、初の連続テレビ小説の楽曲となる主題歌「優しいあの子」を提供する[46]。2019年2月19日に主題歌がスピッツの「優しいあの子」に決まったことが発表され、制作統括の磯は、とかち帯広空港に初めて降り立ち十勝平野の果てしなく続く圧倒的な青空を目にしたとき「啓示を受けたように、スピッツのメロディが空から舞い降りてきた」と語っている[47]。依頼を受けて十勝の地へ何度か足を運んだ草野マサムネは、「季節が夏であっても、その夏に至るまでの長い冬を想わずにはいられない」との思いを抱き、「なつぞら」=「厳しい冬を経て、みんなで待ちに待った夏の空」との解釈から、題名の『なつぞら』に反して冬っぽい仕上がりの詞を書き上げた[48][49]
アニメーション制作

2019年3月5日にアニメーションチームが発表され[50]東映動画(現・東映アニメーション)などでアニメーターとして多くの作品に参加した小田部羊一がアニメーション時代考証を担当[7][51]、「『白蛇伝』をやっていたころの東映動画や女性アニメーターの世界を描きたい」との意向を受けて、当時を知る人物を紹介するなど参考となる情報の提供を行った[8]。また、スタジオジブリでアニメーション映画の動画チェックに携わったアニメーターの舘野仁美がアニメーション監修を担当[7][51]。本編中に『火垂るの墓』を連想させる東京大空襲の回想シーンなど随所にアニメーションが用いられ、草創期を支えた高畑勲宮崎駿や同世代のアニメーターへのオマージュであり「軌跡や偉業の一端でも表現できれば」としている[52][53][54][55]。舘野がプロデューサーを務めるオープニングのタイトルバックは連続テレビ小説初となる全編アニメーションで製作される[7]。アニメーション制作は舘野のスタジオ「ササユリ」と東映アニメーションが担当し[54]シンエイ動画スタジオカラーコミックス・ウェーブ・フィルムオープロダクションスタジオパブロなど名だたるアニメ制作会社のスタッフが参加している[56]
撮影

撮影は、2018年6月8日より北海道・十勝管内において陸別町新得町を中心にクランクインした[57][58][59]。2019年1月には同管内にて厳寒の中で冬のロケが[60][61]、放送開始後の同年4月には3回目となる十勝ロケが行われた[62][63]。同年7月には物語終盤のシーンを撮るため4回目となる十勝ロケが行われた。十勝における撮影では、ロケハンに始まってキャスト・スタッフの宿泊施設、撮影地への移動用の車両と運転手の手配、エキストラの募集、冬季間のロケセットの維持管理に至るまで、帯広観光コンベンション協会が各町村の窓口となって長期におよぶ撮影の支援を行う[64]。また、昭和20、30年代当時の十勝の酪農や生産者の思いを映像で再現するにあたり、先人の苦労や歴史を多くの人々に知ってもらい農業や地域振興に繋げたいとして地域の酪農家やJAが「酪農指導」「馬車指導」などさまざまな形で撮影に協力している[65][66][67]

2019年8月20日深夜、クランクアップ[68]
プロモーション

放送に先立つ2019年2月に、帯広市で開催された「おびひろ氷まつり」で小畑雪次郎役の山田裕貴がトークライブを開催[69]。また、同月に札幌市で開催された「第70回さっぽろ雪まつり」の開会式にヒロインの広瀬すずがスペシャルゲストとして参加し、ヒロイン・なつを模した雪像が展示された。「さっぽろ雪まつり」を連続テレビ小説のヒロインが訪れるのも、連続テレビ小説を題材とする雪像が展示されるのも初となった[70][71][72]。特設ステージで開催された「元気いっぱい北海道 feat.なつぞらトークショー」には戸村菊介役の音尾琢真、柴田夕見子役の福地桃子が登壇し、ドラマの魅力のPRを行った[73]

2019年2月1日には番組の公式Instagram(インスタグラム)を開設、「第70回さっぽろ雪まつり」開会式の様子など、オフショットの写真や動画の発信を行っている[74]


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