なつぞら
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「5文字が多い」「“ん”が付く」など朝ドラのヒットの法則を踏まえて『なっちゃん』『どさんこ』なども候補として検討されたが、作品への思いを優先し、もともと仮題ともなっていた『夏空』を採用した[17][18]。のちに2018年4月の「北海道十勝編」の出演者発表にあわせて平仮名の『なつぞら』に改められた[3][19]
キャスティング

2017年11月20日に制作およびヒロインが発表され[2][20]、『「戦災孤児」「北海道」「アニメーション」という3つのキーワードをもつ遠大な物語を、演技力とリアリティーをもって演じきれる女優は今、広瀬すずさんしかいない』との指名により、ヒロイン役には広瀬すずが決定した[5]。夏の北海道が舞台で通常より3、4か月早い撮影開始となること、NHKの働き方改革[注 2]により制作期間を長くとることから、前作の『まんぷく』(2018年度〈平成30年度〉後期)に先立つ放送開始1年5か月前となる異例の早期発表となった[23][24][25]。なお、東京制作による朝ドラの主演は本作から2024年令和6年)度前期の『虎に翼』の伊藤沙莉まで全て、キャスティングで選ばれた[26]

ヒロイン以外の出演者は、2018年2月ごろにヒロインの相手役を演じる若手俳優のオーディションを実施し、男女各2,500名ほどの応募者の中から山田天陽役の吉沢亮、小畑雪次郎役の山田裕貴、柴田照男役の清原翔、柴田夕見子役の福地桃子らの起用が決定[27]。同年4月26日に「北海道十勝編」[19]、2019年2月12日に「東京・新宿編」[28]、3月1日に「アニメーション編」が順次発表された[29]

本作に於いては第2話に連続テレビ小説第1作『娘と私』のヒロイン・北林早苗が出演したのを始め[30]小林綾子(『おしん』)、山口智子(『純ちゃんの応援歌』)、松嶋菜々子(『ひまわり』)、岩崎ひろみ(『ふたりっ子』)、比嘉愛未(『どんど晴れ』)、貫地谷しほり(『ちりとてちん』)、原日出子(『本日も晴天なり』)、三倉茉奈(『ふたりっ子』、『だんだん』)、藤田三保子(『鳩子の海』)、田中裕子(『おしん』)、藤澤恵麻(『天花』)、安藤サクラ(『まんぷく』)、浅茅陽子(『雲のじゅうたん』)、戸田菜穂(『ええにょぼ』)と、歴代ヒロイン15人が様々な形で出演した[31][32]。起用の理由について、過去99作品を製作した先人達への「リスペクト」であり、見続けた視聴者への「カーテンコール」であるとしている[30]。また、事前にキャストの発表がなく、劇中で初めて明かされたヒロインの生き別れの妹・千遥役を演じた清原果耶は、後に『おかえりモネ』でヒロインを演じることになる[33][34][35][36]

また、北海道を拠点に活動する演劇ユニット「TEAM NACS」のメンバーである安田顕戸次重幸音尾琢真がレギュラーで出演し、後半には森崎博之、最終週には大泉洋がゲスト出演し、メンバー全員が出演した。メンバー同士が共演したことでも注目を集めた。起用理由として「地元の人たちに喜んでもらえる人に出てほしいと思い、そういう方々の力を借りたいと思った」としており、会見で制作統括の磯智明は「(残る森崎と大泉の出演も)頑張って交渉していきたい」と話していた[37][38][39]。5人で最後の出演となった大泉は「北海道が舞台の記念すべき朝ドラに、我々TEAM NACSを全員出演させてくれたスタッフの皆様、そして我々全員の出演を願ってくれたファンの皆様に本当に感謝です」とコメントした[40]

語りはドラマのナレーションを担当するのは本作が初となる内村光良。ヒロインの亡き父として彼女を天国から見守っている設定で[41]、2017年末の『第68回NHK紅白歌合戦』で総合司会を務めた際の「優しさと慈愛が満ちあふれる」言葉遣いが「きっとヒロイン・なつの波乱に満ちた半生を、太陽のように明るく照らし続けてくれるに違いない」との評価を受けての起用となった[42]。2018年12月31日、『第69回NHK紅白歌合戦』において、総合司会の1人である内村が本作の語りを務めることをサプライズで発表した[43]。なつのモノローグや客観的なナレーションも考えられる中で「厳しい環境に身を置くことになったなつにとって一番の理解者が身近にいた方が視聴者の皆さんが物語に入りやすい」「なつの道しるべになる人がドラマをナビゲートする今回の形がいい」との発想から「語り=ヒロインの父」の設定に至り、第9話終盤の語りの中で「語り=ヒロインの父」であることが判明する異色の仕掛けによって明かされた。語りの中で用いられる「なつよ」のフレーズは脚本の大森が考案し、印象的だったことから各週のサブタイトルにも用いられている[44]

音楽は、「十勝の丘を駆け抜ける、爽やかな夏風のようなフレッシュで心地よいメロディーを作ってください」との依頼を受け、『おそ松さん』『3月のライオン』をはじめ多くのテレビアニメ作品の音楽を担当した橋本由香利が手がける[45]。主題歌はロックバンドのスピッツが担当、初の連続テレビ小説の楽曲となる主題歌「優しいあの子」を提供する[46]。2019年2月19日に主題歌がスピッツの「優しいあの子」に決まったことが発表され、制作統括の磯は、とかち帯広空港に初めて降り立ち十勝平野の果てしなく続く圧倒的な青空を目にしたとき「啓示を受けたように、スピッツのメロディが空から舞い降りてきた」と語っている[47]。依頼を受けて十勝の地へ何度か足を運んだ草野マサムネは、「季節が夏であっても、その夏に至るまでの長い冬を想わずにはいられない」との思いを抱き、「なつぞら」=「厳しい冬を経て、みんなで待ちに待った夏の空」との解釈から、題名の『なつぞら』に反して冬っぽい仕上がりの詞を書き上げた[48][49]
アニメーション制作

2019年3月5日にアニメーションチームが発表され[50]東映動画(現・東映アニメーション)などでアニメーターとして多くの作品に参加した小田部羊一がアニメーション時代考証を担当[7][51]、「『白蛇伝』をやっていたころの東映動画や女性アニメーターの世界を描きたい」との意向を受けて、当時を知る人物を紹介するなど参考となる情報の提供を行った[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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