平野部である市内長峰(高層気象台)にある観測点(「つくば(館野)」)における1991年(平成3年)から2020年(令和2年)の平年値によると、年平均気温は14.3°C、年間降水量は1326.0mmである。太平洋側気候に属するが、内陸性で年間の寒暖の差、一日の内の気温差が大きい。
冬は、1月から2月には最低気温が-5°Cから-8°Cくらいまで下がることもあり、1952年(昭和27年)2月5日には、最低気温-17.0°Cを観測している。また、当市を含む地方の季節風は「筑波颪」(つくばおろし)との異名があるが当市の地勢とはあまり関係がない。降雪は比較的少なく、20cmを超える積雪の年は1971年(昭和46年)以降わずか4回であり、観測史上最深積雪は27cmで1936年(昭和11年)2月5日まで遡る。
一方、夏は蒸し暑く、猛暑日になることもある。1996年(平成8年)8月15日には最高気温37.8°Cを観測した。また、山間部でも標高がそれほど高くないため平野部とは数°C程度の差であり、市内最高峰の筑波山(女体山)でもわずか877mなので避暑地にはならない。
市街地ではヒートアイランド現象が発生しており、竹園・東新井の気温が最も高く、吾妻・二の宮がこれらに次ぐ[7]。冬の早朝の測定結果によれば、竹園・東新井の気温は、郊外部に比べ4°Cも高くなっている[7]。
つくば市長峰(館野 高層気象台、標高25m)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)22.2
(72)24.5
(76.1)26.6
(79.9)28.8
(83.8)34.1
(93.4)36.7
(98.1)37.3
(99.1)37.8
(100)36.9
(98.4)32.7
(90.9)25.8
(78.4)24.4
(75.9)37.8
(100)
平均最高気温 °C (°F)9.3
(48.7)10.2
(50.4)13.6
(56.5)18.7
(65.7)22.7
(72.9)25.2
(77.4)29.1
(84.4)30.6
(87.1)26.8
(80.2)21.3
(70.3)16.3
(61.3)11.5
(52.7)19.6
(67.3)
日平均気温 °C (°F)3.1
(37.6)4.2
(39.6)7.7
(45.9)12.8
(55)17.4
(63.3)20.8
(69.4)24.6
(76.3)25.9
(78.6)22.3
(72.1)16.6
(61.9)10.5
(50.9)5.3
(41.5)14.3
(57.7)
平均最低気温 °C (°F)?2.8
(27)?1.8
(28.8)1.7
(35.1)6.9
(44.4)12.3
(54.1)16.9
(62.4)21.0
(69.8)22.1
(71.8)18.5
(65.3)12.1
(53.8)5.2
(41.4)?0.5
(31.1)9.3
(48.7)
最低気温記録 °C (°F)?14.8
(5.4)?17.0
(1.4)?11.6
(11.1)?6.4
(20.5)?2.6
(27.3)5.7
(42.3)9.8
(49.6)12.0
(53.6)5.0
(41)?1.4
(29.5)?7.8
(18)?11.9
(10.6)?17.0
(1.4)
降水量 mm (inch)50.6
(1.992)47.1
(1.854)95.5
(3.76)109.8
(4.323)129.8
(5.11)131.8
(5.189)134.6
(5.299)118.2
(4.654)187.6
(7.386)193.5
(7.618)79.1
(3.114)48.5
(1.909)1,326
(52.205)
降雪量 cm (inch)6
(2.4)5
(2)1
(0.4)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)1
(0.4)13
(5.1)
平均降水日数 (?0.5 mm)5.16.010.511.311.512.712.18.511.711.88.25.9115.2
平均降雪日数 (?1 cm)1.31.30.30.00.00.00.00.00.00.00.00.23.2
% 湿度64636670758182818281787074
平均月間日照時間206.8181.8182.6181.4182.8129.3152.8182.8136.4138.4153.6185.72,014.5
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1921年-現在)[8][9]
市のシンボル的存在である筑波山にちなんだ名称である[10][11]。(「筑波」・「つくば」の語源については、「筑波山#山名の由来」を参照) 市名の命名者は当時の県知事である竹内藤男で、県内初のひらがな市名であった[11][12]。竹内は漢字表記の「筑波市」にすると筑前国・筑後国のように「筑」を「ちく」と誤読される恐れがあることや、ひらがなの方がシンプルで現代的であるとして「つくば市」を推し、合併する予定の4町村(筑波郡谷田部町・大穂町・豊里町・新治郡桜村)にもその意向が伝えられていた[13]。1987年(昭和62年)10月26日に土浦市で開かれた第1回合併協議会の2番目の議題として市名が討議され、「つくば学園市」[注釈 2]や「新つくば市」[注釈 3]などの候補も出されたが、結局「つくば市」で決着した[14]。
市名の由来