ブライヤ、トウモロコシの軸、セピオライト(海泡石=メシャム)などを加工したものに樹脂製の吸い口を取り付け作られる。主にアメリカやヨーロッパ等で使われる喫煙具。香料を加えて作られた専用の刻みたばこ(香料不使用のものもあり)をボウルに詰めて着火し吸う。欧州では19世紀ごろまでは、労働者等の大衆の喫煙方法とされていた。紙巻きに比べタバコを味わうのに向いている。火が消えやすく、快適に喫煙するにはタバコ葉の詰め方も含めて技術を要する。葉の分量はおおむね2?3グラム(紙巻きたばこ2?4本程度)。吸った煙は肺に入れず、ふかすようにして口腔粘膜からニコチンを摂取する。時間当たりのタバコ葉消費量(燃焼量)は紙巻きの数分の一になるが、フィルターを使わないことが多く、そのぶん濃くなるので紙巻よりも弱くゆっくり吸うためである。パイプを1時間程度かけて一服することにより、紙巻きたばこ10本程度をチェーンスモーキングする程の充足感が得られるとも言われる。場合によっては非常に経済的な喫煙方法であるが、喫煙具自体が高価なことが多く、数千円から手作りのものは数十万円するものもある。各種のデザインのものが売られておりコレクションをする人も多く、趣味性の高い喫煙方法と言える。
水たばこエルサレムのバザーに陳列された水パイプ詳細は「水タバコ」を参照
水パイプ、水キセル、シーシャとも呼ばれ、タバコ煙を水にくぐらせた後、極めて長い煙路を経て吸引する。タール分や一酸化炭素を主に、多くの煙に含まれる成分が水に溶けて省かれ、また煙温も低下するので、煙および(不可視な)燃焼ガスに一定の成分変化があるとされている。トルコなどの中東方面で用いられる大型のものから、中国などアジアで見られる小型のものまでさまざまあり、日本でも吹きガラス製の水パイプなどが存在している。この喫煙に使った後の廃水は非常に有害である。また、吸い口が直接本体に付いているものは梵具(ぼんぐ)と呼ばれる。こちらは煙路は短い。どちらも実験器具の洗気瓶と同じ構造である。
煙管詳細は「煙管」を参照
煙管(キセル)は日本、朝鮮、中国で見られる喫煙具。パイプをまねて作られた。雁首、羅宇(らお)、吸口から構成され、雁首の火皿に刻みたばこを詰め、着火する。本来、一息で吸いつくすもので、燻らせるものではない。日本では江戸時代の喫煙は大半がキセルによるものだった。一般的に紙巻きやパイプたばこよりも、葉の刻み方が細かい。一服あたりの平均燃焼時間は2?3分程度だが、使うタバコの葉の量は紙巻たばこの1/4程度に相当で、人によっては(本来の喫煙法ではないが)、紙巻きたばこの吸殻(俗にシケモクと呼ばれる)をこれに詰めて吸う人もいる。しかし2000年代以降、日本国内での愛用者は大幅に減少し続けている。
生産と消費タバコフレーク
世界の葉タバコ上位生産国とその割合[31]国2010年2011年2012年2013年 たばこの原料となる葉たばこの生産量は2014年に世界で744万トンにのぼっている。最大の生産国は中国であり、2012年には314万トンが生産され、世界生産の42%を占める一大生産国となっている。以下、ブラジル、インド、アメリカ合衆国、インドネシア、ジンバブエ、マラウイ、アルゼンチン、パキスタン、トルコの順となっている。
1 中国3,004,000 t43,6 %3,157,000 t42,4 %3,126,200 t43,1 %3,148,500 t42,3 %
2 ブラジル787,800 t11,4 %951,900 t12,8 %810,600 t11,2 %850,700 t11,4 %
3 インド690,000 t10,0 %830,000 t11,1 %820,000 t11,3 %830,000 t11,2 %
4 アメリカ325,800 t4,7 %271,400 t3,6 %345,800 t4,8 %345,800 t4,7 %
5 インドネシア135,700 t2,0 %214,600 t2,9 %260,800 t3,6 %260,200 t3,5 %
6 ジンバブエ109,700 t1,6 %111,600 t1,5 %115,000 t1,6 %150,000 t2,0 %
7 マラウイ172,900 t2,5 %174,900 t2,3 %72,600 t1,0 %132,800 t1,8 %
8 アルゼンチン132,900 t1,9 %135,200 t1,8 %115,300 t1,6 %115,300 t1,6 %
9 パキスタン119,300 t1,7 %102,800 t1,4 %97,900 t1,4 %108,300 t1,5 %
10 トルコ55,000 t0,8 %45,000 t0,6 %75,000 t1,0 %90,000 t1,2 %
11 タンザニア60,900 t0,9 %130,000 t1,7 %120,000 t1,7 %86,400 t1,2 %
12 バングラデシュ55,300 t0,8 %79,200 t1,1 %85,400 t1,2 %86,000 t1,2 %
13 朝鮮民主主義人民共和国72,000 t1,0 %79,000 t1,1 %80,000 t1,1 %80,000 t1,1 %
14 タイ59,500 t0,9 %67,900 t0,9 %69,000 t1,0 %72,000 t1,0 %
15 ザンビア59,300 t0,9 %60,300 t0,8 %61,500 t0,8 %62,000 t0,8 %
16 モザンビーク67,000 t1,0 %70,000 t0,9 %54,500 t0,8 %56,000 t0,8 %
17 フィリピン40,500 t0,6 %44,900 t0,6 %48,100 t0,7 %53,800 t0,7 %
18 ベトナム56,500 t0,8 %49,400 t0,7 %47,400 t0,7 %50,600 t0,7 %
19 イタリア89,100 t1,3 %70,100 t0,9 %50,600 t0,7 %49,800 t0,7 %
20 ラオス45,000 t0,7 %43,000 t0,6 %40,600 t0,6 %40,600 t0,5 %
合計6,889,900 t100 %7,448,800 t100 %7,248,300 t100 %7,435,100 t100 %
2017年の葉タバコ上位生産国(14位まで)
生産量