たばこ
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殿堂入り選手のトニー・グウィンは、2010年唾液腺ガンが判明した際に、現役時代に愛用していた噛みたばこが原因ではないかと語った[28]。また、ボストン・レッドソックスの主力投手であったカート・シリングは2014年8月に口腔がんに罹患していることを告白し、30年間にわたり愛好した噛みたばこが原因であると語った[29]。日本のプロ野球においてもアメリカ出身の選手に愛用者が多かったが、今ではほとんど見られなくなった。

日本では「煙も出ない、人に迷惑をかけることがないたばこ」であるとして普及の動きがあったが、日本人の舌に合わないせいもあって定着しなかった。2000年代にはガムタイプのファイアーブレイクが発売されたが、2009年に製造が終了した。
嗅ぎたばこ(スナッフ)詳細は「嗅ぎたばこ」を参照スコットランド嗅ぎたばこ北欧嗅ぎたばこ・スヌースアメリカ自然史博物館の鼻煙壷のコレクション

嗅ぎたばことは、着火せずに香りを楽しむたばこである。タバコの粉末を鼻孔の粘膜などから摂取する。嗅ぎたばこおよびそれを摂取する行為は「スナッフ」と呼ばれる。口腔がんのリスクを高める。煙を嗜む喫煙よりもその歴史は古いが、日本においてはあまり普及していない。

基本的に、5グラム- 10グラム程度のケースなどに入れられて販売されており、細かな粉末を鼻から吸引する。親指と人差し指で粉末をつまみ吸引する他、手の甲の親指、人差し指の付け根のくぼみに適量(一つまみほど)のスナッフを載せ、鼻から吸引するのが一般的な嗅ぎたばこの摂取法である。この三角形の窪みは解剖学の分野で「解剖学的嗅ぎタバコ入れ」と呼ばれている。

タバコの粉末の入った小袋を歯茎と上唇の間に挟み、歯茎からニコチンを吸収する喫煙(摂取)は「スヌース」と呼ばれる。小袋に入った状態で販売されているのが一般的だが、粉を直接歯茎と唇の間に挟む摂取法もある。いずれにせよ喫煙とは異なり手、鼻、頬などにタバコの粉末が残りやすいことに加え、「粉末を鼻から吸引する」という行為は麻薬の摂取方法としてもよく知られているために大きな誤解を受けやすい行為であるので注意が必要である。ドラマなどで、嗅ぎたばこの吸引がミステリアスさを醸し出すスパイスとして用いられることがある。

JTのゼロスタイル・ミントは、嗅ぎたばこに馴染みのない日本人に向けた商品で、口から吸い込んで、通る空気を吸い込む。上記の欠点は改善されている。

煙草のケース同様、嗅ぎたばこの粉末ケース(鼻煙壷)にも装飾が施されたものがあり、コレクションの対象となっている。ディクスン・カーの代表作の一つに「皇帝のかぎ煙草入れ(The Emperor's Snuff-Box)」というミステリー小説がある。

大きく下記の6種類に分類される。
スコットランド嗅ぎたばこ (Scotch snuff)
イギリススコットランドの嗅ぎたばこ、乾燥させてすりつぶしたタバコの粉末に香りをつけたもの。少量を鼻に吸引させ、鼻をつまみ鼻粘膜にすりこんで楽しむ。
アメリカ嗅ぎたばこ (American snuff)
甘い味付けと辛い味付けの2者が主流で、香りや味は様々。湿った粉末様、若しくは細粒様(ロングカット)の物を歯茎に塗って楽しむ。また、次の北欧嗅ぎたばこと同じく上歯茎と上唇の間に置いて楽しむ。
北欧嗅ぎたばこ(スヌース)(snus)
主に北欧スウェーデンで生産されている。ルーズ(粉末)タイプとポーション(小袋入り)タイプの2種類がある。ルーズタイプは湿っており、指で口紅や玉のような形状にするか、ポーショナーと呼ばれる道具を使って上歯茎と上唇の間に置く。ポーションタイプは乾燥させたスヌースが入っている物と、少し湿らせたのが入っている物がある。使用法はルーズタイプと同じ。
中国嗅ぎたばこ(鼻烟)
粉末状のたばこを指につけたり手の甲にのせ、鼻から吸引して楽しむ。薬としての効能を謳う銘柄もある。末期?初期にキリスト教とともに中国にもたらされたが、献上品のスナッフボックスは湿度に弱く数も少なかったため、湿度の高い中国の気候に合わせた独自の鼻烟壺が開発され清代に広く普及した。鼻烟壺は持ち歩くことを前提とした携帯用の数センチ大のものと、自宅に置く親器に相当する10センチ以上の大きさのものがあるが、特に携帯用のものは象牙、宝石、陶磁器など様々な素材をもとに工芸的な粋が凝らされ、手中で常に愛玩される工芸品となった(この点では日本の印籠根付に相当する)。モンゴルチベット周辺地域に愛好者が多かったが、現在の中華人民共和国では鼻烟を嗜む人はかなり少数になってしまっている[30]
ゼロスタイル・ミント (zero style mint)
タバコ葉が入ったカートリッジをパイプにセットして口から吸引する。JT独自の商品。
ニコチンフリー嗅ぎたばこ (nicotine free snuff or snus)
タバコ葉を使用していない。ハッカやミントの粉末が主成分。使用法は上記のスコットランド嗅ぎたばこや北欧嗅ぎたばこと同じ。
喫煙具
パイプイタリア・サビネリ社製のパイプ詳細は「パイプ (たばこ)」を参照

ブライヤトウモロコシの軸、セピオライト(海泡石=メシャム)などを加工したものに樹脂製の吸い口を取り付け作られる。主にアメリカヨーロッパ等で使われる喫煙具。香料を加えて作られた専用の刻みたばこ(香料不使用のものもあり)をボウルに詰めて着火し吸う。欧州では19世紀ごろまでは、労働者等の大衆の喫煙方法とされていた。紙巻きに比べタバコを味わうのに向いている。火が消えやすく、快適に喫煙するにはタバコ葉の詰め方も含めて技術を要する。葉の分量はおおむね2?3グラム(紙巻きたばこ2?4本程度)。吸った煙は肺に入れず、ふかすようにして口腔粘膜からニコチンを摂取する。時間当たりのタバコ葉消費量(燃焼量)は紙巻きの数分の一になるが、フィルターを使わないことが多く、そのぶん濃くなるので紙巻よりも弱くゆっくり吸うためである。パイプを1時間程度かけて一服することにより、紙巻きたばこ10本程度をチェーンスモーキングする程の充足感が得られるとも言われる。場合によっては非常に経済的な喫煙方法であるが、喫煙具自体が高価なことが多く、数千円から手作りのものは数十万円するものもある。各種のデザインのものが売られておりコレクションをする人も多く、趣味性の高い喫煙方法と言える。
水たばこエルサレムのバザーに陳列された水パイプ詳細は「水タバコ」を参照


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