「どこか」とだけ特定された場所で、34歳のゲイの劇作家で末期症状に対処しているルイは、12年ぶりに家族と再会するため故郷への短いフライトに乗る。妹シュザンヌには彼の思い出がほとんどない。家に到着すると、母マルティーヌは、ルイが兄アントワーヌの妻であるカトリーヌに一度も会ったことがないことに気づき驚く。ルイが彼らの結婚式に出席しなかったためである。カトリーヌはルイに、彼女とアントワーヌの子供について話し始めるが、なぜ息子の一人をルイとアントワーヌの父にちなみルイと命名したかの説明で、落ち着かない様子になり言葉に詰まってしまう。アントワーヌは、ルイは子供の話になど興味がないと言い放ち、緊張感を生む。ルイは以前の家を見に行きたいと懐かしがるが、廃屋とみなしている他の家族は戸惑う。その後彼は電話で会話し、どう反応されるかはわからないが、死が差し迫っていることを家族に伝えたら出発する予定だと話す。
ルイとカトリーヌは廊下でぎこちなく出会い、緊張した会話についてお互いに謝罪する。ルイは、アントワーヌはルイに関するネガティブな意見を彼女に与えたかったのだろうと述べる。カトリーヌは、アントワーヌは実際ほとんどルイのことを話さず、そしてルイが彼らの人生にほぼ全く興味がないと感じていると答える。彼女は公然とこの考えに一理あるのではと思っている。彼女はルイにアントワーヌの仕事を知っているか質問し、近所で工具を作っていることを説明する。マルティーヌもまた、ルイに家族の責任を負うよう諭し、彼の地位、成功や勇気がその権威にふさわしいのだと言う。彼女は、手紙を送っていた住所から彼が引っ越したこと、彼が現在どこに住んでいるか知らされていなかったことを知る。
食事の間、ルイはもっと頻繁に帰省すると約束し、シュザンヌにいつでも彼に会いに来て良いと伝える。しかし、ルイが出発しようとしていることがすぐに明らかになる。これに乗じ、アントワーヌは無理やり彼を家から追い出そうとする。家族はアントワーヌの蛮行に怒鳴り返す。アントワーヌは応酬し、家族の変わり者として扱われることにはうんざりだと言う。しばらくの後、ルイは家族に彼の予後について話すことなく出発する。 ドランが『たかが世界の終わり』を監督し、ギャスパー・ウリエル、ナタリー・バイ、マリオン・コティヤール、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルが出演する企画は2015年4月に発表された。映画はテレフィルム・カナダ
キャスト
ナタリー・バイ - マルティーヌ
ヴァンサン・カッセル - アントワーヌ
マリオン・コティヤール - カトリーヌ
レア・セドゥ - シュザンヌ
ギャスパー・ウリエル - ルイ
製作
ワールドプレミアは2016年5月にカンヌ国際映画祭で行われた[4][5]。また2016年6月にシドニー映画祭
(英語版)[17]、9月にトロント国際映画祭で上映された[18]。ケベック州及びフランスでは2016年9月21日に封切られた[19]。カンヌ国際映画祭でのプレミア上映の際は観客及び批評家の反応は芳しくなく、『ヴァニティ・フェア』誌からは「カンヌで最も期待外れの映画」と評された[20][21][22]。