梁には真ん中を基準として、左右の端まで一定の桁ごとに定位点が打たれている。標準的なそろばんでは定位点は4桁ごとに打たれている[23]。
なお、実用に用いられたそろばんには、桁ごとに梁に金額(千、百、十、円、十、銭、厘)や体積(石、斗、升、合、勺)を記したものもある[27]。
計算法詳細は「珠算」を参照
以下は天(梁の上側)に1つの珠、地(梁の下側)に4つの珠を配置した天1顆、地4顆の形式のそろばんの計算法。 布数法とは数を表現するための珠の置き方である。天(梁の上側)にある1つの珠を五珠、地(梁の下側)にある4つの珠を一珠という。 一般的に一の位は枠上の定位点の付いた桁(軸の位置)に置くのが一般的で左に向かって十進法で位取りを行う。 そろばんの用語では、加法及び減法をまとめて見取り算と呼ぶ。 (例)1937+284 (例)1756-957 乗算・除算の場合は、特に慣れていない人の場合、乗数・除数を被乗数・被除数の左側に置くことが多いが、計算中は乗数・除数を全く操作しないので、乗数・除数については、紙に書いてある数字や印刷してある数字を使う方法もあり、あるいはある程度慣れている人の場合、記憶だけに留める方法(片落とし)を取ることが多い。また、そろばんの用語では、被乗数・被除数を実(じつ)、乗数・除数を法(ほう)という。 そろばんでの乗算・除算において、答えが出る位置を決めることを定位法と呼ぶ。 そろばんの乗法には実(被乗数)の尾桁から計算する留頭乗法と実(被乗数)の首桁から計算する破頭乗法がある[3]。また、それぞれ法(乗数)の首位数から計算を始める頭乗法と法(乗数)の尾位数から計算を始める尾乗法がある[3]。 以上の組み合わせにより主な乗法として留頭尾乗法、留頭頭乗法、破頭頭乗法、破頭尾乗法の四種がある[3]。 またこの他に中乗法といって、法の次位数から尾位数まで計算した後、最後に法の首位数を計算する方法もある。 一般には留頭頭乗法の欠点を克服するため部分積を置く位置を改良した方法が用いられる[28]。以下に示すのは新頭乗法と呼ばれる現在一般的な方法(法を盤面に置いていない片落としの例)である。 (例)32×97 特にそろばんの上級者の乗算の場合は、法のみならず実もそろばんの布数から省略し、積のみをそろばんに置いていく両落としが用いられることも多い。 古式の尾乗法や中乗法の場合は、一時的に1桁に10以上溜まる場合があるため、完全な布数には天二地五が必要となり、天一地五や天一地四ではそのような場合記憶に頼ることになる。 そろばんの除法は種類が多くはなく、割り算九九を用いる帰除法と掛け算九九を用いる商除法がある[28]。 以下に示すのが現在一般的な商除法(法を盤面に置いていない片落としの例)である。 (例)1416÷59 古式である帰除法の場合は、一時的に1桁に10以上溜まる場合があるため、完全な布数には天二地五が必要となり、天一地五や天一地四ではそのような場合記憶に頼ることになる。
布数法
加法及び減法
加法
1937+200+80+4=2221
減法
1756-900-50-7=799
乗法及び除法
現在一般的な方法の乗算・除算(それぞれ新頭乗法・商除法)の場合、法が整数の場合には、法の桁数+1桁だけ実より乗算では右に、除算では左にずれて答え(積・商)が出てくる。
江戸時代?昭和初期に行われていた古式の乗算・除算(乗算では頭乗法・尾乗法・中乗法、除算では帰除法)の場合、法が整数の場合には、法の桁数だけ実より乗算では右に、除算では左にずれて答え(積・商)が出てくる。
乗法
除法
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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