@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}教育においては、十進法の概念を理解させるための格好の教材とされることもある[要出典][誰によって?]。文部科学省(旧:文部省)が改定してきた小学校学習指導要領の算数の履修項目から、そろばんが外されたことはない。
ひとつの特長として、一定以上そろばん(珠算)の能力がある場合、特別な訓練を経なくてもその場にそろばんがなくても計算できるようになることが挙げられる。これを珠算式暗算という。一般にある程度習熟すれば、加減算においては電卓より早く計算ができる。なお、2019年現在「そろばんを習う」といえば「珠算、珠算式暗算、読み上げ算、読み上げ暗算、フラッシュ暗算」のすべてを習っていることがほとんどであり、珠算競技はこれらから出題される。
1955年より全国の高校生がそろばん技能を競う「全国高校珠算競技大会」(通称:そろばん甲子園)が、阪神・淡路大震災があった1995年を除いて毎年行われてきたが、競技人口の減少に伴い2009年8月19日の第55回大会で廃止となった。1980年代後半から1990年代前半のピーク時には約90校から600人前後が参加したが、2009年の参加は59校300人となっていた。
1960年から1990年代半ばにかけて、NHKラジオ第2放送では『そろばん教室』という珠算教育の番組も放送された。
そろばんに対する再評価にもかかわらず、そろばんの市場は縮小している。しかし、2000年代半ばより再び、そろばんが見直されてきており、そろばん塾の塾生は再び増加傾向にある[18]。珠算検定と漢検、あるいは珠算検定と英検を同時に対策する、などといった複合型の学習塾が目立ってきたのも21世紀の特徴である。
2000年、eラーニングの「インターネットそろばん学校」が開発され、そろばん初のWEB学習が可能となった。
日本国外では、ハンガリーで1990年代に日系女性がそろばんを紹介してから、1割ほどの小学校で授業に採用されている[19][20][21]。 そろばんは、珠(たま)、枠(わく)、芯(軸ともいう)を組み合わせて作られる。 珠はカバやツゲ(まれにソヨゴ、イスノキ、ウメなど)、枠は黒檀、芯は煤竹(すすたけ)のものが一般的であるが、時代が経るにつれ、原材料が入手しにくくなってきているため、廉価なものでは積層材
構成
枠の左側を上(かみ)、右側を下(しも)という。珠を上下に滑らせることで計算が行われ、梁と接している珠の数が盤面に置かれている数字(布数)を表す。
近年では付加機能としてボタン1つでご破算(珠払い)ができるワンタッチそろばんなども存在し[22]、各種競技会や検定試験で使用可能である。 芯(軸)ごとの珠の数は顆という単位を用いる[23]。例えば天(梁の上側)に1つの珠、地(梁の下側)に4つの珠を配置したそろばんであれば天1顆、地4顆(天一地四)の形式となる[23]。天の1珠は梁に付くと5を表し、状態で0または5を表すため五珠(ごだま)、地の4珠は梁に付くと1つが1を表し、状態で0から4までを表すため一珠(いちだま)という。 枠が大きく珠の形状が丸い中国の算盤(さんばん)では天2顆・地5顆(天二地五)のそろばんが用いられていた。このそろばんは普通の置き方で五珠で0、5または10、一珠で0から5まで、1桁では0から15まで表せる。さらに上の五珠を半分下ろし、下の五珠を完全に下ろすという特殊な置き方(「懸珠」と呼ばれる)は15を表すので、1桁で最高20まで置けることになる。現代の中国で算盤がいまだに用いられることがあるのは、尺貫法が民間に根強く残っているからである。中国で発達した尺貫法では度量衡の重さの単位で1斤が16両と定められていたため、十六進数の計算をする必要があったのである。 日本では十六進数の計算は必要ではなかったが、江戸時代の乗算や除算の方法(尾乗法・中乗法・帰除法)では、一時的に1桁に10以上溜まる場合もあった(尾乗法・中乗法・帰除法では、一時的に1桁に最大18まで溜まる場合があり、16以上の場合は懸珠を使うことになる)ので、江戸時代まではこの五珠2つの形式が多く使われていた。明治時代になって、不要な五珠を1つ減らした天1顆・地5顆の五つ珠(いつつだま、天一地五ともいい、1桁に10までの数が置ける)の形が普及したが、地5顆の形はしばらく続いた。江戸時代中期には乳井貢などから四つ珠利用の提案があったが定着はしなかった。時代が下り、榊原孫太郎などの教育研究者の啓蒙運動により四つ珠そろばんが次第に認知されるようになる。 日本では昭和10年代に珠算教育に用いる児童用そろばんの標準型を天に1つの珠、地に4つの珠の形式(天1顆・地4顆、天一地四)と定め[23]、これが一般に普及し現在に至る。 天1顆、地4顆の形式には次のような利点がある。 国際的にメートル法が使用されるようになり、中国でも天1顆・地4顆の四つ珠のそろばんが普及してきている。 珠の構成については特殊で変則的なものもある。10行の芯に10個の珠が並ぶ100珠そろばん(百玉計数器)は100個の珠が数そのものを表すというもので視覚的に数字と算数を理解するのに向いておりもっぱら低年齢層向けの教育補助具として用いられている。また、通常のそろばんの五珠の部分のみ(0と1のみ)とした2進法のそろばんもある[25]。 日本では江戸時代にそろばんが広まっていくうち、枠の大きさが手の大きさに合わせて小さめに、そして珠の形状が素早く計算しやすいように円錐を2つ合わせた菱形のような形に変化していった。 珠を通す芯(軸)の数が桁(けた)となり奇数が一般的である。桁数は13桁、17桁、21桁、23桁、27桁、35桁のものが多い[26]。一番多く作られているのは23桁のものである。桁数は多くなると持ち運びに不便である[26]。反面、桁数が少なすぎると乗法や除法の計算に不便である[26]。 梁には真ん中を基準として、左右の端まで一定の桁ごとに定位点が打たれている。標準的なそろばんでは定位点は4桁ごとに打たれている[23]。 なお、実用に用いられたそろばんには、桁ごとに梁に金額(千、百、十、円、十、銭、厘)や体積(石、斗、升、合、勺)を記したものもある[27]。 以下は天(梁の上側)に1つの珠、地(梁の下側)に4つの珠を配置した天1顆、地4顆の形式のそろばんの計算法。 布数法とは数を表現するための珠の置き方である。天(梁の上側)にある1つの珠を五珠、地(梁の下側)にある4つの珠を一珠という。 一般的に一の位は枠上の定位点の付いた桁(軸の位置)に置くのが一般的で左に向かって十進法で位取りを行う。 そろばんの用語では、加法及び減法をまとめて見取り算と呼ぶ。 (例)1937+284 (例)1756-957
珠の数
1桁で0から9までの数を表すことから筆用数字の記数法と一致し、暗算や筆算とも連携が良い[24]。
珠の数が少なく数の認識が容易である[24]。
珠の数が多いと誤謬がおきる確率が高くなる[24]。
地5顆とすると同一の数に幾通りも表現があるため合理的でなく煩瑣である[24]。
地5顆とすると計算上都合の良い場合があるが、そのような場合は極めて限定的である[24]。
珠の形
桁の数
計算法詳細は「珠算」を参照
布数法
加法及び減法
加法
1937+200+80+4=2221
減法
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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