そごう
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なお、それぞれを地域子会社として、早くから黒字化した株式会社千葉そごうが各地の地域子会社に出資する複雑な資本関係てあった[1]1985年横浜駅東口に開業した横浜店は、そごうの店舗では売場面積(83,654m2)と売上高が最大で、現在てもそごう・西武の「基幹店」として営業している。最盛期には国内外で30店舗以上、1992年のグループ全体の売上高で三越島屋を上回り、百貨店業界の1位を記録した[1]。なお、経営破綻以前の直営店は大阪店(心斎橋)、神戸店(三宮)、東京店(有楽町)の3店舗のみであり、その他の店舗は全て千葉そごうが出資した地域子会社であった。なお、水島廣雄が千葉そごうの株式の半数を有しており、実質的に水島廣雄が支配していた。。

ロゴマークは創業以来、初代十合伊兵衛の生家・絹屋の家紋であるちきり(縦糸を巻くための織機の付属部品、石材や木材を繋ぎ止める部品)を丸で囲んだ「まるちきり」が使われている。また「ちきり」は「契り」に通じることから、顧客との結びつきを末長く大切にするという意味も含めている[注釈 3]

ロゴマークの形状自体に変更はないが、色は翡翠と変更され、民事再生直後に原点回帰志向のもとで赤に、さらにミレニアムリテイリングのグループカラーのに変更している。また民事再生以前には「そごう」と「SOGO」のロゴとが存在した。後者が後発で、前者も民事再生時点まで併用されていた。ロゴカラーが緑の時代には、続け字で右上がりの「Sogo」をCIに採用した時期もあり、外装への採用例として、1996年から2001年の神戸店(現:神戸阪急)本館北側の壁面がある。セブン&アイ傘下となってから、英字「SOGO」ロゴのフォントを西武の「SEIBU」と同一のものに変更し、主に公式ウェブサイトと広告で使用する。

イメージフラワーはダリアで、かつては包装紙や紙袋に印刷されたほか、関連組織の名称にも「ダリアルーム」「ダリア友の会」など、ダリアを冠したものがある。

かつては「人、街、世界をつなぐ、そごうネットワーク」というキャッチフレーズも存在した。

西武百貨店と統合したことで、マーチャンダイジングや売場編集が西武流となり、POSシステムの技術提供も受け、従来のイメージは大きく変わった。
歴史
創業から百貨店へ初代十合伊兵衛像 (横浜そごう屋上に設置)

大和国十市郡十市村で絹屋として商売を営んでいた十合徳兵衛の息子として生まれた十合伊兵衛(そごう いへえ)が、1830年天保元年)に坐摩神社(火防陶器神社)の南隣、大坂上難波町に古手屋(古着屋)「大和屋」を開業したのが始まりである[2]

1872年明治5年)に古手屋を廃業して呉服店へ転換し、1876年(明治9年)に安堂寺橋通三丁目に移転。翌1877年(明治10年)には心斎橋筋一丁目に移転すると共に十合呉服店へ改称した[2]

外商顧客が神戸エリアで増加していたことを受け、1899年(明治32年)6月25日、神戸市相生町二丁目(後の生田区相生町→中央区相生町、神戸駅北口)に外商出張所として神戸支店を開設し、1901年(明治34年)4月3日には元町五丁目に移転した[2]。神戸支店は店舗販売も拡大するなどして、順調に売り上げを伸ばし、阪神電気鉄道三宮駅ビルへ出店する形で1933年昭和8年)10月1日に移転・増床し、百貨店として開業した[2]。この移転の告知では「神戸そごう」というひらがな表記を用いており、その後の各店舗での「そごう」表記の第一歩となった[2]

1935年昭和10年)9月24日には大阪・心斎橋本店として村野藤吾設計の地下3階・地上8階建ての新店舗へ建て替え工事を行い、増床と近代化を実現した[2]

心斎橋の新本店ビルは、ガラスブロックを活用した美しい垂直線を強調したもので[2]モダニズム建築の傑作と評価されている。店内には食堂をはじめ、700名収容の劇場茶室、貴賓室など、売場以外の機能も併設されていた。そして開業直後には大阪市営地下鉄御堂筋線が開通し、心斎橋駅と直結することとなった[2]。心斎橋本店は全館一挙に建設されたのではなく、2期に分けて建設された。しかし、2期工事の建設費は板谷宮吉率いる板谷財閥の資本導入により実現し、この際に十合一族による同族経営が終わった[2]

社名は、1940年(昭和15年)に「十合」[3]となり、第二次世界大戦終戦後株式会社を設立した1969年(昭和44年)に「そごう」となった[3]
戦中・戦後

第二次世界大戦中は配給品以外の商品が大幅に減少したため、売場に空きが生じたことから、大阪本店の地下2階部分を活用して「家財保護預り」を行い、顧客の財産を守る事業も展開した[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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