ぜんまい
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語源と派生渦巻き状を呈する新芽

「ゼンマイ」の語源は、「せんまき(千巻き)」に由来するという説、銭巻であり巻いた姿が古銭に似るからとの説がある。別名に、ハゼンマイ、シシゼンマイがあるほか[1]、アオゼンマイ[9][8]、ゼンメ[9]、ゼンゴ[9][8]、ゼンノキ[8]地方名でもよばれる。地方によって、茎が青みがかっているものが「アオゼンマイ」、褐色に近いものが「アカゼンマイ」と呼んで区別している[9]

鋼板を巻いて作られたぜんまいばねは、ゼンマイの新芽の渦巻が似ている姿に由来して、ゼンマイとよばれている[4]

シダとしては名が通っているので、何々ゼンマイというふうに、シダ類の普通名詞として使われる例もある。
近似種左:ゼンマイ(広い葉)
中:オオバヤシャゼンマイ(中間)
右:ヤシャゼンマイ(狭い葉)

アメリカには姉妹種のレガリスゼンマイ (O. regalis L.) がある。ゼンマイに似るが、胞子葉が独立しておらず、栄養葉の先端の羽片に胞子嚢がつく。

ゼンマイ属は世界に十数種、日本には5種があるが、そのうちでヤシャゼンマイ (O. lancea Thunb.) はゼンマイにごく近縁なシダで、外見は非常によく似ている。異なる点は葉が細いことで、特にゼンマイの小羽片の基部が丸く広がり、耳状になるのに対して、はるかに狭くなっている。また、植物体も一回り小さく、葉質はやや厚い。日本固有種で、北海道南部から九州東部にかけて分布する。生育環境ははっきりしていて、必ず渓流の脇の岩の上である。ゼンマイも水辺が好きであるが、渓流のすぐそばには出現せず、ヤシャゼンマイとは住み分けている。上記の特徴はいわゆる渓流植物の特徴そのものであり、そのような環境へ適応して種分化したものと考えられる。

なお、この両種が生育している場所では、両者の中間的な型のものが見られる場合がある。これは両者の雑種と考えられており、オオバヤシャゼンマイ O. ×intermedia (Honda) Sugimoto という。その形や大きさはほぼ中間であるが、やや変異が見られると言う。また、胞子葉は滅多に形成されず、できた場合も胞子は成熟しないらしい。
脚注^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ ⇒Osmunda japonica Thunb. ゼンマイ(標準)”. ⇒BG Plants 和名?学名インデックス(YList). 2023年3月22日閲覧。
^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ ⇒Osmunda japonica Thunb. var. divisa (Makino) Nakai ゼンマイ(シノニム)”. ⇒BG Plants 和名?学名インデックス(YList). 2023年3月22日閲覧。
^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ ⇒Osmunda japonica Thunb. f. divisa (Makino) Tagawa ゼンマイ(シノニム)”. ⇒BG Plants 和名?学名インデックス(YList). 2023年3月22日閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m n 吉村衞 2007, p. 42.
^ a b c d e f g h 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 153.
^ 吉村衞 2007, p. 43.
^ a b c d e f 高橋秀男監修 学習研究社編 2003, p. 114.
^ a b c d e f g h i j 金田初代 2010, p. 74.


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