さらば冬のかもめ
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またタウンはしばしばアシュビー宅を訪れて編集作業を見ていたが、映画のテンポに注文を付ける事があった[20]。コロムビア社はアシュビーが使ったジャンプカットの演出を批判した[22]。またスタジオは作品中で使われた罵倒の多さを心配していた。当時スタジオは財政難にあり、ヒットを飛ばさなければならない状態だった[21]

様々な過程を辿りつつ1973年8月に映画は完成したが、罵倒文句の存在を注視しつつもアメリカ映画業協会(MPAA)からは「R評価」を与えられ、保護者同伴なら子供でも見る事が出来た。成人映画指定(「NC-17評価」)を避け、一般上映を勝ち取った形だったが、それでも製作会社は作中から「fuck」の回数を減らそうとした[23]。コロムビア社の行動で映画放映は更に半年延期された[22]。アシュビーはコロムビアに試写会で市民の反応を伺ってから修正するべきだと述べ、サンフランシスコで大規模な上映会が行われた。試写会は大盛況に終わり、製作会社はそのまま放映を開始する事を決意した[24]
評価

公開後、『さらば冬のかもめ』は高い評価を受け、1974年のカンヌ映画祭パルム・ドール(最高作品賞)にノミネートされた他、主演のジャック・ニコルソンがカンヌ国際映画祭男優賞を授与された(これはアンソニー・パーキンス以来、13年振りのアメリカ人俳優の受賞となった)[25]。アカデミー賞からはニコルソンがアカデミー主演男優賞ノミネート、ランディ・クエイドがアカデミー助演男優賞ノミネート, ロバート・タウンがアカデミー脚色賞ノミネートを受け[26]、ゴールデングローブ賞からもニコルソンとクエイドがそれぞれ主演男優賞と助演男優賞にノミネートされた[27]

ニコルソンは英国アカデミー賞から主演男優賞を授与され[27]、全米映画批評家協会賞男優部門・ニューヨーク映画批評家協会賞なども受賞した。カンヌ映画祭での受賞を含めるとゴールデングローブ、アカデミーを除いた各国の名立たる賞を総舐めにした格好だが、それだけにオスカーを逃した事に落胆したと言われている。彼はインタビューで「私はカンヌ映画祭が評価してくれた事を、なぜ故郷のアカデミーがしなかったのか不思議でならない。この映画は最高の出来だった。」と述べている[28]
続編

『スキャナー・ダークリー』などで監督を務めたリチャード・リンクレイターが、2006年に、ダリル・ポニクサンによる原作の続編『Last Flag Flying』(2005年刊行)を元に、『さらば冬のかもめ』の続編を作る構想がある」と発表して話題を集めた。リンクレイターは続編製作にあたって、亡くなっているオーティス・ヤングは止むを得ないとしても、ジャック・ニコルソンランディ・クエイドの出演を得なければ製作には移らないだろうとも語った。

実際に映画に向けて積極的な動きが始まっており、既にクエイドとニコルソンに脚本の試作が提供された。内容は明かされた限りだと前作の35年後を舞台に、軍を退役した後で酒場を経営するバダスキーがイラク戦争で息子を失ったメドウスと再開する内容になっている。続編のタイトルは「Last Flag Flying」に決定されている。

結局、ニコルソンとクエイドの出演は叶わなかったが、リンクレイターが監督を務め、リンクレイターと原作者のポニクサンが共同脚本を担当した続編的作品『30年後の同窓会』が制作、2017年に全米公開された。
出典^ Beach, Christopher (2009) (英語). The Films of Hal Ashby. p. 176. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-0-8143-3415-7. https://books.google.co.jp/books?id=DSCfnVzRUGYC&pg=PA176 


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