さっぽろ雪まつり
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すでに大通り会場で製作中だった雪像も完成させずに撤去・解体され、代わって「雪ミク」など当初大通り会場に設置が予定されていた中小規模の雪像の一部を、羊蹄山展望台など札幌市内各地(羊蹄山以外は会場非公表、かつ原則入場不可)に設置、ないしはバーチャル大通り公園会場で公開[14]し、その製作工程と作品を2月5 - 28日にオンライン上映した[15][16]

2023年は第73回大会を「札幌市政施行100周年記念」のサブタイトルを付けて2月4日 - 11日にかけて、大通り公園とすすきのの2か所で行う予定で、つどーむは3年連続で中止する。今回は大雪像を3年ぶりに再開し、5基展示するほか、中小雪像、市民雪像、大通り1丁目会場はウィンターアトラクションと題したミニライブやトークショーなどを行う予定である。またコロナの感染状況を鑑みて「国際雪像コンクール」と飲食の屋台ブースの設置は見送るが、物販などその他自治体・協賛諸団体のPRブースは設置予定である。コロナ感染症対策として、雪像製作者に向けては休憩所の喚起やアクリルパーテーションの設置、必要に応じて休憩時間の分散や休憩所の増床、飲食時以外はマスクを着用、手指の消毒、手洗いの励行の徹底、来場者に向けても入場時のマスク着用など基本的な感染対策の徹底、通路の一方通行、鑑賞スペースと導線確保、定期的な場内放送などを行う[17]。市民雪像も3年ぶりに再開するが、雪像の設置場所は従来の公開抽選ではなく、コンピューターによる自動抽選で指定された場所で雪像を設置する。参加募集チームは80チーム(補欠5含む)程度[18]

2024年の第74回は2月4日 - 11日の8日間、2019年以来4年ぶりの通常スペックに戻り[19]、大通り会場も西1-12丁目全体、つどーむ、すすきの(南4条通り?南7条通りまでの駅前通り)もすべて使用して行われることになった[20]。またこの通常開催に戻すにあたり、4年ぶりとなる国際雪像コンクールの審査も行われたほか、つどーむでの雪体験コンテンツなどのイベントも復活した[20]。この期間、大通りとつどーむの2会場の累計観客動員数は238万9000人に上り、このうち大雪像などが展示された大通り会場は2023年から1万3000人(0.7%)増加の176万3000人を数えた。特に、大韓民国台湾香港などの極東アジアを中心に来訪者が集まったとされる。またつどーむの体験型アトラクション会場も62万6000人が集合し、1日平均はこれまでの最多6万7000人を上回る7万8000人。またすすきのの雪像会場も22.9%増加の113万6000人が来場したという[21]
雪像ができるまで大通公園への雪の搬入(2005年1月18日)

大通公園を彩る大雪像の準備は前年の秋ごろから行われ、制作を担当する陸上自衛隊や市民ボランティアの雪像制作団体によって雪像のモデルとなる建造物などの資料の収集や必要に応じて現地の視察などが行われてデザインが検討される。その後粘土や木材などを使って精巧な模型が作られ、12月末に行われる実行委員会の会場で公開される。

雪像に使う雪は不純物のない純白なものが求められ、札幌近郊のサッポロさとらんどモエレ沼公園石狩湾新港などから集められる[2]。降雪が少なく近郊での確保が難しい場合は、採雪地の範囲を中山峠や千歳市のオコタンペ湖畔などの山間部まで広げることもある。雪不足だった2007年の第58回では、採雪地を求めて陸上自衛隊のヘリコプターも出動した。大通公園で使用される雪は5トントラックでおよそ6,000台分で、正月明けの1月7日ごろから1月中旬にかけて札幌市内では「雪まつり雪輸送」のプレートを掲げた陸上自衛隊のトラックが雪を山積みにして走っているのを見ることができる。大通公園の大雪像制作に民間が参加してからは民間のダンプカーも輸送に加わるようになった。

運ばれた雪は重機によって高く積んで押し固められ、削るのに必要な巨大な雪のブロックが作られる。足場も組まれ、さながら建築現場のようである。そこから先の雪像制作方法はそれぞれの雪像制作団体で独自の技法やノウハウがあり異なるが、主にブロックをスコップなどで荒削りをして大体の形を作り、さらに細かく削って細部を作り、最後に「化粧雪」と呼ばれる新雪を貼り付けて仕上げる。小さい部品などは別にパーツとして作って取り付ける。制作作業は重機や刃物などが使われ危険なため、大通公園への立ち入りが一部で規制される。このため間近での見学は難しいが、敷地外の公道から様子を見ることはできる。


足場を組んで大雪像を製作中(2005年1月31日)化粧雪を貼って最後の仕上げ(2003年2月4日)

雪像の制作にはほぼ1か月を要し、完成して実行委員会に引き渡されるのは雪まつり開幕の前日である。開催中は係員が会場に常駐し、雪が降って積もった場合は雪払いを行い、融けたり傷んだりした場合はその都度補修するなど、絶えずメンテナンスを行って雪像の美しさを保っている。痛みが激しい場合は夜を徹しての補修作業も行われる。

市民雪像の制作期間は開催直前の5日間で、あらかじめ用意される2メートル四方の雪山を削って作られる。細かいルールが設けられていて、規定サイズ以上のはみ出しや文字入れなどは認められない。デザインはその年の干支や流行、時勢を反映したものから、地元スポーツチームのマスコットや有名なアニメ、道内に生息する動物[22]、ゲームのキャラクターなど様々で、短い制作期間ではあるが大雪像に劣らないほどの仕上がりを見せたり、遊び心のある風刺が効いた作品も多い。

すべての雪像は、倒壊などの危険防止のため雪まつり閉幕の翌日には重機ですべて解体され、姿を消す。解体後に発生する雪山はしばらく公園に残され、一部がソリ遊び用などに再利用されるが、札幌市内の排雪作業が一段落する3月上旬にトラックで運び出され、大通公園に春を呼ぶ準備が始まる。
開催会場.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

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夜の大通会場(第61回・2010年2月11日)
現行の会場
大通会場

会場:
大通公園大通西1?12丁目)

最寄駅:札幌市営地下鉄大通駅東西線西11丁目駅
雪まつりのメイン会場である。各エリアごとに幅40メートルほどの大雪像・中雪像1または2基(もしくは氷像)と「市民雪像」と呼ばれる2メートル四方程度の小雪像十数基を見ることができるほか、近年ではスケートリンクや歩くスキーの体験ができるスペースが登場するなど参加型コンテンツも増えている。大雪像が制作されるのは4丁目?10丁目会場で、1丁目?3丁目は会場下に地下街および地下駐車場があるために重量級の大雪像は設置されず、スケート場・氷像・スノーボードジャンプ台がメインの会場となる。市民雪像制作には札幌市民だけでなく在日米軍三沢基地など国内各地からの参加があり、毎回定数に対し3?4倍の申し込みがある。また11丁目の国際会場では「国際雪像コンクール」が行われ、札幌市の姉妹都市であるアメリカ合衆国ポートランド市をはじめ、各国から参加して技を競っている。開催直前の完成間近な雪像の見物や閉幕後に行われる雪像解体の見物も人気があるが、これらは来場者数にカウントされない。2021年度は前もって中止が決定。2022年度は前述の通り、大雪像を作らないことや各種飲食・物販など協賛各社のブースを設置しないこと、8-11丁目会場を休止することを前提として1丁目?7丁目会場のみに中小雪像を設置する通過展示型で行うことが一度決まっていたが、直前になり最終的に全面中止となった。
すすきの会場

会場:札幌駅前通の南4?7条(開催時間内は車輌通行止めになる)

最寄駅:
南北線すすきの駅中島公園駅)・東豊線豊水すすきの駅
詳細は「すすきのアイスワールド」を参照「すすきのアイスワールド」と呼ばれ、すすきの氷の祭典実行委員会が主催するものだが、雪まつりの会場の一つとして位置付けられている。その名の通り氷像が展示の中心である。料理の飾り付けとして氷や野菜を彫刻する技能を生かした、近隣ホテルの調理人たちの手による作品が多い。2021年度と2022年度は前もって開催中止が決まっていた。
つどーむ会場

会場:
札幌コミュニティドーム(つどーむ)

最寄駅:東豊線栄町駅(期間中はシャトルバスも運行)
2009年の第60回からサッポロさとらんど会場より移転。雪まつりの「第2会場」に位置づけられ、主に雪像を見て楽しむ大通会場に対し、実際に雪と触れ合うことができる参加型の会場として子供連れの家族や観光客から人気がある。雪で作られたすべり台迷路が設けられるほか、雪だるま作りや雪上ラフティングなどが体験できる。またドームも開放し休憩所とするほか飲食コーナーや遊具などで楽しむことができる。2021年度 - 2023年度は前もって開催中止が決まっていた。
かつての会場さようなら真駒内会場式典
(第56回・2005年2月13日)さとらんど会場(第59回・2008年)
荒井山会場

会場:
荒井山スキー場
1956年の第7回のみ、第2の会場として使用。同スキー場は中央区宮の森に2000年まで存在した民間のスキー場。
中島公園会場

会場:
中島公園

最寄駅:南北線中島公園駅
1990年の第41回から大通・すすきの・真駒内に次ぐ第4の会場として加えられたが、1992年の第43回をもって終了。2005年には真駒内会場に代わる新たな会場の候補となるが、観光バスの駐車スペースが無いなどの理由で選ばれなかった。
真駒内会場

会場:
陸上自衛隊真駒内駐屯地

最寄駅:南北線自衛隊前駅
1965年、第2の会場として陸上自衛隊真駒内駐屯地内に会場を設け、陸上自衛隊員が主体となって開催されていた。主に大雪像を見て楽しむことと大雪像のすべり台が目玉。交通の利便性も良く、子供連れの家族や観光客から人気があった。会場内には、ミニSLライブスチーム)の乗車施設・映画館・飲食店舗・土産物店が存在したが、2001年のアメリカ同時多発テロを機に、安全管理上の問題を考慮して2005年の第56回をもって終了、41年の歴史に幕を閉じた。
さとらんど会場

会場:
サッポロさとらんど(さとの広場、さとらんど交流館)

最寄駅:東豊線環状通東駅よりバス
2006年の第57回から真駒内会場より移転し、市民ボランティアや学生が中心となった運営に変更された。しかし来場者による交通渋滞と駐車場不足が問題となって、2008年の第59回をもって終了、会場をつどーむに変更された。
年表

回次開催期間備考[1]
(なし)1950年2月18日当時のポスターには開催日が「2月18・19日」と記載されているが、実際には18日のみ開催。
第2回1951年1月26日27日第22回宮様スキー大会と日程を合わせた。
第3回1952年2月9日10日-
第4回1953年2月7日8日雪像製作への重機の初使用。
この回を最後にドッグレースを中止。
第5回1954年1月28日 - 31日第9回国民体育大会スケート競技会と日程を合わせた。
市民制作の雪像が初出現。
第6回1955年2月27日28日第33回全日本スキー選手権大会と日程を合わせた。
この回より陸上自衛隊が雪像製作に参加。
この回を最後に高校生による雪像製作を中止。
第7回1956年2月4日5日荒井山会場を設置(この回限り)。
自衛隊員による雪戦会を開催(この回と第8回のみ)。
第8回1957年2月2日3日-
第9回1958年2月7日 - 9日この回より開催期間が3日間に。
第10回1959年2月6日 - 8日さっぽろ雪まつり実行委員会を設立。
第11回1960年2月5日 - 7日-
第12回1961年2月3日 - 5日
第13回1962年2月2日 - 4日
第14回1963年2月1日 - 3日この年より陸上自衛隊真駒内駐屯地が「真駒内スノーフェスティバル」を開催。
第15回1964年1月31日 - 2月2日-
第16回1965年2月5日 - 7日真駒内スノーフェスティバルをさっぽろ雪まつりに編入し、その真駒内会場とする。
この回より市民制作雪像のコーナー「市民の広場」を設置。
第17回1966年2月3日 - 6日この回より開催期間が4日間に。
会期中に全日空羽田沖墜落事故が発生、雪まつり帰りの観光客が多数死亡。
第18回1967年2月2日 - 5日-
第19回1968年2月1日 - 4日
第20回1969年1月30日 - 2月2日
第21回1970年1月29日 - 2月1日
第22回1971年1月28日 - 31日
第23回1972年1月27日 - 30日真駒内会場に高さ25mの大雪像を制作(雪まつり史上最大)。
この回より実行委員会と陸上自衛隊が協力協定書を締結。
第24回1973年2月1日 - 5日この回より開催期間が原則5日間に。
第25回1974年2月1日 - 5日この回より「国際雪像コンクール」を開始。
第26回1975年2月1日 - 5日-
第27回1976年2月1日 - 5日暖冬による融雪のため雪像8基を会期中に解体。
第28回1977年2月1日 - 6日-
第29回1978年2月1日 - 5日
第30回1979年2月1日 - 5日
第31回1980年2月1日 - 5日
第32回1981年2月4日 - 8日この年より「すすきの氷の祭典」を開催。
第33回1982年2月3日 - 7日初めて英文パンフレットを制作。
第34回1983年2月2日 - 6日すすきの氷の祭典をさっぽろ雪まつりのすすきの会場ともする。
第35回1984年2月1日 - 5日-
第36回1985年2月7日 - 11日
第37回1986年2月5日 - 9日この年より「ホワイトイルミネーションさっぽろプラザ」の開催期間が雪まつり期間まで延長される。


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