さくら心中
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堂一が桜子の髪を愛おしそうに切る姿を見たさくらは嫉妬と憎悪から、自分の髪をめちゃくちゃに切ってしまう。千年桜の木の下で、桜子と堂一は吸い込まれるようにキスを交わす。堂一に髪の毛を綺麗に直してもらったさくらはキスを迫り、堂一は困惑する。勝と桜子からさくらを好きになって欲しいと告げられるが、桜子に想いを寄せている堂一は桜子に愛を告白。二人のキスを見たさくらは『ふじ川』で桜子への不満を爆発。秀ふじは「親子の伝統」と言い放つ。桜子に「好きなら諦めないで」と言われたさくらは振袖を切り刻んだはずみで桜子の腕に怪我を負わせる。健と陸雄は堂一に「今後さくらに一切接近しない」という同意書を書かせる。桜子を抱きたいと告白する堂一に、桜子は決意。だが桜子はさくらを同伴し待ち合わせの千年桜にやって来る。堂一は二人から比呂人の無理心中事件を聞かされる。三人は一緒にホテルへ行き、桜子は体を張って堂一にさくらを愛し、抱かせるようにし部屋を出る。さくらはみじめさで一杯に。堂一は桜子への思い、さくらに対する庇護欲から「これからはさくらを愛する」と桜子に宣言。薔薇の花束を持ってさくらを訪れる堂一を見た陸雄は、さくらが同意書を破り捨てた事を堂一から聞く。

さくらは堂一とホテルへ行くが、乱暴された時の恐怖の記憶が戻ってしまう。そんなさくらを慰めた陸雄は「セックスがなくても愛は証明できる」とプロポーズし、さくらは受け入れる。翌朝、堂一が姿を消し、桜子と勝は幻を見たのだろうと語り合う。さくらの突然の結婚に桜子たちは驚く。6月、さくらと陸雄の結婚式が行われる。会場でさくらと堂一の関係を大声でしつこく問う沙也香に環が一喝する。健はしつこく陸雄夫婦に肉体関係の有無を問う。セックスなしの新婚生活はやはり陸雄には辛い日々であった。10月になり、陸雄が書いたセックスレスの夫婦が心中する小説『リッキー』が雑誌に掲載された。それを読んだ健は二人がまだ体の関係がないと悟り、さくらをレイプする。その頃千年桜が狂い咲きし、突然桜子が倒れ、病床につく。

健はその後もさくらを誘い密会を続ける。陸雄は沙也香から二人が密会しているという噂を聞く。事実を知った陸雄は健に激怒し、さくらに襲いかかろうとする。さくらも心から陸雄を愛することは変わらず追い詰められる。陸雄とさくらは心中を決意。千年桜の枝に首を吊ろうとするが、枝が折れ、失敗。桜子は容態が悪化し入院。陸雄の小説『リッキー』が梓川賞を受賞し、健やさくらと喜びを分かち合う。健の子供を妊娠した豊香は健とともに、授賞式のために東京に行く陸雄とさくらを見送った。4月になるが千年桜は咲かず、桜子の容態が急変。勝に「病気が治ったら結婚しよう」と約束するが、花の咲かぬ千年桜を見ながら息を引き取った。『いさみ酒造』では桜子の告別式が執り行われ、桜子の棺には比呂人の手帳が添えられ、たくさんの桜の花で埋め尽くされた。千年桜の根本からは新芽が2つ出ていた。
出演
主人公
宗形(櫛山)桜子(むなかた〔くしやま〕 さくらこ)
演 -
笛木優子(3歳期:井上琳水、9歳期:大出菜々子)19 - 24歳(第1部)→33歳 - (第2部)→41歳(第3部)。本作の主人公。『いさみ酒造』の一人娘として何不自由なく育つが、兵庫にある慈慧寺の住職と秀ふじの娘である。慈慧寺の千年桜の下に捨てられていたのを住職が「桜子」と命名し育てていたが、3歳の時に千年桜を見に慈慧寺を訪れた郁造が養女として宗形家に迎え入れた。19歳の時に出会った比呂人と20歳の春に結ばれ、比呂人の子を妊娠したまま雄一と結婚。雄一に指一本触れさせないまま、娘・さくらを出産。結婚前から夜間の美容学校に通い、結婚後は『タチバナ美容室』で美容師として働いている。比呂人との恋が始まった頃に、郁造から比呂人とは異母兄妹だと告げられ苦しんだが、勝と秀ふじから兄妹ではないと告げられる。3年後、比呂人と再会し、さくらを連れて駆け落ちしようとするが、失敗し絶望感から比呂人と心中するが一人生き残った。勝やさくらの為に櫛山家の財産と「いさみ酒造」の酒蔵を取り返すべく、真紀枝の死後は唯幸の後妻となる。しかし、桜子の前に死んだはずの比呂人が出現し、さくらの手引きで再会。二人は再び愛し合うように。唯幸の死後は、美容室・酒蔵・唯幸の預金半額を遺産として手に入れる。紆余曲折を経て再び比呂人と結ばれるはずだったが、明美に比呂人を殺害されてしまう。その後、勝から何度か求婚されるが断っている。比呂人そっくりの堂一が出現し、好意を寄せられるが、女心・母心・比呂人への想いで葛藤。さくらのために、堂一に「さくらを愛して欲しい」と懇願する。さくらと陸雄の結婚を祝福し見守っていたが、千年桜が狂い咲きした10月に突然病に倒れ、病床につく。勝のアプローチに「病気が治ったら結婚しよう」と応えるが、4月に容体が急変。花の咲いていない千年桜を見ながら息を引き取った。比呂人から貰った手帳を肌身離さず大事に持っており、一緒に埋葬された。
いさみ酒造
高梨比呂人(たかなし ひろと)
演 -
徳山秀典( - 第48話、55話)25 - 29歳(第1部)→39歳 - 41歳(第2部)。慈慧寺があった村の出身。妻を亡くした農家の男によって慈慧寺に預けられ、5、6歳まで秀ふじに育てられた。千年桜を追い、高山の宗形家の裏庭で桜に見入っている時に桜子と出会う。秋に『いさみ酒造』の蔵人として再会し二人は結ばれる。翌春『いさみ酒造』を去り伏見の酒蔵へ。3年後に桜子と再会。桜子が結婚後、自身の娘になるさくらを出産したことを知る。桜子とさくらを連れて駆け落ちできなかった事を悔いて桜子と心中するも勝に発見され、農薬をほとんど吐き出し、桜子との死を望みながら姿を消す。その後、吊り橋から木曽川に転落自殺を図るが記憶喪失に。10年後、記憶を取り戻すべく明美と再び高山に。千年桜に触れ記憶を取り戻すが、桜子の幸せを考え、さくら以外の前では記憶喪失のふりをしていたが、唯幸に見破られる。桜子と再び愛し合うようになるが、強引に明美と結婚させられそうになり、式場を逃げ出し明美と決別。明美に思い出の品が入った「愛の歴史ケーキ」を振舞われる。『いさみ酒造』で新酒『桜衛』を作り杜氏になる。『桜衛』の新酒発表会当日、会場に乱入した明美から桜子を守り、刺殺される。
押川陸雄(おしかわ りくお)
演 - 小川光樹(第19 - 30話)、佐野和真(第32話 - )10 - 14歳(第1部)→23歳 - (第2部)→29歳(第3部)。3歳の時に押川家の養子となり、さくらの面倒を豊子と見ている。環にばれるまでの3年間、うどん屋で桜子とさくらを引き合わせていた。比呂人に貰ったこづかいで買った本を通じて健と親しくなる。入院中の桜子を健とさくらを連れて見舞い、勇気づける。健と二人でさくらを守る親衛隊になろうと誓い合う。高価な健の宝物を友情のしるしとして差し出された事でプライドが傷つき仲違いする。高校卒業後に働いていた土建屋が潰れたため、勝に拾われて『いさみ酒造』で働きながら、小説家を目指し同人誌を出版している。9年後に再会したさくらに「覚えていない」と言われショックを受ける。後に、唯幸の援助で上京。健の部屋で同居する事になったが、別室から健と涼子の喘ぎ声が聞こえ悶々とする。桜子と比呂人の心中事件をモチーフに小説を書こうと考えている。本を1冊出版したが、6年後高山に戻り、櫛山家で健と共同生活をするが健の傲慢な態度と豊子のパトロンに健がなった事に腹を立てる。さくらの思わせぶりな行動に振り回され困惑する。健と共に、呉矢に襲われたさくらを救出する。堂一に片思いするさくらを心配し、後にさくらと肉体関係なしの結婚をする。肉体関係無しの生活、健・さくらの不倫で苦しみ、さくらと心中するも失敗。自分とさくらの夫婦生活をモチーフにした小説『リッキー』が梓川賞を受賞する。
平岡(ひらおか)
演 - 藤田秀世「いさみ酒造」の杜氏。唯幸の経営方針変更で大吟醸酒を作らなくなるまで、毎年11月に『いさみ酒造』へやって来ていた。
深浦(ふかうら) / 種村(たねむら) / 良太(りょうた) / 平山菊一(ひらやま きくいち)
演 - 大門賢二 / 中川智明 / 竹内友哉 / 三澤康平「いさみ酒造」の蔵人。唯幸の経営方針変更で大吟醸酒を作らなくなるまで、毎年11月に『いさみ酒造』へやって来ていた。
杜氏 / 蔵人
演 - 平尾仁 / 長部努、青木通重唯幸の経営方針変更後、毎年11月に『いさみ酒造』にやって来る。
杜氏
演 - 春延朋也勝が社長になってからの杜氏。比呂人の蔵人としての腕を認め、杜氏に推薦する。
蔵人
演 - 立石亮、永井慎一、せとうちかい、三遊亭歌橘勝が社長になってからの蔵人。
銀一(ぎんいち)
演 - 中野英樹『いさみ酒造』の従業員。
トミ
演 - 今井あずさ『いさみ酒造』の賄い婦。秀ふじと桜子が掲載された週刊誌をまりえに見せて勝に叱られる。美容室で桜子に「あんたが心中しようとした比呂人を見かけた」と伝える。
たか子(たかこ) / 賄い婦
演 - 児玉絹世 / 桑田亜紀(第54話 - )『いさみ酒造』の賄い婦。
外村由佳子(とむら ゆかこ)
演 - 西慶子( - 第19話)元「タチバナ美容院」の美容師、唯幸の愛人。八重の密告で、唯幸との関係が真紀枝にバレ、『タチバナ美容院』をクビになり、唯幸の口添えにより『いさみ酒造』で経理として働くことに。美容師の資格はあるものの、経理(簿記)の資格はない。意地っ張りな性格であり、禁煙である酒蔵内で喫煙するなど、勝に注意される事が多くモラル面の悪い部分が多い。唯幸に自分の美容院を持ちたいと再三希望するも、のらりくらりとかわされ、唯幸の指示で勝の血液を採取するために無理矢理キスして襲ったり、まりえが目を離した隙にさくらを誘拐した。
宗形家
宗形勝(むなかた まさる)
演 -
松田賢二(11歳:宮城孔明、17歳:松田賢二)27 - 32歳(第1部)→41歳 - (第2部)→49歳(第3部)。郁造の長男、桜子の義兄。桜子へ妹以上の愛情を感じ、ひとり苦悩する。しかし、桜子は勝に対して恋愛感情は無く、兄妹としての親愛感情で見ているだけである。勝本人の知らない所で桜子・勝の結婚話が破談になっていたり、雄一や比呂人の出現で嫉妬に苦しんだり、桜子と比呂人に駆け落ちを勧めたり、さくらの父親役を買って出たり、桜子・比呂人の密会を唯幸・沙也香から守ったり、桜子・比呂人の心中を発見して救護したり、明美に手切れ金を渡して解決を試みたり、さくら誘拐事件の解決に協力したり、さくら自殺未遂で病院に付き添ったり、桜子・比呂人のサプライズ結婚式を企画したり、など、妹に尽くすが報われない。桜子にまとわりつく雄一を殴った事が郁造の借金のカタに雄一と桜子の縁談が持ち上がる原因となる。唯幸が『いさみ酒造』社長に就任すると、常務となる。沙也香との結婚が既成事実化していく事に悩みながらも結婚するが、さくらの出生の秘密が原因で沙也香と離婚。その後も桜子を妹として女性として愛してゆく事が周囲の混乱を招いたが、年を重ねるごとに秀ふじと共に、桜子・比呂人・さくらを見守り助けるようになった。唯幸の死後、酒蔵の経営権を桜子が相続し、社長に就任。比呂人の死後何度か桜子にアプローチし、病床の桜子に「病気が治ったら結婚しよう」と言われるも、叶わず終わった。
宗形郁造(むなかた いくぞう)
演 - 村井国夫(特別出演、 - 第9話)59 - 60歳。『いさみ酒造』当主、勝の実父、桜子の養父。秀ふじとは愛人関係にある。桜をこよなく愛し、全国の名木を訪ね歩いていたが、ダム計画で村が沈むことを知り、財産を投じて慈慧寺の千年桜を「いさみ酒造」の裏庭に移植させた。桜子を実の子のように育ててきたが、比呂人と恋に落ち、女性らしく成長する桜子を目のあたりにし、桜子への歪んだ愛情を爆発させ「桜子と比呂人は本当の兄妹」と口走る。その後、桜子に雄一との結婚を勧め、秀ふじと心中し亡くなる。
宗形まりえ(むなかた まりえ)
演 - かとうかず子57 - 62歳(第1部)→71歳 - (第2部)→77歳(第3部)。郁造の妻。勝の実母、桜子の養母。家事は桜子と賄い婦任せ。郁造と勝の桜子への愛に気づいており困惑している。郁造が起こした心中事件がきっかけで桜子へ辛くあたるようになる。沙也香の事は非常に気に入っていたが出て行ってしまい、宗形家の不幸はすべて桜子のせいだと思っている。勝が唯幸の圧力で苦しみながらも酒蔵を必死に守っている最中も、他人ごとのように暢気に趣味の俳句に夢中になっている。心中が続く千年桜を不気味に思い、勝に伐採を命じる。その後、認知症が始まり、勝と桜子が結婚し孫が生まれたと思い込んでいる。さくらと陸雄の心中失敗を見て笑う。桜子の葬儀の際は勝と桜子の結婚式が始まると勘違いして喜ぶ。
櫛山家
櫛山雄一(くしやま ゆういち)
演 -
大熊啓誉32 - 37歳(第1部)→46歳 - (第2部)→54歳(第3部)。真紀枝と唯幸の長男。『美容院タチバナ』の美容師。離婚歴があり前妻の子・健がいる。郁造の借金のカタとして憧れていた桜子と再婚。再婚後一度も関係を持てず苛立っていたが、自分以外の男の子供を桜子が妊娠した事を知り激怒(両親の前では桜子と一度も関係がないことが知られるのを恥じ、自分の子だと嘘をつく)。さくらの父親は勝だと思い込んだが、桜子と比呂人の子だと知り少し安堵。唯幸には桜子との結婚前からずっと見下され続け、桜子の尻に敷かれていると揶揄される。密かにさくらと面会する事を許した事がきっかけで、ようやく桜子と結ばれるが、3年後に比呂人が高山に戻った事を知り桜子の浮気を疑う。桜子が心中に失敗すると、沙也香と愛人関係になり、離婚を切り出すが唯幸に反対される。沙也香が妊娠すると自宅で一緒に生活する。桜子と離婚後、沙也香と再々婚。娘・睦美をもうける。桜子と比呂人の不倫再炎に興味津々。唯幸の死後、明美の常連客に。後に美容院の経営から手を引き、健が用意した本町のマンションに一家で転居する。堂一を美容室で採用しろと桜子に迫り、沙也香と共に堂一たちの三角関係を面白がる。
櫛山真紀枝(くしやま まきえ)
演 - 大島蓉子( - 第30話)55 - 61歳。唯幸の妻、雄一の母、健の祖母。『美容院タチバナ』のマダム。一人息子の雄一を溺愛している。勝気で気が強い性格。桜子が嫁いで間もなく、唯幸の愛人・由佳子を店から叩き出す。嫁いだ後も頑なな姿勢の桜子を嫌う。唯幸が桜子に甘いことを不満に思っており、唯幸の桜子への思いに薄々感づいている。性格がきつい出戻りの沙也香のことも桜子以上に憎悪して嫌っている。腰や股関節を患い立ち仕事が辛くなってきた為、桜子が店に出る事を喜ぶが、唯幸と桜子が男女の仲になっていると沙也香に吹き込まれ、唯幸と言い争っている最中に階段から転落し意識不明になり、翌年亡くなる。
櫛山唯幸(くしやま ただゆき)
演 - 神保悟志( - 第43話)60 - 65歳(第1部)→74歳 - 75歳(第2部)。金融業『櫛山商事』社長、『いさみ酒造』社長、『美容院タチバナ』も経営。真紀枝の夫、雄一の父、健の祖父。美容院で働く女性たちに片っ端から手を付け、由佳子と愛人関係にある。郁造が残した莫大な借金のカタに桜子と雄一との縁談を迫るが、本当の狙いは女性として興味があった桜子を側に置くことであった。桜子が生んださくらの父親が雄一ではないことを見抜き、密かに血液鑑定をし、桜子に追及する。短気な性格であり、勝の弱みを握りながら圧力を掛けていく。心中前の桜子と比呂人の濡れ場を偶然見てからは、桜子への執着が以前より強くなる。真紀枝が死亡すると桜子を後妻に迎える。性格がきつい沙也香を嫌っており、孫の睦美も邪険にしている。桜子とさくらと幸せに暮らしていたが、比呂人が高山に戻って来た事を知り再び桜子と比呂人が愛し合う事を恐れる。明美と共謀し結婚式を強行するが失敗に終わる。比呂人・桜子・さくらの3人と一緒に暮らそうと桜子に懇願するが拒否される。9年前同様に屋根裏小屋で愛し合う2人を目撃して興奮。脳梗塞を起こし床下に転落死する。
櫛山健(くしやま けん)
演 - 大澤志遠(第9 - 31話)、真山明大(第31話 - )7 - 12歳(第1部)→21歳 - (第2部)→27歳(第3部)。雄一と前妻との子。人見知りが激しく、父の再婚相手である桜子になかなか懐かなかったが、桜子の料理がキッカケで心を開くようになる。好きな食べ物はハンバーグとかき卵で、ニンジンやピーマンが苦手。苦手科目は算数。さくらを実の妹のように大事にしている。さくらを連れ出そうとした際、「フランダースの犬」の本を借りたことから陸雄と親しくなる。桜子と比呂人の心中を「フランダースの犬」のネロとパトラッシュに例える。雄一が連れ込んだ愛人・沙也香の衣服を屋根に投げ捨て、軽蔑して嫌う。陸雄に宝物の高価な寛永通宝を無理に渡そうとして仲違いする。大学で経済を学び、美大に通う恋人・涼子の影響でステンドグラスに夢中になるが、ひねくれた性格に。成人後も自宅2階に住む雄一一家を軽蔑している。唯幸の遺言どおり櫛山商事を継ぎ、今では豊子(豊香)のパトロンになっている。『桜衛』の新酒発表会当日、明美に出刃包丁で切られた傷跡が額に残っている。陸雄と共に、堂一へ片思いするさくらの行動を心配する。さくらの結婚後、二人に肉体関係がないと悟るとさくらを強引に抱き、愛人関係に。後に、豊香が妊娠し、結婚。
櫛山(押川)さくら(くしやま〔おしかわ〕 さくら)
演 - 篠川桃音(第20 - 31話)、林丹丹(第31話 - )0 - 4歳(第1部)→13歳 - (第2部)→20歳(第3部)。桜子と比呂人の娘。「桜に縁がある子だから」と勝が命名。桜子と勝の娘とされ、生まれてすぐに桜子から引き裂かれ、勝夫妻に育てられるが、唯幸の指示で由佳子にさらわれ、押川家に里子に出された。陸雄を実の兄のように慕っている。3歳の時、唯幸が桜子を家に呼び戻す切り札として櫛山家に戻される。9年後、心優しい中学生に成長したが、奇妙な家族環境をひそかに悩み、大人になったら櫛山家を出たいと思っている。母・桜子と唯幸の年齢差に戸惑い、恥だと思っている。比呂人が実の父と分かると唯幸を「金貸し爺さん」と呼び、嫌う。明美に首が切れた人形をプレゼントされ恐怖におののく。『いさみ酒造』の一室で比呂人と暮らせる事になり喜ぶ。冬休みに上京する際、明美に誘拐・監禁され、井伏に乱暴されそうになったトラウマから男性恐怖症となる。数ヵ月後、睦美に乱暴されたことが噂になっていると言われて自殺未遂。『桜衛』の新酒発表会当日に明美が比呂人を刺殺するのを目撃したため恋愛や異性に対し憎悪するようになり、陸雄と健を弄ぼうとするなど歪んだ性格に。陸雄と健の気を引こうとして呉矢をからかい、ホテルに連れ込まれ、陸雄と健に救出される。比呂人そっくりな堂一に一目惚れするが、堂一が桜子に好意を寄せていることを知り、激しく嫉妬し、自分の髪の毛をめちゃくちゃに切ったり、桜子の部屋を荒らしたり過激な行動に出る。その後、堂一に好意を向けられるようになり喜ぶ。堂一とホテルに向かうが、乱暴された恐怖の光景を思い出し、堂一を拒絶して逃げてしまう。肉体関係ぬきの約束で陸雄と結婚したが、健に抱かれてから不倫関係に。心は陸雄を愛しているのに、体は健を求めてしまうことに悩み、心中を決意。陸雄と心中するも失敗。健と豊香が結婚することで穏やかな生活を取り戻す。梓川賞受賞で上京する陸雄を見送る。
栗本(宗形、櫛山)沙也香(くりもと〔むなかた、くしやま〕 さやか)
演 - 須藤温子19 - 24歳(第1部)→33歳 - (第2部)→41歳(第3部)。『カラオケスナック赤かぶや』のマスターの娘。幼い頃から桜子とは親友同士であった。計算高く、きつい性格。桜子と雄一の結婚式当夜、好きでもない相手と結婚した桜子への不満をぶちまける勝と関係を持ち、桜子からの応援もあり、積極的にアプローチして結婚。蔵人たちの部屋を清掃中に桜子に宛てた比呂人の手紙を偶然発見。結婚後も桜子への愛を平然と語る勝に困惑しつつもさくらを養育していたが、さくらが勝の子でないことを知り、裏切られた気持ちから勝や桜子への態度を豹変、実家に戻り勝と離婚。その後は店を手伝っていたが、比呂人と心中を図った桜子を憎む雄一に近づいて雄一の愛人となり、櫛山家に上がり込むようになる。そして妊娠が分かったのを機に、櫛山家で雄一と同居を始めたが、唯幸夫婦からは冷たく邪険にあしらわれる。真紀枝の死後、桜子と離婚した雄一と正式に再婚し、睦美を出産。明美に桜子と対決するようけしかける。さくらをめぐる陸雄と健の三角関係や堂一と桜子親娘の三角関係を楽しむ。
櫛山睦美(くしやま むつみ)
演 - 尾崎千瑛(第32話 - 第49話)9歳 - 。沙也香と雄一の娘。母・沙也香にそっくりな地味な容姿。実の祖父であるが唯幸から邪険に扱われ、腹違いの兄・健からも軽蔑され卑屈になっており、身勝手でわがままな性格である。さくらを「心中の生き残りの娘」と見下しており、それに怒ったさくらから大怪我を負わされる。留守中勝手にさくらの部屋に入っては、CDなどを持ち出ししている。母・沙也香とともに唯幸に比呂人が高山に居ることを吹き込み、健に殴られる。学校へ行こうとしていたさくらに「乱暴されたと学校で噂になっている」と意地悪く言う。
中尾(なかお)
演 - 倉橋悦子真紀枝がいた頃の櫛山家の家政婦。
タチバナ美容院
八重(やえ)
演 -
建みさと真紀枝が社長時代の『タチバナ美容院』の美容師。
節子(せつこ)
演 - 平塚奈菜真紀枝が社長時代の『タチバナ美容院』の見習い美容師。由佳子がクビになってからは美容師になる。
美容師
演 - 高橋ゆうこ、菅原由美、香西南里、安田亜矢、三島由紀子桜子が社長になってからの『タチバナ美容室』の美容師。
宅間堂一(たくま どういち)
演 - 徳山秀典(2役、第53話 - 第59話)30歳。雄一が『タチバナ美容院』で採用しろと連れてきた美容師。比呂人にそっくりな容貌。カナダのヘアサロンで働いた経験があり、その後も東京の一流ヘアサロンで働いていたカリスマ美容師。『いさみ酒造』の蔵人部屋に下宿する。さくらに一方的に想いを寄せられ困惑するが、桜子に惹かれ愛を告白する。勝からはさくらと交際しろと言われ、健と陸雄からは「さくらに近づかない」と誓約書を書かされるが、さくらと桜子から体当たりで説得され、さくらを愛するように。さくらにセックスを拒否されると翌日に姿を消した。
カラオケスナック赤かぶや(栗本家)
沙也香の父
演 - 中嶋義広
『カラオケスナック赤かぶや』のマスター。沙也香に勝との縁談が持ち上がった際、勝が挨拶に来ない事に不満を抱く。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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