こまつな
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都道府県別の生産量上位は、1位が茨城県(20,400 t)、2位は埼玉県(14,300 t)、3位は福岡県(12,000 t)、4位東京都(8,270 t)、5位群馬県(6,920 t)と続き、関東・東京地方を中心として多い[10]。流通が多い時期は冬の1 - 2月が多く、秋の10月もよく出回る[7]
栽培

コマツナは暑さにも寒さにも強く、半日陰でもよく育ち、プランターでも簡単に栽培できる[11]。栽培適温は15 - 25度[11]、発芽適温は15 - 30度[3]。収穫までの栽培日数は、秋冬まきは80日から90日かかるのに対し、夏は20数日程と短い。

作型は春まきで初夏に収穫する方法と、秋まきで中秋から春先まで収穫する方法がある[3]。秋まきは9月下旬にはじめに種まきをして、10日から2週間ごとに3 - 4回に分けてまくと長い期間収穫できる[3]。種まきは春から秋までできるが、最もつくりやすいのは秋まきで[3]、春まきの場合では薹(とう)が立ちにくい品種を選ぶようにする[12]。植え替えには弱いため、苗はつくらず直接畑に種をまいて栽培する[3]肥料を好む性質で、畑は日当たりと水はけを良くし、種まきの3週間前までに完熟堆肥をすき込んで有機物を多く含む肥えた土に育て、追肥もしっかりと与え、生育に合わせて少しずつ間引き収穫しながら育てていく[12][3]輪作年限は1 - 2年とされる[3]連作は不可で、同じ畑では3 - 4年は空けるようにする[12]

栽培難度は易しく[12]、比較的病害や連作障害が少ないため、家庭菜園でも育てやすいが、害虫に食べられやすい。
栽培方法

種まきは、狭い場所なら全面的にばらまき、広い場所であれば幅70センチメートル (cm) ほどのに、溝をつけて2列に筋まきするか、あるいは株間15 cmほどとして、1か所に5 - 6粒の点まきにする[12]。種をまいたら、種が見えなくなる程度に薄く覆土する[12]。11月以降も種まきはできるが、種をまいてから寒冷紗をベタ掛けするするなどの防寒対策が必要になる[3]

間引きは葉が触れ合わない程度まで行うようにする[13]。最初の間引きは本葉が2枚のときに行い、2回目は本葉4枚、3回目は本葉5 - 6枚の時に行う[13]。タイミングが重要で、間引きが遅れると徒長して軟弱に生育する[13]。間引きをしたら土寄せと、液肥・ぼかし肥・鶏糞などで追肥を行う[13][14]。種まき30日後から、急にたくさんの肥料を吸収するため、カルシウム分が多い肥料で追肥を行うとよいとされる[13]。冬に霜に当たるとコマツナは甘みを蓄えるようになる[14]。春まで収穫するときは、霜が降りるころから寒冷紗でトンネル掛けするとよい[14]

株の草丈が20 - 30 cmほどに大きくなったら、必要に応じて間引きしながら収穫をする[13][11]。時期にもよるが、種まきから3 - 4週ほどで収穫できるようになる[14]。途中に出る間引き葉も食用に利用できる[13]。収穫方法は、株の下の方を持って、株元から引き抜いて収穫する[14]。収穫後は、鶏糞かぼかし肥をひとつかみほど株のまわりに追肥して、土寄せか増し土をしておくとよいといわれている[11]

種をとる場合、収穫せずにそのまま畑に放置しておくと春には薹(とう)が立ち、菜花が咲く[14]。さらに花が枯れて、さやに実が入るまでおき、6月ごろに枯れ始めたころ刈り取って、干して乾燥させると種がとれる[14]ハクサイカブなど他のアブラナ科アブラナ属の作物と交雑しやすいので、注意する必要がある[14]

一般家庭でも、深さが20 cm以上あるコンテナ(プランター)や鉢などを活用して、苗床を作れば栽培できる[13][11]。土壌改良は、完熟堆肥を平米当たり5キログラム (kg) 以上入れると良い[15]

害虫は青虫アブラムシに食べられやすく、特に夏の栽培ではアブラムシがつきやすい[11]
利用

こまつな、葉、生[16]100 gあたりの栄養価
エネルギー59 kJ (14 kcal)

炭水化物2.4 g
食物繊維1.9 g

脂肪0.2 g

タンパク質1.5 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(33%) 260 μg(29%)3100 μg
チアミン (B1)(8%) 0.09 mg
リボフラビン (B2)(11%) 0.13 mg
ナイアシン (B3)(7%) 1.0 mg
パントテン酸 (B5)(6%) 0.32 mg
ビタミンB6(9%) 0.12 mg
葉酸 (B9)(28%) 110 μg
ビタミンB12(0%) (0) μg
ビタミンC(47%) 39 mg
ビタミンD(0%) (0) μg
ビタミンE(6%) 0.9 mg
ビタミンK(200%) 210 μg

ミネラル
ナトリウム(1%) 15 mg
カリウム(11%) 500 mg
カルシウム(17%) 170 mg
マグネシウム(3%) 12 mg
リン(6%) 45 mg
鉄分(22%) 2.8 mg
亜鉛(2%) 0.2 mg
マンガン(6%) 0.13 mg
セレン(1%) 1 μg

他の成分
水分94.1 g
硝酸イオン0.5g
廃棄部位:株元


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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