この節の加筆が望まれています。 麹は日本の食文化に大きな影響を与えてきた。2006年には日本醸造協会によってニホンコウジカビ(黄麹、Aspergillus oryzae)、ショウユコウジカビ(黄麹、Aspergillus sojae)、アワモリコウジカビ(黒麹、Aspergillus luchuensis)、白麹菌(Aspergillus luchuensis mut. kawachii)が国菌に指定されている[21][22]。 米麹[23]100 gあたりの栄養価
日本の麹
米麹
エネルギー1,197 kJ (286 kcal)
炭水化物59.2 g
食物繊維1.4 g
脂肪1.7 g
タンパク質5.8 g
ビタミン
チアミン (B1)(10%) 0.11 mg
リボフラビン (B2)(11%) 0.13 mg
ナイアシン (B3)(10%) 1.5 mg
パントテン酸 (B5)(8%) 0.42 mg
ビタミンB6(8%) 0.11 mg
葉酸 (B9)(18%) 71 μg
ビタミンE(1%) 0.2 mg
ミネラル
ナトリウム(0%) 3 mg
カリウム(1%) 61 mg
カルシウム(1%) 5 mg
マグネシウム(5%) 16 mg
リン(12%) 83 mg
鉄分(2%) 0.3 mg
亜鉛(9%) 0.9 mg
銅(8%) 0.16 mg
セレン(3%) 2 μg
他の成分
水分33.0 g
水溶性食物繊維0.2 g
不溶性食物繊維1.2 g
ビオチン(B7)4.2 μg
単位
μg = マイクログラム (英語版)
IU = 国際単位
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI
米麹
蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。
清酒に用いる米麹は、1989年(平成元年)11月22日に、国税庁告示第8号「清酒の製法品質表示基準を定める件 ⇒[1]」において、「米こうじとは、白米にこうじ菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができるものをいい、特定名称の清酒は、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合をいう。以下同じ)が、15%以上のものに限るものとする。」と定められている。
豆麹醤油醸造用の豆麹と麦麹
豆に麹菌を増殖させたもの[24]で、タンパク質が多いため旨みの多い味噌が出来上がる[25]。大豆を使用した物は八丁味噌を代表とする豆味噌に用いられる事が多い。 麦に麹菌を増殖させたものであるが、そのままの状態では麹菌が増殖しないため精白処理と蒸しを施す。日本では、麦焼酎[26]、味噌、醤油の原料として用いられることが多い。米麹と比較し酵素活性が異なるため、麦麹に特化した醸造技術が必要である[27]。 古くから利用されており、味噌、醤油、日本酒、酢、味醂などを醸す代表的な菌種。各醸造に適した分類では、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼの3酵素力のバランスにより決められる。色素による分類では、純白黄麹菌、青麹菌なども存在する。そもそも黄麹菌と呼ばれる菌種は多数存在する。 河内源一郎が沖縄泡盛黒麹菌からアルビノの突然変異体として単離した菌種。九州地方の焼酎文化に貢献し、昨今の全国的、世界的な焼酎ブームは、この白麹菌によって広まった。 黒麹( Aspergillus luchuensis )はオクラトキシンA産生能を持たない種で[28]、一般にアワモリコウジカビで広く知られている。古くから沖縄で泡盛の醸造に用いられてきたコウジカビである。クエン酸発酵が盛んで、もろみをpH3程度の比較的強い酸性に保つことができる[29]。したがって、発酵途中での雑菌の繁殖を防ぐ効果があり、比較的気温の高い地方でのアルコール醸造に適している。黒麹は、黄麹よりグルコアミラーゼを多量に含有しているため加熱していない生澱粉を糖化することができる[29]。 黒麹が九州地方の焼酎生産に広まったのは、1910年頃河内源一郎が泡盛の黒麹を元に「河内黒麹菌」(学名:A. niger var. awamori)を培養し、鹿児島の焼酎業者を技術指導した事による。それまで「黄麹」を用いて生産していた鹿児島の焼酎は、黒麹を用いることで歩止まりを劇的に向上させた。ただ黒麹には、1.温度管理が難しいこと、2.その胞子が持つ黒色色素が作業場を汚すこと、という難点もある。後1924年に河内は黒麹の様々な問題を解決した「白麹」を発見する。発見当時は、黒麹による醸造が既に定着していたため劇的な置き換わりは起きなかったが、1970年 - 1980年頃には殆どの焼酎生産現場で白麹が用いられるようになっていた。その後、河内源一郎商店二代目社長が白麹菌から更なる突然変異株を発見して新種の黒麹菌培養に成功する。昨今の焼酎ブームと相成り、黒麹焼酎が増えている。 前述の通り、麹とは米や麦、豆等に「コウジカビ」と呼ばれる一群の糸状菌を生育させたものであり、コウジカビが体外に分泌した酵素によりデンプン、タンパク質、脂肪などを非常に高い効率で低分子化することが出来る。 「アミラーゼ」とはデンプンを加水分解する酵素の総称である。デンプンはブドウ糖がα-1,4結合やα-1,6結合で多数重合した多糖類であるが、ヒトは多糖類に対して甘味を感じることが出来ない。また酵母は多糖類をアルコールに変換することが出来ないが、デンプンの加水分解によって生じるブドウ糖や麦芽糖をアルコールに変換することが出来る(麦芽糖は、2分子のブドウ糖がα-1,4結合した二糖類である)。 コウジカビは、α-アミラーゼ、α-グルコシダーゼ、グルコアミラーゼなど数種類のアミラーゼを菌体外に大量に分泌し、米や麦などに含まれるデンプンをブドウ糖や麦芽糖など低分子の糖に分解することが出来る。 「プロテアーゼ」とはタンパク質を加水分解する酵素の総称である。タンパク質はアミノ酸がアミド結合で多数重合したポリペプチドである。デンプンの場合と同様、ヒトは通常ポリペプチドに対してうま味を感じることが出来ない。
麦麹
蘇鉄麹が望まれています。
麹菌の種類
黄麹菌
白麹菌
黒麹菌
麹に含まれる酵素
アミラーゼ群
α-アミラーゼ:デンプン中のα-1,4結合をランダムな位置で加水分解し、最終的には麦芽糖にまで分解することが出来る。しかしα-1,6結合は分解できない。
β-アミラーゼ(コウジカビは生産しない):デンプン中のα-1,4結合を非還元末端側から麦芽糖単位で加水分解する酵素である。α-1,6結合は分解できない。
グルコアミラーゼ:デンプンを非還元末端側からブドウ糖単位で加水分解する酵素である。α-1,4結合、α-1,6結合を共に加水分解することが出来るが、比較的分子量の低いデンプンを基質とすることができない。
α-グルコシダーゼ:麦芽糖をブドウ糖に加水分解することが出来る。
プロテアーゼ群
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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