柄の先に半球状の部分が付いた道具で、料理をかき混ぜたり、食器に移したりするため用いる。
貝殻に木の柄を取り付けて使ったのが起源と推測されている[2]。正倉院には貝に柄を付けた杓子の原型となった道具が収められている[5]。
サイズや材質、デザインは極めて多様。材料としては金属(アルミニウム合金、銀、ステンレス鋼、炭素鋼、チタン)や合成樹脂、メラミン樹脂、シリコン、木、竹などがある。香辛料を多く入れるカレーなどには、洗っても臭いが残りやすい合成樹脂製や木製は避けた方がよいとされる[2]。山形県には木地をイタヤ貝の形に削り、それに孟宗竹の柄を付けた荘内杓子(庄内杓子)と呼ばれる民芸品がある[5]。
半球が横向きの涙滴状になった形の物を横レードルと呼び、次のような特徴がある。
尖った部分から液体を注ぐのに適している。
平底鍋に対して接する線が長く、深い鍋底や直角に曲がった角にも合う。
中華料理で用いられる鉄製の鉄勺(ティエシャオ)は汁物を移すだけでなく炒め物の調理にも用いられるため、柄は長く、調理人が先端の半球状の部分の容量を把握することで計量カップのように用いる機能も果たしている[3]。
先端の部分が網状になっている網じゃくしもある。
ギャラリー中華鍋を使った炒め物をかき混ぜるために用いられている鉄勺(ティエシャオ)1876-7のホールマークが入った銀のお玉杓子ステンレス鋼のお玉杓子
アルミニウム製のお玉杓子メラミン樹脂製のお玉杓子
脚注^ a b 宇野隆夫「古墳時代中・後期における食器・調理法の革新:律令制的食器様式の確立過程