おニャン子クラブ
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また、「どこにでもいそう」、「ちょっと気になる可愛い同級生」と、オールナイターズのコンセプトが踏襲されて、芸能界に染まっていない素人感覚のメンバーを集めたのだが、当初から芸能界志向のある者や、その関連オーディションの常連者、既に芸能事務所に所属していた者、オールナイターズ出身者で既に名前が知られていた者まで参加していた。

『夕やけニャンニャン』放送開始から3か月後の7月5日にシングル「セーラー服を脱がさないで」でレコードデビュー[19]。たちまちにヒットしていき、当初から評判があった番組とおニャン子クラブの人気はここでブレイクした[20][21]。それを期に『夕やけニャンニャン』は番組開始当初は7局ネットだったのが年内には全国ネット規模の23局ネットまで拡大していく。当初3%だった視聴率も、年末には18%を超えるようになる[22]。また、おニャン子クラブは、フジテレビの他の番組である『夜のヒットスタジオDELUXE』や『スターどっきり?報告』、他局人気音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)、『ザ・トップテン』(日本テレビ系)にも出演を果たし、さらにアイドル情報雑誌の『明星』『平凡』『DUNK』などにも登場して全国的な知名度も上がっていくようになる。

1985年9月、「セーラー服を脱がさないで」のヒットで軌道に乗ったおニャン子クラブから、そのメンバーのひとりであった河合その子が「涙の茉莉花LOVE」でメンバー初のソロデビューを果たす。オリコン週間チャートで初登場5位、翌週には1位を獲得。女性アイドルとしては薬師丸ひろ子以来となる、デビュー作チャート首位という快挙を成し遂げる[23]。翌10月には、そのメンバーから高井麻巳子岩井由紀子(ゆうゆ)のふたりで結成された初のグループ内ユニット、うしろゆびさされ組がフジテレビにおける新番組のアニメ『ハイスクール!奇面組』主題歌「うしろゆびさされ組」でデビューして、こちらもまたヒットして『夕やけニャンニャン』発のおニャン子クラブ関連曲は成功を収め続けた[23]。以降、おニャン子クラブとしてのグループ名義、メンバーのソロ、グループ内ユニットのシングル曲を続々と繰り出し、いずれもヒットを記録していった[24]

おニャン子クラブは、テレビ番組での歌唱にとどまらず、10月に初の有料コンサートを開催。フジテレビの関連会社、フジパシフィック音楽出版が運営する公式ファンクラブの「こニャン子クラブ」も発足し、最盛期で18万人の会員数が集まった。また、おニャン子クラブが番組内でタイアップで着ていた、原宿ブティックセーラーズの服が番組の影響で爆発的に売れるという現象が起こった。それを参考に「Hip's road」というフジテレビによる独自ブランドを立ち上げ、グッズ販売だけで番組のスポンサー収入に匹敵する事業収益をあげるなど、おニャン子クラブは単なる番組企画的な存在から、フジテレビにおける収益事業のひとつに向けて変換されていく[25]
1986年(昭和61年)

1月、「セーラー服を脱がさないで」のフロントボーカル4人のうちのひとりだった新田恵利が「冬のオペラグラス」でソロデビュー。オリコン初登場1位となり、30万枚以上の売り上げを記録する。新人女性歌手のデビュー曲初登場1位は初めての記録であった[26]。同月、フジテレビ単発ドラマ枠の「月曜ドラマランド」において、おニャン子クラブのメンバー初主演ドラマとなった福永恵規主演『ボクの婚約者』放送。以後、同枠では月に一、二本のペースでおニャン子クラブのメンバーを主演に置いたものが放送されるようになっていく[27]

2月、おニャン子クラブ結成時からの人気メンバーであった国生さゆりが「バレンタイン・キッス」で満を持してデビュー[28]。3月、「セーラー服を脱がさないで」のフロントボーカル4人のうちのひとりだった中島美春専門学校に進学するため、河合その子がソロ活動に専念するためにおニャン子クラブを脱退する。それを受けて、『夕やけニャンニャン』の番組内と同時期に開催されたおニャン子クラブのコンサートツアー最終公演でふたりの“卒業式”が執り行われ、華々しく送り出されていく。これが慣例となり、以後おニャン子クラブから脱退していく主要メンバーに対して、番組内とその同時期にあるコンサートツアー最終公演で“卒業式”が行われるようになっていく。現代において、モーニング娘。AKB48乃木坂46などのグループアイドルが採用している卒業システムは、おニャン子クラブがその先駆けである[29]

活動初期からの著名なメンバーが脱退していったものの、おニャン子クラブがブレイクした後に加入してきた渡辺美奈代が7月にレコードデビューし[30]渡辺満里奈も10月にレコードデビュー[31]、他にも工藤静香生稲晃子ら、おニャン子クラブの中期から後期の人気を支え、その後も芸能界に残っていくメンバーが続々と加入してくるなど、おニャン子クラブの面子は日々充実していった。


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