おせん
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千代が昔旅行した際に、杜氏をしている冬子の祖父と意気投合したのが縁で、料理の勉強に上京した冬子が一升庵に入ることとなった。千代曰く、一升庵の金ヅルならぬ「酒ヅル」。
江崎 ヨシ子(えざき ヨシこ)
江崎ヨシ夫の妹で専門学校生。通称「ペコちゃん」。地元短大を卒業後、調理師や経営の勉強をするために上京。寮に入る予定だったが、心細さと門限の厳しさから兄を頼って一升庵に住みこみのバイトとして働くこととなる。良くも悪くも「今どきの女の子」で、料理に糸クズが入っていたことに腹を立てた客にくってかかったり、実家の旅館をプチホテルに改装する野望を秘めていたり、結婚相手の第1条件を財産(しかも1億円以上)とするなど、周囲を振り回してはそれを楽しんでいる。
珍品堂
珍品堂(本名不詳・ちんぴんどう)
日本の古陶器を中心に扱う古美術商で一升庵の馴染み。朴訥な性分でぶっきらぼう、江崎のことはモノを知らない若造だとみなしている一方、美を学び、楽しむことができる人間だという点は認めている。基本的に問われれば言葉少なに真髄を語るため、江崎が美術品に対する知識を得る上で重要な立場にいる。知る人ぞ知る古陶器の専門家で美術館や学者が真贋に困る古陶器の鑑定も任されるほどの一流だが、おせんの陶器に対する審美眼を高く買っている。バツイチで普段は男の寡暮らしだが、一升庵で仲居の尻をなでるなど存外軟派な一面がある。子供時代のトラウマからタコが苦手。
戎 真子(えびす まこ)
日本橋の骨董店「戎堂」の娘。戎堂店主と珍品堂店主とは修業時代の馴染みで、その縁で珍品堂に弟子入りする。他人の住居などを一瞥しただけで当人の好みを見出す天才的な才能を持つが、自身の好みが存在していない。江崎の何気ない振る舞いに自分にはない美を楽しむ価値観を見出し、またその真面目で優しい性格にふれ、惚れる。マイペースで一途な性格から、周囲を振り回すこともしばしば。親から見合いを勧められ、止められることを期待して江崎に相談するも、逆に薦められ失意の涙を流す。 第二幕(真っ当を受け継ぎ繋ぐ。)にて一升庵にて見合いにいたるも、おせんとの約束を守れずに相手の素性を知って逆上した江崎に見合いを阻止されて破談となる。その後も江崎を慕い続け、最終章にて一升庵を去る事になった彼からプロポーズを受けた。
日吉組
龍五郎(たつごろう)
鳶職集団「日吉組」の親方。妻は他界し娘も大きく育って好々爺となっているが、かつての男っぷりは健在で、気風の良さは天下一品、地域の尊敬を集めている。「余分な銭と人の未練は年を越しちゃあいけねぇ」が口癖で、粋人。
純(じゅん)
日吉組の若頭。気風がよくまっすぐだが、おせんへ崇拝に近い感情を抱いており、過去にストーカー騒動があった際には、とっ捕まえたストーカーの尻穴めがけ鳶口(材木を引っ掛けるための道具)を打ち下ろしたという恐ろしげな武勇伝がある。乱暴な性分だが、根は優しい。作中で結婚した妻である富子のことは「ブス」と呼ぶが威勢の良さを惚れ抜いており、口べたが災いして喧嘩をしても仲直りしたくて気をもむこともしばしば。江崎との付き合いも長く、もっとも親しい友人の1人である。
河村ヒトシ(かわむら?)
日吉組若衆の筆頭で純に継ぐ地位にいると思われる(描写より判断)。越後湯沢出身。江崎ヨシ子に一目惚れし、ヨシ夫のことを(勝手に)義兄と呼んでいる。
木下クッキングスクール
木下 秀雄(きのした ひでお)
木下クッキングスクールの経営者で校長。パンフレットが刷り上がってからおせんに講師をお願いしに来るなど、ちゃらんぽらんな性格だが、締めるべきところではきちんと締める。
桜井 三千子(さくらい みちこ)
木下クッキングスクールの売れっ子講師。テレビ番組にも多数出演。最新調理器具を使ったお手軽スピード料理がウケている。いかに素早く手軽に作るか、を信条にしていたが、おせんとの料理対決以降は宗旨替えし、食べ物の味と食べる人のことを考え、最新調理器具と伝統料理との融合をめざす。
北島 マユミ(きたじま マユミ)
フードショップのコーディネータ。外交官の娘で海外生活が長く、ニューヨークを拠点に世界各地で活躍している。スローライフ、スローフードにも造詣が深く、日本の食文化に否定的。が、それは幼少時の食生活のトラウマによるものだった。
その他
原口(はらぐち)
雑誌の編集長で一升庵の馴染み。雑誌のネタに困ると一升庵を訪れる。貧乏の子だくさんな家庭に育った貧しい少年時代の反動から食道楽の大食をし、念願の食べ物雑誌『グルメ天国』を立ち上げたが、不摂生が祟って
糖尿病を患う。おせんの働きかけもあって低カロリーの美食に開眼。健康を回復すると共に健康食としての伝統的な美食にも注目し、新雑誌『磨きをかけた食卓』を立ち上げる。
平田 美也(ひらた みや)
会席割烹「平原(ひらげん)」の花板。浅草生まれで実家が寿司屋。先代の息子の嫁で、大衆食堂だった店を引き継ぎ会席割烹に変えた。当初はおせんをライバル視していたが、その料理や思想に触れ、その後は友好な関係を築いている。料理人の弟がおり、その弟が店を構える時のトラブル解決にもおせんの力を借りている。
君香(きみか)
三味線の師匠。美貌だが、男運がない。酒乱で酒が入ると暴れることがあり、地元からは「地獄の君香姉さん」と呼ばれ恐れられている。しかし芸事の腕は確かで、その歌は聴く者を魅了する。過去に清二とのロマンスがあったが、脛に傷を持つ清二が身を引いてしまったのが荒れた原因の模様。
山口 加夜(やまぐち かよ)
有名下着ブランドのデザイナー。比類なき美意識とセンスを持つが、それだけに仲間に求める才能も尋常ではなく、それが理由でトラブルになることもしばしば。トップモデルに伍するほどのスタイルと着こなし術を心得ている(本人いわく、自分の作品の観せ方は自分が一番心得ているとのこと)。おせんとは歓迎会の席で知り合い、縁側気分の良さを知る。料亭「辻村」の若女将と知り合い。
赤木 光一(あかぎ こういち)
老舗洋品店の若旦那にしてやり手銀行マン。大家族の長男ですいとんの味にうるさい。何かにつけて独断専行するタイプで、当初は結婚後の予定も結婚相手に相談せずに決めていた。茶道の師範であるスミ子に一目ぼれし、猛アタックの末にハートを射止めた。
スミ子(スミこ)
下町の長屋で茶道・華道を教えていた女性。おっとりした性格で、言葉遣いも周囲よりゆっくり。光一の求婚に応えた。一人っ子のため、家族団欒に飢えていた。かなり下品な洒落を披露したがる。
お多福のオヤジ(おたふくのオヤジ)
一升庵メンバーの行きつけの居酒屋「お多福」のオヤジ。本名は不明。お多福は一升庵以外の飲食店の中では登場頻度が高いため、登場回数も多い。頭髪のない頭に鉢巻をし、気風のよい言動で客からも人気があるようだが、客の好みを覚えるのは苦手らしく、珍品堂がタコ嫌いなのを忘れて茹でたタコを出すこともあった。
ナスターシャ・リーチ
イギリスの食器メーカー、ウィンザーウッド社のプロデューサー。年齢は30歳前後。祖母が日本人で(クォーター)、祖母より聞いていた日本に憧れていたが、その変貌振りに落胆するも、おせんの機転で立ち直った。その後開店した飲食店でのトラブルの解決におせんの知恵を借りている。
青木(あおき)
江崎の友人。メガネをかけ、口髭にアゴ髭、常にラフな服装で通している。江崎のことを「手取り5万(後に6万)の」と見下している様子あり。大手外食チェーンの店長を務める姉がいる。初登場時の名は「佐藤」だった。
坂本(さかもと)
江崎の友人。青木とは対照的に常にスーツを着ている。
良子(りょうこ)
江崎の元恋人。鰹のタタキが好物。嫉妬深く、構われないと怒り出すタイプで、メールする回数が減ったと江崎に文句を言った。のちに別の男性に言い寄られて江崎を捨てるが、その男性もおせんの美貌に見とれたため思いきり振り捨てた。
ハル
留吉がよく通うストリップ劇場と同じ経営者がやっている料亭の女板前。元々はキャバクラ嬢だったが、田舎訛りがきつい上、口下手なので余り客がつかず、哀れに思ったオーナーが自身の賄いをさせた所、抜群の腕を持っていることが分かり、上記の料亭で女将候補として鍛えられることになる。その料理の腕は留吉やおせんが手放しで褒めるほど秀逸で、特に塩麹の扱いに長けている。元キャバクラ嬢だっただけあって見目もよく、一目ぼれした留吉が店に足しげく通った上プロポーズしようとしたが、そこで婚約者がいたことが明かされ、告白する前に撃沈することとなった。
書誌情報

きくち正太 『おせん』 講談社〈イブニングKC〉、全16巻
2000年8月21日初版発行、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}
ISBN 4-06-328709-2

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