うる星やつら_(アニメ)
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2022年1月1日、約36年ぶりのテレビアニメ化が発表された[3]。キャスト・スタッフを一新して制作された新たなテレビアニメは、フジテレビの深夜アニメ枠『ノイタミナ』ほかにて、第1期は2022年10月から2023年3月まで放送された。第2期は2024年1月より放送中。

本項目では2作品あるテレビアニメと、初代テレビアニメに関連するOVA作品について記述する。テレビアニメについては、初代を「1981年版テレビアニメ」、2作目を「2022年版テレビアニメ」として記述する。
テレビアニメ(1981年版)

キティ・フィルムおよびフジテレビの製作でテレビアニメ化。1981年10月から1986年3月まで、フジテレビ系列ほかにて全195回(218話)が放送された。第1回から第106回はスタジオぴえろ、第107回から第127回はディーンおよびスタジオぴえろ、第128回から第195回はディーンがそれぞれアニメーション制作を担当した。原作漫画のコミックス第1巻から第29巻までの内容がテレビアニメ化されているが、エピソードの順番は大きく入れ替えられている。

アニメ化に際し、当時スタジオぴえろの社員であった押井守がチーフディレクターを担当することになった。押井によると、当時のスタジオぴえろは『太陽の子エステバン』と『まいっちんぐマチコ先生』に主力スタッフが割かれ、制作デスクすらいないという状態で制作が始まったという。放送開始当初は「原作との違い」などを理由として原作ファンから、カミソリの入った抗議の手紙、罵詈雑言の録音されたカセットテープが多数寄せられ、押井の降板話まで浮上した。しかし、3クール目から体制を立て直し、文芸に制作進行だった伊藤和典を抜擢、アニメーターに自由にやらせたことから、森山ゆうじ山下将仁越智一裕といったメカも描ける当時若手の実力派アニメーターが集まるようになると制作に余裕ができて、次第に評価は上向いていった[4][5]。また、原作の人気に加えて、先鋭的な演出や作画にアニメファンからも注目されるようになり、若手のアニメーターには、西島克彦のように志願して本作に参加した者もいた[6]

一方、改編期などの特別番組やプロ野球中継ヤクルト戦)・バレーボールワールドカップ中継による放送休止がたびたびあったほか、劇場版2作目『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年公開)の制作時期には主要スタッフが映画製作にまわされ、テレビでは総集編形式のエピソードが2週連続で放送されるということもあった。

押井は『ビューティフル・ドリーマー』公開後の1984年3月放送分をもってチーフディレクターを降板し、所属していたスタジオぴえろからも退社した。押井は降板の理由について、「体力的・精神的な限界」と当時のアニメ雑誌で述べている[どこ?]。また、同時期に脚本と文芸制作を担当した伊藤和典や、主題歌と劇伴を作曲してきた小林泉美、さらにランの声を担当した井上瑤が降板した。

第107回以降は、前半部の主要スタッフの一人であるやまざきかずおが押井に代わってチーフディレクターを担当した。アニメーション制作を担当する会社もそれまで同テレビシリーズのグロス請けをしていたディーンへと変更となり、半年間はスタジオぴえろと連名でクレジットされている。このようにシリーズの途中で主要スタッフの入れ替えや制作会社変更が行われた結果、その前後でテレビシリーズは作風が大きく異なっている。やまざきは「原作に忠実にしたい」と当初うたったものの[どこ?]、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}演出面での押井作品との違いや、文芸、作画スタッフなどの交替などからある種原作とも押井時代とも異なる独自の『うる星やつら』となっていった[独自研究?]。また、原作の人気エピソードのほとんどを消化したことなどの様々な要因から、1985年末、公式ファンクラブの会報誌にて1986年3月をもって放送を終了することが発表され、原作の完結よりも前に放送を終了する形となった。最終回については、「アマテラス宴会」のエピソードに絡めて、オールキャラクターが一堂に会し、賑やかに終わる形で描かれた。テレビシリーズが原作の完結を待たずに終了したことは熱烈なファンの顰蹙を買い、プロデューサーの落合茂一の自宅には毎日のように無言電話やチャイムの押し逃げなどのいやがらせが殺到した。落合は後にこれを「わが人生最悪の日々」と語っている[どこ?]。

原作漫画は1987年春に完結。最終章「ボーイミーツガール」は、翌年に『うる星やつら』の劇場版アニメ第5作『うる星やつら 完結篇』としてアニメ化された。

押井守は、本作品について次のように振り返っている[7]。なんか無茶したかったというか、斬新なことに挑戦したかった。若いヤツらが集まってきて、彼らの望むものをほとんど無条件でやらせてみた。ヒドイのはとことんヒドイけど、普通にやってたら絶対できないような、圧倒的なパワー感ある作品も生まれました。(『SPA!』1994年7月27日号より)
作品の特徴(1981年版)

先述の通り、本作品は原作漫画のコミックス第1巻から第29巻までの内容がテレビアニメ化されているが、エピソードの順番は大きく入れ替えられている。また、当初は15分2話のオムニバス形式であったが、原作に追いついてしまうため、第24回より30分1話の形式へと変更した。その関係で「放送回数」と「話数」が異なる。この変更のもうひとつの理由として、押井が考える演出を盛り込んだ作品が15分の枠の中に納まりきれず中途半端や唐突な展開の印象を与えたため、これを回避するための方策でもあった[独自研究?]。
オリジナリティの強さ

本作品の大きな特徴のひとつに、オリジナリティの強さがある。原作漫画にはないアレンジを加えているほか[8]、中には第64回・87話「さよならの季節」のように原作のエピソードをベースにしながらも[注 1]、物語の世界観が揺らぐような展開を見せるエピソードもある[7]。アニメオリジナル回もあり[7]、押井の嗜好により、ギャグのネタとして漫画、アニメ、映画、有名人、歴史に残る名言などをパロディにしたエピソードもある[注 2]。これらのオリジナルエピソードの中には、当時の局上層部から「やりすぎ」「意味がわからない」と注意されたものもあった。そのひとつが第78回・101話「みじめ!愛とさすらいの母!?」であるが、押井によると、このエピソードはフジテレビに一旦納品拒否されたが、放送に間に合わないことから最終的に納品し、押井は局長室に呼びだされて厳重注意を受けたという。
作画

本作品は2022年版テレビアニメ(詳細は後述)のようにキャラクターの絵柄の統一を図る総作画監督がおらず、各エピソードごとに担当するアニメーターの個性が映像に強く表れることも特徴のひとつである[1]。特にラムをはじめとするキャラクターのデザインは各エピソードを担当するアニメーターによって異なり、その顔立ちは多彩であった[注 3][10]。当時のファンは、どのアニメーターのデザインが良いかという点で様々な意見を出していた[10]
音楽.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

音楽を担当した安西史孝により、アナログシンセサイザーフェアライトCMIによるテクノ風味のサウンドが本作のドタバタシーンなどで主に使用されることとなった。ちなみに安西は当時原作の大ファンであった。

主題歌「ラムのラブソング」、「宇宙は大ヘンだ!」の伴奏を務めたのは当時の高中正義のバックバンドで、劇中のBGMにも高中の曲が時折使われていた。

主題歌、劇中BGMの一部は2019年9月25日より各種音楽配信サービスで配信が開始された[11]


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