押井は「長過ぎるから」という理由でこれらのシーンをカットしている。また、これ以外にもカットされているシーンが存在している。 押井は本作の完成後、『うる星やつら』1981年版テレビアニメのチーフディレクターを降板し、同時にスタジオぴえろを退社。後任のチーフディレクターはやまざきかずおに、制作スタジオは本作の実質的な現場であり、それまで同シリーズのグロス請けも行っていたスタジオディーンに託された。後年のインタビューでは、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が高い評価を受けたことでイケイケになってしまい、監督としての良い意味でも悪い意味でも自信がついたため独立したと語っている。このあと押井は自分の意見ばかりを主張するようになってしまい[注 1]、新作(OVA『天使のたまご』他)は難解で、映画関係者は離れていった。その後もマニアックかつ独創性の強すぎる作品ばかりを企画するが、制作サイドが難色を示して取り合ってもらえず、苦しい生活は3年続くことになる[20]。 原作者の高橋留美子は、本作に関して平井和正との対談で、(『ビューティフル・ドリーマー』は)押井さんの『うる星やつら』です。 ? 高橋留美子、平井和正『語り尽せ熱愛時代』、平井和正『高橋留美子の優しい世界』(共に徳間書店) と語っている。また「押井さんは天才」、「『2』は押井さんの傑作で、お客さんとして非常に楽しめました」とも語っている[21]。押井は、高橋による評価について、2本目は凄かった。『人間性の違いです』ってその一言言って帰っちゃった(笑)。これは自分の作品じゃないと言いたかったんですね。 と語っている。 上記の経緯から押井との関係が悪化したと噂されていたが、それについては畑健二郎・熊之股鍵次との対談で否定している[23]。 本作で演出を担当した西村純二は「原作者から「こういう『うる星』もありなんじゃないですか」と聞いてます」と語っている[6]。
制作後のエピソード
原作者の評価
? 公開対談「野良犬の塒」[22]
「原作者は『オンリーユー』は好きだが『2』は今でも一番嫌い。」
「原作者の「逆鱗」に触れた。」
? DVDのオーディオコメンタリーより
登場人物・キャスト主要人物はそれぞれの項、それ以外は「うる星やつらの登場人物」を参照
諸星あたる - 古川登志夫
ラム - 平野文
面堂終太郎 - 神谷明
テン - 杉山佳寿子
三宅しのぶ - 島津冴子
サクラ - 鷲尾真知子
藤波竜之介 - 田中真弓
メガネ - 千葉繁
パーマ - 村山明
カクガリ - 野村信次
チビ - 二又一成
あたるの父 - 緒方賢一
あたるの母 - 佐久間なつみ
?先生 - 池水通洋
竜之介の父 - 安西正弘
校長 - 西村知道
錯乱坊(チェリー) - 永井一郎
ゲストキャラクター
夢邪鬼
声 - 藤岡琢也「目覚めれば悪夢」(原作第31話)であたるの夢に現れた妖怪。バクに悪夢を食わせることを仕事としている。本作では事件の黒幕として登場。人類の夢の歴史と共に歩み続け多くの人に夢を見せてきたが、せっかく紡いだ夢を人々が暴走させて悪夢に変えてしまい、その度にバクに夢を食べさせ新たな夢を紡ぐのを延々と繰り返してきたことに疲れて(バクのことを「がしんたれ=大阪弁で能無し、無駄飯食らいの意」と貶している)引退しようと考えていたが、偶然出会ったラムが望む夢を最後の大仕事である「悪夢に変わったりしない永遠の夢の世界」として実現させようと暗躍していた。なお、サクラからは「夢を操り、人々に邪悪の種を植えては悦に入る悪しき鬼」としてアドルフ・ヒトラー、ネロ、ユダ、ゴータマ・シッダールタなどを例に指摘されるが、それに対し夢邪鬼はサクラが例に挙げた人々の中には確かに自分が夢を見せた人物はいると肯定しつつも、見せるのはあくまで「その人間が望む夢」であり、「夢が邪悪なものになったのは、その人間が邪悪な願望を持っていたから」と反論している。ラムの夢を叶えるために邪魔となりうる登場人物を次々と友引町から消し、下記の人物には夢の世界の友引町を支えさせていた(ただし、その礼として楽しい夢を見せていた)。
錯乱坊 - 事態を収束できる能力を持つために退場。たくさんの食べ物を食べる夢を見せられていた。
温泉マーク - 幾度も学園祭前日を繰り返すループに気付いたために退場。サクラと暮らす夢を見せられていた。