いじめ
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1996年(平成8年)に文部大臣(当時)が緊急アピールしているように、「深刻ないじめは、どの学校にも、どのクラスにも、どの子供にも起こりうる」[16]もので、児童生徒1,000人あたりの7.1人がいじめを受けている[27]。調査では「小学校4年生から中学校3年生までの6年間の間に、いじめ(仲間はずれ、無視、陰口)と無関係でいられる児童生徒は1割しかいない」[16]ことが指摘されている。
学校の種類別といじめの様態

学校の種類別では、幼稚園保育園では小学校や中学校のようないじめはないという。積極的な子供が消極的な子供を従えているようにみえる「子供同士の力関係」や、「子供のコミュニケーション能力の未発達」による玩具等の横取り、手を出すことをいじめととらえてしまう親もいるという[28]

学年別動向の統計調査では、小学校では、「冷やかし」の割合が多いが、「仲間はずれ」の割合が、他の区分に比べて多い[29]。国立教育政策研究所追跡調査(2004-2009)によれば小学校・中学校で「仲間はずれ、無視、陰口」が3年間の間に全く無かった児童生徒はそれぞれ22.6%、27.6%で[16]、3年間連続でいじめがあった児童生徒は小学校・中学校でそれぞれ0.4%、0.6%であった[16]。しかし、2005年の滝川市小6いじめ自殺事件や2010年の桐生市小学生いじめ自殺事件など、小学校でもいじめを苦にした自殺事件は起こっている。

中学校は統計上、いじめが最も多くなる年代である[29]。国立教育政策研究所調査(2004-2009)によれば、学年別で見た場合、中学1年生だけで17,063件のいじめが認知されており、この数字は小学6年生(4,262件)や高校1年生(3,701件)に比べ4倍以上多い。男女比では、54.8%が男子、45.2%が女子である[27]

高等学校では「冷やかし」と「暴力をふるう」割合が高い[29]。いじめによって退学する場合もある(人間関係を理由とした中途退学は、2005年度で7.4%[30])。先輩後輩をいじめる事例もある。大学に於いても特に体育会系のクラブで、先輩からの「しごき」という名のいじめは昔から存在する。これに関連して、継続的な悪質ないじめで、訴訟沙汰になった例もある[31][32][33]。また、2007年の追手門学院大学いじめ自殺事件では在日インド人学生がいじめで自殺し、自殺した生徒の父親も1年後自殺した[34]

いじめの様態別認知件数(文部科学省、平成19年度、複数回答あり)[35]小学校中学校高等学校特別支援学校合計
総数構成比総数構成比総数構成比総数構成比総数構成比
冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる。32,11065.728,06164.54,64655.619456.965,01164.3
仲間はずれ、集団による無視をされる。11,89624.39,48921.81,45517.45616.422,89622.6
軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする。9,98020.47,12016.41,71220.56418.818,87618.7
ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする。2,3174.72,5255.87378.8277.95,6065.5
金品をたかられる。7641.61,3693.14986.0123.52,6432.6
金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする。3,2546.73,4487.96718.0329.47,4057.3
嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたりする。2,8545.82,6366.17959.5308.86,3156.2
パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる。5341.13,6338.41,70120.4257.35,8935.8
その他1,9804.01,3173.03884.6195.63,7043.7

教師によるいじめと監督不行届「指導死」も参照

自衛官の子供へのいじめや差別が、日教組教師らによって行われてきた。佐々淳行の子供が通っていた小学校の日教組組合員の女教師が、父親が警察官・自衛官である生徒を立たせて「この子達の親は悪人です!」と吊し上げをした[36]。憤慨した佐々が家庭訪問の際教師に問うと、その教師は反省の弁は無く、自民党や自衛隊、警察を口汚く罵るばかりであったが、教育委員会に訴え出て免職させると佐々が言うと、教師は一転して土下座して謝罪しはじめた。この際、この教師は「日教組の組織をあげて戦う」と発言したという[36]。また、自衛官の配偶者や子供の中には差別を恐れ、配偶者や親の職業を隠さざるを得なかった例もあり、自衛隊員の息子であった産経新聞社会部次長大野敏明は小学校4年生の頃、日教組の教師に「大野くんのお父さんは自衛官です。自衛隊は人を殺すのが仕事です。しかも憲法違反の集団です。みんな、大きくなっても大野君のお父さんのようにならないようにしましょう」といわれ、「自衛隊員の息子として教師から虐めを受け、登校拒否になった」という[37]。また、同じく自衛官の息子だった友人は内申書の評価を下げられ、親の職業を言いたがらない者もいたと述べている[37]

問題のある教師(モンスターティーチャー)によるいじめも問題となっている[38]。1986年の中野富士見中学いじめ自殺事件では、東京都中野区の中学教師がいじめに加担した[39]。2006年の福岡中2いじめ自殺事件でも教師がいじめに加担した。


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