いじめ
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

文部科学省の調査では2011年6月から2013年12月末までに発生した小中高生の自殺につき、いじめを理由にした割合は2%ほどで[65]、さらに平成19年度に自殺した136人の児童のうち、いじめが原因であると特定されたものは3件で18年度よりも3件少なくなっている[27]

都道府県別で見た場合、1,000人あたりの認知件数は多いほうから順に熊本県(32.7件)、大分県(27.3件)、岐阜県(25.2件)が多く、全国平均(7.1件)を3倍以上上回る[27]。ただしこれはあくまで認知件数なので、これらの件で実際にいじめが多いのか、それともこれらの県でいじめを認知しやすい体制が整っているのかは不明である。なお熊本県や大分県と同じ九州でも、福岡県や佐賀県(いずれも1.1件)は少ない方から2番と3番で、単純に九州でいじめの認知件数が多いというわけではない[27]。(全国最小は和歌山県の0.8件)[27]

2013年、国連児童基金(ユニセフ)と国立社会保障・人口問題研究所が行った「先進国における子どもの幸福度」という調査によると、日本は、いじめの割合などを示す「日常生活上のリスクの低さ」で1位を獲得ている[66]。ただし、その中での「過去数か月に学校で1回以上いじめられたと答えた11歳、13歳、15歳の子どもの割合」では日本は30カ国中12位で、改善の余地は大いにある[67][68]

文部科学省の調査によれば、2018年度のいじめは、小学校で42万5844件(前年度比10万8723件増)、中学校で9万7704件(同1万7280件増)、高校が1万7709件(同2920件増)、特別支援学校が2676件(同632件増)だった。最多が「冷やかしやからかい、悪口を言われる」の約34万件、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりする」の約12万件など。関連する暴力行為は7万2940件。SNSなどをつかった「ねっといじめ」は1万6334件。1000人あたりのいじめ件数は最多が宮崎県の101.3件、最小が佐賀県の9.7件だった[69]

2019年度の全国の小中高校その他でのいじめ認知件数は61万2496件で、2013年度以降最多を更新しつづけている[70]

2015年度の経済協力開発機構(OECD)の調査によると、他国では科学的リテラシーの得点が高いほどイジメの対象とならないのに、日本ではイジメの対象となる特殊性がある[71][72]

各事件についてはCategory:日本のいじめ、およびCategory:日本の少年犯罪を参照。
アメリカ「アメリカ合衆国の人種差別」も参照

アメリカの学校ではスポーツの得意な人気者の男性ジョックとその対極に非ジョックのナードがある。学校でのいじめも深刻で、1993年には学生時代を通じていじめを受けてきた青年が交際相手らと共謀していじめの加害者を殺害したボビー・ケント殺害事件が起こり、1999年に発生し13名の人間が殺害されたコロンバイン高校銃乱射事件では、犯人たちが通っていた高校では日常的にいじめが行われており、それが原因で事件を引き起こしたと考えられている。2011年、CNNがいじめ対策の特別番組で、中途脱落者が1人もおらず99%が大学に進学するロングアイランドの名門校ウィートリスクールの生徒700人を対象に調査したところ、42%が学校のクラスメートをいじめたことがあり、31%はいじめを経験したと答えた。また、77%は友だちがいじめられていることを知っていながらも防ごうとせず、周りにも知らせず見て見ぬ振りをしたと答えた[73]

社会人の間でもいじめは存在しており、サンフランシスコの調査会社が1000人の米国人従業員を調査したところ、回答者の45%が職場で暴言、妨害行為、職権乱用、意図的な関係悪化といったいじめを受けているとされる[74]

2012年2月27日、オハイオ州で発生した3人の死者を出した高校の銃乱射事件では、検察当局は否定しているものの[75]、容疑者の少年はいじめに遭っているとの情報がある[76]

2013年9月、米南部ルイジアナ州に住む高校生の少年が、スマートフォンのアプリで同級生を射-殺するまねごとをしていたとして逮捕されている[77][78]。現地報道によると、少年はいじめを受けており、そのストレスのはけ口としてスマートフォンのアプリを使い、同級生を銃撃の対象にして発散し、アプリの映像を動画サイトに投稿したため、同級生たちの保護者が発見。それが問題となり、少年は学校運営の妨害容疑などで逮捕され、少年拘置所送りとなった。
ホイットニー・クロップ救済運動

2012年9月、ミシガン州のオゲマウハイツ高校において、高校入学以降クラスメイトに執拗ないじめを受けていたホイットニー・クロップのための救済運動が行われた ⇒[1]。ホイットニーは9月に行われるホームカミング(フットボールの他校試合にあわせて行われるフェスティバル)のクラス女子代表(ホームカミング・プリンセス)に選ばれたが、実際には地味で目立たない印象の彼女を表舞台に出し、笑いものにしようとするいじめであった。フェイスブックのホームページが中傷で埋め尽くされるなどし、傷ついた彼女は部屋に引きこもってしまったが、「サポート・ホイットニー・クロップ」なるページがフェイスブックに立ち上げられ、全米から応援のメッセージが書き込まれ、自宅にも花や励ましの手紙が届くなどした。これに励まされたホイットニーは勇気を出して登校。いじめっ子たちの謝罪を受け入れた。9月28日のホームカミング当日には、父親のエスコートでオレンジのドレスで登場。1000人以上の支持者から暖かい拍手を受け、その様子は当日取材に来ていたマスコミにより報道された。その後、10月は「いじめ防止月間」に指定されたのに合わせて、ホイットニー本人がトーク番組『ケイティ』に出演したことを機に、リンジー・ローハンツイッター上で高校時代にいじめられた過去を告白した[79]
スポーツ界でのいじめ

スポーツ界でも深刻な問題となっており、日本などと同様、厳しい上下関係がある。その中では、暴力や恐喝も頻繁に発生している、しかし、理不尽な暴力に耐えることが男らしい振る舞いであるという考え方があるため、発覚するのは稀となっている[80]
同性愛者へのいじめ

歌手のレディー・ガガは、同性愛を理由にいじめを受けた末に自殺した14歳のファンについて触れ、「いじめは撲滅すべき」と訴えた[81]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:210 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef