あらいぐまラスカル
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本作品に影響され実際に飼育し、その経験を『ぜったいに飼ってはいけないアライグマ』(ISBN 978-4652071816)として出版したさとうまきこによれば、噛まれたり引っ掻かれたりといったケガは日常茶飯事だったという[1]。ただし、出産・育児の時期に安全な住処を得る目的でメスのアライグマが人間社会に接近することはある(物語に出てくる、ホテルに住み着いたクレオパトラ親子はこれに該当する)。しかし、アメリカにおいても、アライグマは(日本におけるタヌキイタチなど里山の動物に相当する)身近な動物ではあっても、ペットとして飼育する動物ではなく、農業関係者からは害獣とされることが多い。また、原作の舞台となった時代には、既にアライグマが狂犬病を媒介する恐れがあることは知れ渡っており、ラスカルが狂犬病媒介の恐れが無いか確認をするべきだと、ラスカルを学校に連れてきたスターリングにホエーレンが注意するシーンもある。

また頭がよく、(かんぬき)程度なら前足を使って器用に開けることも出来てしまうため、前出の野生化問題では様々な被害防止用の仕掛けも徒労に終わるとする報告も出ており、結果的に駆除(捕獲後に誰かに飼われるケースは稀である)する以外では被害を予防する方法は無いとされている。作中でも、周囲の畑にある作物を荒らす被害が出た。
本放送後の展開

後述のように、本放送から四半世紀以上過ぎた今なお再放送が度々行われていることから、日本国内で販売されている関連製品(キャラクターグッズ)も数多い(関連項目の節なども参照)。こうした関連商品の好調は商品化する各社を結束した「ラスカル会」の設立につながった。同会は1998年に設立。会員となった各社共同で商品開発やプロモーションが行われるようになった[2]

2005年11月、日本アニメーション公認のキャラクターグッズとしてバンプレストから、最終話に登場するメスのアライグマをモチーフとした「ラスカル&ガールフレンド」がリリースされた。このメスアライグマは「リリィ」と命名されており、グッズ内ではラスカルに次ぐサブキャラクターとして展開されている。

2011年、日本アニメーションによる「あらいぐまラスカル」放送35周年記念事業の一環として、新たなキャラクターデザインの「RASCAL little trip」「Toy RASCAL」「まるりんラスカル」が発表された[3]。さらに2017年には「あらいぐまラスカル」放送40周年を記念し、新たなキャラクターデザインの「FLOWERラスカル」も発表された。

2013年1月、LINEのスタンプショップに「あらいぐまラスカル」が登場し[4]人気を集める。本スタンプのためにデザインされたデフォルメキャラクターは、「プチラスカル」(Puchi Rascal)として商品展開も行われている[5][6]

2022年、セイコーよりあらいぐまラスカル45周年記念コラボウオッチが販売された[7]

この他、それぞれの県や観光地をモチーフとした「御当地ラスカル」や、アニメ・ゲーム作品とコラボレーションしたグッズも発売されている。

2015年からは、本作品を含む日本アニメーション制作作品を主体とした子供向けの映画祭「せいせき桜ヶ丘 ラスカル子ども映画祭 with キネコ映画祭」が、日本アニメーション本社所在地の東京都多摩市にて開催されている。2019年までは一部の例外を除いて毎年8月に開催されていたが、以降は隔年ごとの開催とされ、開催時期も不定となっている[注 2]。また、2018年2月には同イベントの開催地で本社最寄駅でもある聖蹟桜ヶ丘駅近辺に、ラスカルのデザインマンホールが設置された[8][9]

2021年7月26日、東京オリンピックスケートボードで、金メダルを獲得した西矢椛選手と、銅メダルを獲得した中山楓奈選手が、競技後のインタビューで「あらいぐまラスカル」の話をしていたと発言[10]。Twitter上でも「ラスカル」がトレンド入りした他、本作品の公式アカウントより両選手のメダル獲得に対する祝福のコメントとともに、ラスカル史上で初めてとなる「スケートボードに乗ったラスカル」のイラストが、メダル獲得より約2時間で公開された[11]

2023年度には警視庁防犯大使に起用され、2023年5月29日に委嘱状が着ぐるみのラスカルに渡された[12]
あらすじ

動物の大好きな10歳のスターリングはある日、友人のオスカーや飼い犬のハウザーと一緒に、ウエントワースの森の奥へ釣りに出かけアライグマ親子に遭遇する。飼育のために親子をまとめて生け捕りにすることに試みるが、そこに居合わせた猟師が母親のアライグマを射殺。残されたまだ目も開かない幼い子供を、スターリングは家に連れ帰って「ラスカル」と名付けミルクをのストローで与えるなど大切に育てる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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