この極めてドイツ的な合字の形を適切に決めるための議論が、今もなお続いていることは、新しいタイポグラフィーデザインに示されている。 エスツェットのタイポグラフィには大別して3つあり、?(長いsと呼ばれ、f に似ているが、横棒が右に突き出さない)と普通の s の合字、ドイツ文字の?(エス)とz(ツェット、ドイツ文字の z は筆記体の z と似ている。下記画像参照)の合字の、二系統がある。現在ラテン字母とともに使われる文字形は ?s の合字に由来する。また、「エスツェット」の名称は後者に由来する。 ドイツ語には「s」で始まる単語はないので、基本的には大文字の必要はないが、ある題名を強調する際に全文を大文字で書かなければいけないような場合もある。そのため19世紀後半に大文字「?」の使用が提唱されるようになったものの、すぐに普及することはなく、もっぱら「SS」などで代用表記された。 ただし単語によっては「SS」で書くと、正しい単語を示せない可能性がある。例えば「MASSE」が「Masse
起源
大文字大文字1957年ライプツィヒ出版のドゥーデン辞書の表紙
このため長らく議論が続いていたが、21世紀初頭に再び大文字「?」の使用を求める声が高まり、2008年に登場したUnicode 5.1では大文字「?」が登録され、対応したコンピューターとフォントがあれば出力することができるようになった。
2016年にはドイツ語正書法審議会が大文字「?」を正式に取り入れることを決め、2017年に新たな正書法が公布された[2]。代用表記である「SS」も引き続き利用することができるとされ、今日では「SS」と「?」は等価でどちらの表記も正しいものとされる。 ギリシャ文字のΒ(ベータ)の小文字「β」と似ているが、全く別の文字である。情報処理機器等の扱える文字に s がない場合に便宜的に「β」で代用することがあるが、ドイツ語では「ss」で代用することが常に推奨される。 大文字はUnicodeに U+1E9E として収録されている。コードチャートのグリフは「?」となっているが、フォントや環境によっては「SS」という表示になることがある。 大文字UnicodeJIS X 0213文字参照小文字UnicodeJIS X 0213文字参照備考
備考
符号位置
ẞU+1E9E-ẞ
ẞßU+00DF1-9-53ß
ß
ß
脚注[脚注の使い方]^ Ha, Thu-Huong. “Germany has ended a century-long debate ove1r a missing letter in its alphabet
^ ⇒Amtliches Regelwerk der deutschen Rechtschreibung aktualisiert - Rat fur deutsche Rechtschreibung
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