鼓童
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鼓童(こどう、Kodo)は、新潟県佐渡市小木を拠点に国際的な公演活動を展開するプロ和太鼓集団である。設立は1981年目次

1 概要

2 演目・楽器

3 沿革

4 受賞

5 運営組織

6 鼓童村

7 メンバー

7.1 選考法

7.2 現メンバー

7.3 準メンバー

7.4 元メンバー


8 書籍

9 脚注

10 関連項目

11 外部リンク

概要

鼓童(こどう)という名称は、心臓鼓動、および、子供(童)のように無心で太鼓を叩くという意味がある。

鼓童は、田耕(でんたがやす)が立ち上げた太鼓集団「佐渡の國鬼太鼓座(さどのくに・おんでこざ)」をその前身としており、演目にある「モノクローム」(石井眞木作曲)は鬼太鼓座のために作曲された。「入破(じゅは)」は同じ作曲家が、鼓童誕生の際に書いた作品である。(鬼太鼓座からの分離独立については当該項目を参照。)また、「屋台囃子」などの民俗芸能を元とした楽曲も鬼太鼓座から受け継いだものである。鬼太鼓座の演奏は一種のストイックさが持ち味であったが、より演目や楽器の幅も広まり、わかりやすいものとなった。

「日本の伝統芸能を現代に再創造し、佐渡を拠点に、世界でコンサートを開いているプロの太鼓芸能集団」として、これまでにコンサートを開催した国は52ヶ国、総公演回数6500回(2020年11月26日現在)にのぼる。全米の主要都市、カナダ、イギリス(6都市)、ドイツ(8都市)、フランス、オーストリア、スイス、アイルランド、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、イタリア、ポルトガル、ノルウェー、フィンランド、エストニア、ギリシャ、トルコ、オーストラリア、ニュージーランド、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、ブラジル、コロンビア、等々。

ベルリン市制750周年祭、オーストラリア建国200周年祭、ノルウェー・オスロ『ノーベル平和賞100周年記念コンサート』など、市主催・政府主催の公的イベントからの招聘も多い。海外でのコンサートライブDVD・CDなどの収益面も含め、欧米を中心に数多くのファンを持ち、ニューヨーク・タイムズでは高く評価されている[1][2]

1994年には、アメリカ、日本公演を収録したビデオ・レーザーディスク「鼓童」が、フランス・カンヌ国際音楽産業見本市・映像音楽コンテストの「音楽ビデオ長編部門」にて最優秀賞を受賞している。

活動は、一年間の内、1/3が海外ツアー、1/3が日本国内ツアー、残り1/3を佐渡で過ごす。

毎年夏期になると、拠点の佐渡でアース・セレブレーションとよばれる国際芸術祭を主催している。2017年には開催30周年を迎えた。アース・セレブレーションには海外から著名な奏者が招かれる他、日本国内からも様々な演奏者が集う。楽器や民族衣装などの販売も行われ、海外からの参加者も非常に多い。正式な主催は鼓童を中心としたアース・セレブレーション実行委員会。大会長には佐渡市長が就任するなど、佐渡島をあげた祝祭となっている。助成に日本芸術文化振興会、佐渡市。後援は外務省環境省文化庁新潟県、各国の大使館などが参加。
演目・楽器 鼓童の使用する太鼓

鼓童の舞台は和太鼓を主に使うが、笛・三味線・踊り・唄などもあり、全体で一つの流れを構成する。曲は、日本各地の伝統芸能を素材にしたもの(「大太鼓」「屋台囃子」「三宅」「山唄」「西馬音内」他)、現代音楽の作曲家などに依頼してつくられたもの(「モノクローム」「千里馬」「カデン」他)、それからメンバー自身によるオリジナル(「族」「彩」「七節」他)がある。ツアーごとに演目は異なるが、公演は通常約1時間40分である。

使用する太鼓は、宮太鼓(くり抜き胴のもの)と桶太鼓(桶胴で、ロープで締めてあるもの)と締太鼓(くり抜き胴で、ロープで締めてあるもの)に大きく分類される。宮太鼓はさらに胴の大きさ・長さによって「大太鼓」「中太鼓」「平胴太鼓」と呼ぶ。今では稀少な国産産ケヤキの胴に、牛の一枚皮が片面ごとに張った大太鼓は、面の直径は3尺8寸(1m25cm)、屋台の部分も含めると重さは400kgになる。使用する数は、国内の一般公演だと30個?50個程度になる。

近年の舞台ではティンパニグランカッサ(バスドラム) ドラムセット、フルートなどの西洋楽器も使用される。
沿革

1981年、結成。ベルリン芸術祭にてデビュー。イタリア・サンマリノ・旧西ドイツ・日本公演。


1982年、アメリカ(リンカーン・センター他)・カナダ・メキシコ・日本公演。


1983年、日本公演。


1984年、台湾・香港・中国・イタリア・フランス・スイス・イギリス・スウェーデン・デンマーク・旧西ドイツ・オランダ・アメリカ・日本公演。台湾では7000人以上を集めたが、中国では500人ほどの客入りでそのほとんどが中途で帰ってしまった[3]

ドイツオペラ打楽器奏者と組曲「輝夜姫」(石井眞木 作曲)初演。観客動員数がドイツオペラ座史上最高となる[3]

ロサンゼルス・オリンピック芸術祭参加。



1985年、アメリカ(ケネディ・センター他)・カナダ・イギリス・オランダ・イタリア・スイス・フランス・日本公演。

エジンバラ国際芸術祭参加。



1986年、台湾・香港・トルコ・インドネシア・マレーシア・日本公演。

トルコ日本週間、バリ芸術祭参加。



1987年、アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・旧東/西ドイツ(ベルリン・フィルハーモニーホール他)・日本公演。

ロンドン・サドラーズ(ウェルズ劇場)2週間公演、完売。

ベルリン市制750周年祭参加。



1988年、アメリカ・トリニダード/トバゴ・ベネズエラ・ブラジル・コロンビア・オーストラリア・日本公演。

ニューヨーク・シティセンター1週間公演、完売。

ブラジル日系移民80周年祭、オーストラリア建国200周年祭参加。

鼓童村開村。

国際芸術祭『アース・セレブレーション』開始。



1989年、アメリカ・カナダ・旧西ドイツ・スイス・ベルギー・フランス・日本公演。

「鼓童塾」開始。



1990年、アメリカ・フランス・イギリス・日本公演。

ニューヨーク(シティセンター)1週間公演、ロンドン・サドラーズ(ウェルズ劇場)2週間公演、完売。

CD『IRODORI』が日本ゴールドディスク大賞アルバム部門受賞。



1991年、アメリカ・カナダ・日本公演。

特別少人数編成「鼓童"三人狂"」でガーナ・ナイジェリア・セネガル公演。

鼓童塾を北アイルランドで開催。

7月に東京の渋谷(オーチャードホール)で3日間の公演『Gathering』を開始。



1992年、アメリカ・カナダ・ドイツ・イタリア・スイス・ベルギー・オランダ・日本公演。

三井広報委員会主催のフェスティバル『Close-up of Japan』参加(ベルリン・フィルハーモニーホール)。



1993年、アメリカ・カナダ・ポルトガル・イギリス・台湾・日本公演。

ロンドン、サドラーズ(ウェルズ劇場)2週間公演、完売。

『Close-up of Japan』フェスティバル参加(リスボン、聖ジェロニモス修道院)。



1994年、アメリカ・日本公演。

ビデオ・レーザーディスク『鼓童』が、フランスのカンヌで開かれた『国際音楽産業見本市・映像音楽コンテスト』で音楽ビデオ長編部門の最優秀賞を受賞。

積極的な海外公演とアース・セレブレーションの開催が高く評価され、外務大臣表彰、国際交流基金地域交流奨励賞などを受賞。

ハリウッド映画『ハンテッド(The Hunted)』の音楽を監督。



1995年、アメリカ・ベルギー・フランス・スイス・イタリア・ギリシャ・日本公演。

ニューヨーク(カーネギーホール)・ボストン(シンフォニーホール)・ワシントン(ケネディーセンター)・パリ市立劇場5日公演、完売。ギリシャ(パルテノン神殿麓のヘロド・アティクス音楽堂)2日公演、すべて完売。

第37回日本レコード大賞特別賞受賞。



1996年、ベルギー・オランダ・フランス・ドイツ・イギリス・イスラエル・日本公演。

ロンドン・サドラーズ(ウェルズ劇場)2週間公演、完売。

特別編成で、キューバ・ドミニカ共和国公演。



1997年、アメリカ・カナダ・日本公演。

ニューヨーク(カーネギーホール)2日公演、ボストン(シンフォニーホール)公演、完売。

財団法人: 鼓童文化財団を設立。



1998年、スイス・フランス・クロアチア・ギリシャ・トルコ・アイルランド・ポルトガル・ドイツ・ベルギー・イギリス・日本公演。

パリ市立劇場5日公演、ロンドン(ロイヤルフェスティバルホール)5日公演、すべて完売。

スイスのニヨン『パレオ・フェスティバル』で3万7000人の動員を記録。

鼓童文化財団による初の海外事業として、佐渡の文弥人形をイギリスで紹介、公演。

ブラジルのヘヴィメタル・バンド、セパルトゥラの楽曲「カマイタチ」に参加[4]


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