鼈甲
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この項目では、工業材料について説明しています。

漢方薬については「スッポン#料理」をご覧ください。

「べっこう」とも呼ばれている郷土料理については「えびす (料理)」をご覧ください。

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出典検索?: "鼈甲" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2014年1月)
南洋諸島の鼈甲祭器

鼈甲(べっこう、べっ甲)は、熱帯に棲むウミガメの一種・タイマイ甲羅の加工品で、背と腹の甲を構成する最外層の角質からなる鱗板を10枚程度に剥がして得られる。色は半透明で、赤みを帯びた黄色に濃褐色の斑点がある。日本では黄色の部分が多いほど価値が高く、西洋では褐色部分が多いほど価値が高い(後述)。

工芸品の素材に使われる。希少価値のほか、プラスチックとは異なる軽い質感を求めて鼈甲製品を購入する客層は厚い。
語義
鼈甲

「鼈」とはスッポンのことである。「鼈甲」も本来はスッポンの甲のことで、タイマイの甲の意味は国訓である[1]

本来の鼈甲すなわちスッポンの甲は、「土鼈甲」(どべっこう)ともいい、漢方薬に使われる。スッポンの甲は上層の鱗板を欠き下層の甲板のみからなるため、実は(タイマイの)鼈甲に相同な部分ではない。
tortoiseshell

英語のtortoiseshellは、字義どおりには「陸亀(tortoise)の甲(shell)」でありタイマイを意味する語素を含まない(カメ#英語も参照)が、鼈甲を特定的に意味する[2]。また、錆び猫の意味もある。
鼈甲細工フランスの家具職人アンドレ・シャルル・ブール(英語版)が編み出したブールワーク(英語版)

鼈甲を加工して作る鼈甲細工の歴史はかなり古く、中国で生み出された技術で6世紀末頃から製作されている。日本には飛鳥時代頃に伝来し正倉院にも収められている。17世紀以降、長崎に貿易で唐船やオランダ船から鼈甲の材料と加工技術が伝来したことで国内生産が始まり、「長崎べっ甲」が生まれた。大阪から江戸にも伝わり、今日では三大産地として「長崎べっ甲」「なにわべっ甲」「江戸べっ甲」がある。

鼈甲細工は、鼈甲の素地を熱を用いて圧着することで、まず板状の加工ベースを作り、更にそこから細工することで各製品へと仕上げられる。ベースには圧着時の部位によって白甲(しろこう)、黒甲(くろこう)、オレンジ甲、バラフ甲(ばらふ:散班)、トロ甲、などと呼ばれる色目の種別があるが、これは古来より繊細な加工に長けた日本で顕著なもので、海外の加工ではここまで多く明確な色目の種別はあまりみられない。それら各色目をさらに様々に組み合わせて圧着し図柄を出したり、ときには象嵌蒔絵が施されることもある(実例画像を参照)。単色製品の場合、日本では黄色く透き通る白甲が主に珍重されている。なお、一般的に呼ばれる際のいわゆる鼈甲柄(後述)は、バラフおよびトロ甲にイメージされることが多い。

江戸時代には眼鏡のフレーム(徳川家康の眼鏡が有名)、かんざし留め、ブローチボタンなどに加工されて普及した。現代ではこうした装飾品の大半はプラスチック素材に変わっているが、昔ながらの「鼈甲柄」が模されていることも多い。

鼈甲製品はや整髪料に弱いため、特に人体に触れて用いる小物類の使用時は、こまめに空拭きする手間を要する。しかし鼈甲は天然のタンパク質であり、人の体温によって微妙に変形する性質があるため、たとえば眼鏡フレームの場合、鼻当て部分が掛けた人の形にフィットし、汗に濡れてもずり落ちにくいという特性から、高価ながらも鼈甲製の眼鏡を重宝する人も多い。鼈甲のかんざしが良いとされているのも同様に、髪に挿した際ずり落ちにくいためである。

鼈甲は男性器女性器を模した性具(所謂「張形」)の材料としても利用された(鼈甲製張形の画像)。鼈甲は非常に高価な素材だったが、寛保1741年)のころ水牛角などによる精巧で廉価な模造品が登場し、「似たりのカンザシ」などと呼ばれた[3][4]

明治時代又は大正時代の鼈甲の(かんざし)

インドの櫛

鼈甲の未加工品と製品

鼈甲製品

江戸時代大正時代の簪(かんざし) - (ホノルル美術館所蔵)

江戸か大正時代の簪(かんざし) - (ホノルル美術館所蔵)

鼈甲の簪(江戸又は大正時代) - (ホノルル美術館所蔵)

鼈甲が使われた櫛(江戸又は大正時代) - (ホノルル美術館所蔵)

鼈甲が使われた(江戸又は大正時代) - (ホノルル美術館所蔵)

17世紀 - 18世紀の鼈甲製の箱(フィンランド国立博物館

タイマイの取引制限による影響

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)によって、タイマイの商業取引は禁止されている[5]

日本は、1980年昭和55年)11月4日にワシントン条約締約国となったが、国内産業保護の理由から、タイマイなどについては留保を付していた[5]。その後、業界の努力により受諾の準備が進められ、1994年平成6年)7月31日にタイマイの留保撤回が行われた[5]

加工業者は、禁止前に原料在庫を確保していたり、端材を有効利用することで対応している。

一方キューバでは、タイマイを食用として捕獲しており、国家管理下で数トンの鼈甲の原料を保管しており、一定の管理下に置きながら甲羅の輸出を認める提案を行ったことがある。キューバがタイマイ取引再開案を初めて提出したのは、1997年のワシントン条約の第10回締結国会議である[6]2000年のワシントン条約の第11回締結国会議では提案は否決されたものの4票差の僅差であった[6]2002年のワシントン条約の第12回締結国会議でも、キューバはタイマイ取引再開案を提案したが、提案後に撤回している[6]2005年の会議では、キューバは方針を転換、議案を取り下げたため貿易再開の道は閉ざされた。
偽物

高価なものであったため、江戸時代には奢侈禁止令にて禁止令が出された[7]


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