黒田硫黄
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黒田 硫黄
生誕 (1971-01-05)
1971年1月5日(53歳)
国籍日本
活動期間1993年 -
ジャンル青年漫画
代表作『大日本天狗党絵詞
セクシーボイスアンドロボ
茄子
受賞アフタヌーン四季賞四季大賞
(「蚊」、「熊」、「南天」、「遠浅」)
文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞文部科学大臣賞
(『セクシーボイスアンドロボ』)
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黒田 硫黄(くろだ いおう、男性、1971年1月5日 - )は、日本漫画家。ペンネームの由来は「黒田」+オモチャの「火星大王」から[1]。愛称は「大王」[注 1]

男女の双子で誕生。東日本出身。一橋大学法学部社会学部卒業[要出典]。

1993年月刊アフタヌーン』にてデビュー。『月刊アフタヌーン』『月刊IKKI』『COMIC CUE』などに筆による作品を発表している。2002年、『セクシーボイスアンドロボ』により第6回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞文部科学大臣賞を受賞。
来歴

生まれは札幌市であるが、幼少期は10回を超える引越しで東日本を転々としたため、「東日本出身」としばしば表現している。麻布高校時代にアニメ研究会に所属、2分ほどの紙製アニメやリレーマンガを他の部員たちと制作していた。一橋大学では漫画研究会に所属。教養課程野崎歓ゼミナール(映画論)、法学部村井敏邦ゼミナール(刑事法)、社会学部湊博昭ゼミナール(精神医学)などに参加。大学の同じゼミナールに、後に漫画家となった倉田真由美がいた[2]。出版社への数度の持ち込みを経て、在学中の1993年アフタヌーン四季賞秋のコンテストにて「蚊」、「熊」、「南天」、「遠浅」の4編により四季大賞を受賞し、漫画家としてデビューする。

翌年より『月刊アフタヌーン』にて『大日本天狗党絵詞』を連載。連載終了後の1998年、この作品に注目していたよしもとよしともから合作の話を持ちかけられ、よしもと原作、黒田作画による「あさがお」を『COMIC CUE』に掲載。これを端緒として同誌に短編作品を発表していく。1999年に作品集『大王』を刊行、帯に大友克洋寺田克也、よしもとよしとも3名からの推薦文が寄せられた。

2000年から2003年にかけて『月刊アフタヌーン』にて『茄子』を連載、平行して『月刊IKKI』に『セクシーボイスアンドロボ』を連載する。『茄子』のうちの一編「アンダルシアの夏」は単行本帯にて宮崎駿に「このおもしろさが判る奴は本物だ」と絶賛されたのち、2003年に高坂希太郎監督により劇場アニメ化。また、2007年には続編である「スーツケースの渡り鳥」が同監督によりOVA化された。また『セクシーボイスアンドロボ』は2007年に日本テレビにてテレビドラマ化されている。

2003年以降しばらく目立った活動がなかったが、2005年より『月刊アフタヌーン』に復帰し、2006年より同誌で『あたらしい朝』の連載を開始。しかし急病により同誌2007年6月号より中断し、1年の長期休載を経て2008年9月号より再開したが、たびたび休載となっていた。最終的には、不定期な掲載を経て2010年12月号にて完結した。
評価

毎日新聞で黒田を取り上げた宮本大人は、「線の引き方、コマの割り方、構図の取りかた、話の展開、キャラクターの造形、言葉の選択、それらの一つ一つが今目の前にある形になるまでに、どんな選択肢があり、どういう理由で他の選択肢が落とされたのかが、いちいち分かった(気がした)のである」とそのセンスを評価した[3]

文芸評論家の大庭萱朗は「黒田硫黄のマンガのすべてのコマ、すべてのページに、観ることと描くことの歓び、そして生きることの瑞々しさが横溢している」と評した上で、漫画の「観る体験を味わう媒体としての側面を捉えた」という点で、黒田を手塚治虫大友克洋高野文子の系譜に連なる作家と位置づけている[4]

ユリイカ』の特集号に評をよせた斎藤環は、「作品の端正なまでの倫理性」という点で「手塚治虫の正統的系譜」に位置づけられるとし、さらに「作家自身を戯画化し薀蓄を語るスタイル」や小綺麗さとは無縁な絵のスタイル、飛翔シーンの多さや「出立」を作品のモチーフとして繰り返し描いているなどの点で宮崎駿との類似性を見出している。また黒田が一部で女性であると誤解を受けていたことを取り上げ[注 2]、本来女性作家に特徴的な人物同士の関係性に注目する作風(「関係性への配慮」)がその誤解に一役買ったのではないかと分析している[5]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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