黒書院の六兵衛
著者浅田次郎
発行日2013年10月23日
発行元日本経済新聞出版社
ジャンル時代小説
国 日本
言語日本語
形態四六判
ページ数284(上巻)
260(下巻)
公式サイトwww.nikkeibook.com
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『黒書院の六兵衛』(くろしょいんのろくべえ)は、浅田次郎による日本の時代小説である。
江戸城不戦開城の史実を舞台にしたフィクション時代小説で、一切口を利かぬまま江戸城内に居座り続ける御書院番士・的矢六兵衛と、六兵衛排除を任じられた官軍側尾張藩下級藩士・加倉井隼人との交情を描いた。
2012年5月14日から2013年4月16日まで日本経済新聞朝刊に連載小説として329回に渡り掲載され[1]、2013年10月に日本経済新聞出版社より単行本が刊行された。2017年1月には文藝春秋社より文庫版が発売された。
2018年7月にWOWOW連続ドラマWでテレビドラマ化された[2][3]。 慶応4年(1868年)3月、勝海舟と西郷隆盛の会談により江戸城の明け渡しが決まった。期日が迫る中、尾張徳川家徒組頭加倉井隼人は開城のため官軍の先鋒隊長として送り込まれた。 勝海舟に伴われ宿直部屋で見たのは、無言で居座る御書院番士的矢六兵衛の姿だった。 加倉井隼人は的矢六兵衛の排除を任じられることとなる。悶着を起こしては江戸城が戦になるため腕ずくで引きずり出してはならぬと西郷隆盛からの命があり、加倉井隼人は説得を試みようと四苦八苦する。 しかし宿直部屋に居座っていた的屋六兵衛は、日を追うごとに城の中枢部へと居座る部屋を移していく。 黒書院の六兵衛
目次
1 あらすじ
2 登場人物
3 書籍情報
4 テレビドラマ
4.1 キャスト
4.2 スタッフ
4.3 放送日
4.4 関連商品
5 脚注
6 外部リンク
あらすじ
登場人物
的矢六兵衛
将軍直属の御書院番士。五千両で的矢家の旗本株を購入。江戸開城を目前に城に宿直部屋に居座り、一言も言葉を発せず周囲を威圧する。宿直部屋に居座った六兵衛は、日を追うごとに居座る場所を城の中枢へと移し、周囲を動揺させる。
加倉井隼人
尾張徳川家徒組頭。的屋六兵衛の排除を任じられるが、腕ずくでの排除を禁じられたため、あの手この手の策を講じて説得を試みる。説得に応じない六兵衛に振り回される加倉井が、六兵衛の素性を探っていくと様々な謎が明らかになっていく。
勝海舟
西郷隆盛と会談を行い江戸城の無血開城を決めた。開城を見届けた後、徳川慶喜が謹慎する駿府へ移った。
大村益次郎
新政府軍軍防事務局判事加勢。加倉井に的屋六兵衛の排除を命じる。旧幕府軍彰義隊が上野で決起し上野戦争が勃発すると、新政府軍を指揮し彰義隊を壊滅させた。
書籍情報
単行本:2013年10月、日本経済新聞出版社、ISBN 978-4-532-17123-0(上) / ISBN 978-4-532-17124-7(下)
文庫本:2017年1月、文春文庫、ISBN 978-4-16-790766-2(上) / ISBN 978-4-16-790767-9(下)
テレビドラマ
ジャンルテレビドラマ
原作浅田次郎
『黒書院の六兵衛』
脚本牧野圭祐
監督李闘士男
出演者吉川晃司
芦名星
寺島進
竹内力
千葉哲也
波岡一喜
若村麻由美
伊武雅刀
田中泯
上地雄輔
製作
プロデューサー武田吉孝
制作WOWOW
放送
放送国・地域 日本
放送期間2018年7月22日 - 8月26日
放送時間日曜22:00 - 23:00
放送分60分
回数6
公式サイト
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『黒書院の六兵衛』のタイトルで、WOWOW「連続ドラマW 日曜オリジナルドラマ」にて2018年7月22日から8月26日まで放送された。全6話。主演は吉川晃司[4][5]。
音楽はアコーディオニストのcobaが手がけ、ほぼ全曲フルオーケストラでのアレンジが行われた[6]。
キャスト
的矢家
的矢六兵衛 - 吉川晃司:将軍直属の警護隊・御書院番の番士。江戸城に無言で居座り続ける。
的矢六兵衛の妻 - 若村麻由美
的矢清右衛門 - 田中泯:的屋六兵衛の父。
的矢六兵衛の母 - 三星登史子
的矢六兵衛(初代) - 桑原良二:身代を持ち崩して旗本株を売った。
的矢家門番 - 旭屋光太郎
尾張藩
加倉井隼人 - 上地雄輔:尾張徳川家徒組頭。居座った的矢六兵衛の排除の任を負わされる。
加倉井しずゑ - 芦名星:加倉井隼人の妻。
加倉井長太郎 - 渡部翔夢:加倉井隼人の息子。
田島小源太 - 粕谷吉洋:加倉井隼人の部下。
徳川慶勝 - 千葉哲也:尾張徳川家十四代。戊辰戦争で新政府軍に味方し幕府側から恨みを買う。
尾張江戸家老 - 藤田功次郎
新政府軍
西郷隆盛 - 竹内力:官軍参謀。官軍の勅使一行と共に江戸城へ入城する。薩摩藩出身。
大村益次郎 - 波岡一喜:軍防事務局判事加勢。加倉井に高圧的に指示を出す。上野戦争で指揮を取る。長州藩出身。
福地源一郎 - 駒木根隆介:外国奉行支配通弁。加倉井を助太刀する。
木戸孝允 - 野中隆光
大久保利通 - 本山力:明治天皇の江戸城入城後、的矢六兵衛に退去を強く迫る。
明治天皇 - 片岡千之助