黄金伝説_(聖人伝)
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Legenda Aurea, 1290年ごろ。フィレンツェ、ラウレンツィアーナ図書館(英語版)[1]所蔵。

『黄金伝説』(おうごんでんせつ、『レゲンダ・アウレア』 : Legenda aurea または 『レゲンダ・サンクトルム』 : Legenda sanctorum)は、ヤコブス・デ・ウォラギネ1230頃 ? 98)によるキリスト教聖人伝集。1267年頃に完成した。タイトルは著者自身によるものではなく、彼と同時代の読者たちによってつけられたものである。中世ヨーロッパにおいて聖書についで広く読まれ、文化・芸術に大きな影響を与えた。

日本においても芥川龍之介が同書所収の聖女マリナの物語(79章)をもとに『奉教人の死』を書いている。
概要Legenda Aurea、1499年。

イエスマリア、天使ミカエルのほか、100名以上にものぼる聖人達の生涯が章ごとに紹介され、その分量は『旧約聖書』と『新約聖書』を足したのとほぼ同じである。最初の章ではキリストの降誕と再臨があてられており、本書は新約聖書の続編として読むこともできる。

各章の冒頭では聖人の名前の語義を解釈し、それをその聖人の徳や行いと結びつけることがよく行われている。
題名

もとは『レゲンダ・サンクトルム』(: Legenda sanctorum, 「聖者の物語」の意)と呼ばれていたが、15世紀頃から「黄金の」(アウレア : aurea)の美称をつけて呼ばれるようになった。この「レゲンダ」は「伝説」の意ではなく、ミサの際に「朗読されるべきもの」の意である[2][3]。したがって Legenda aurea を日本語で「黄金伝説」と訳すのは誤訳である[4]が、前田敬作らによる完訳(人文書院、1979年 - 1987年、平凡社ライブラリー、2006年)などでもこの題名が用いられている。他に『黄金聖人伝』と呼ばれることもある[5]
内容

序章

第1章   主の降臨と
再臨

第2章   使徒聖アンデレ

第3章   聖ニコラウス

第4章   聖女ルキア(ルチア)

第5章   使徒聖トマス

期節の区分

第6章   主のご降誕

第7章   聖女アナスタシア

第8章   聖ステパノ

第9章   福音史家聖ヨハネ

第10章  罪なき聖嬰児ら

第11章  カンタベリーの聖トマス

第12章  聖シルウェステル

第13章  主のご割礼

第14章  主のご公現

第15章  初代隠修士聖パウロス

第16章  聖レミギウス

第17章  聖ヒラリウス

第18章  聖マカリオス

第19章  ピンキスの聖フェリクス

第20章  聖マルケルス

第21章  聖アントニオス

第22章  聖ファビアヌス

第23章  聖セバスティアヌス

第24章  聖女アグネス

第25章  聖ウィンケンティウス

第26章  司教聖バシレイオス

第27章  慈善家聖ヨハネス

第28章  聖パウロの回心

第29章  聖女パウラ

第30章  聖ユリアヌス

期節の区分

第31章  七旬節

第32章  六旬節

第33章  五旬節

第34章  四旬節

第35章  四季の斎日

第36章  聖イグナティオス

第37章  聖母マリアお潔め

第38章  聖ブラシオス

第39章  聖アガタ

第40章  聖ウェダストゥス

第41章  聖アマンドゥス

第42章  聖ウァレンティヌス

第43章  聖女ユリアナ

第44章  聖ペテロの教座制定

第45章  使徒聖マッテヤ

第46章  聖グレゴリウス

第47章  聖ロンギヌス

第48章  聖ベネディクトゥス

第49章  聖パトリキウス

第50章  主のお告げ(マリアお告げ)

第51章  主のご受難

期節の区分

第52章  主のご復活

第53章  聖セクンドゥス

第54章  エジプトの聖女マリア

第55章  聖アンブロシウス

第56章  聖ゲオルギウス

第57章  福音史家聖マルコ

第58章  教皇聖マルケリヌス

第59章  聖ウィタリス

第60章  アンティオケイアの乙女

第61章  殉教者聖ペトルス

第62章  使徒聖ピリポ

第63章  使徒聖小ヤコブ

第64章  聖十字架の発見

第65章  ラティナ門外の聖ヨハネ

第66章  大祈願祭と小祈願祭

第67章  主のご昇天

第68章  聖霊降臨


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