黄砂
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音楽アルバムについては「オユンナII黄砂」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。黄砂 自動車に積もった黄砂(北京 - n:zh:沙?天气今年第八次??北京)黄砂解説図地球規模で移動する黄砂(2001年4月7日 - 18日、NASA)。人工衛星のオゾン全量分光計(英語版)を利用して観測された。中国とモンゴル国辺境付近の黄砂(赤・黄・黄緑色の部分)は数日かけて北アメリカまで到達している[1]

黄砂(こうさ、おうさ[注釈 1]、黄沙とも)とは、特に中国北部とモンゴル国(ゴビ砂漠・タクラマカン砂漠・黄土高原)を中心とした東アジア内陸部の砂漠または乾燥地域砂塵強風を伴う砂塵嵐(砂嵐[注釈 2])などによって上空に巻き上げられ、を中心に東アジアなどの広範囲に飛散し、地上に降り注ぐ気象現象。あるいは、この現象で飛散した自体のことである[2]
概要

気象現象としての黄砂は、砂塵の元になる土壌の状態、砂塵を運ぶ気流など、大地大気の条件が整うと発生すると考えられている。発生の頻度には季節性があり、春はそういった条件が整いやすいことから頻繁に発生し、比較的遠くまで運ばれる傾向にある。ただ、春に発生する頻度が極端に多いだけであり、それ以外の季節でも発生している[3][4][5]

黄砂は国境をまたぐ範囲で被害を発生させ、しかもその程度や時期に地域差がある。発生地に近づくほど被害は大きくなり、田畑や人家が砂に覆われたり、周囲の見通し(視程)や日照を悪化させたり、交通に障害を与えたり、人間家畜などが砂塵を吸い込んで健康に悪影響を与えたりするなど、多数の被害が発生する。海を隔てた日本でも、黄砂の季節になると建物や野外の洗濯物・車などが汚れるといった被害が報告されている。東アジア全体での経済的損失は、日本円に換算して毎年7,000億円を超えるとされる[2][4][6][7]

発生地に近いほど砂塵の濃度は濃く、大きな粒が多く、飛来する頻度も高い傾向にある。モンゴル、中国、韓国などでは住民の生活経済活動に多大な支障が出る場合があり、黄砂への対策や黄砂の防止が社会的に重要となっている。近年は東アジア各国で、黄砂による被害が顕著になってきているとされており、一部の観測データもこれを裏付けている[8][9][10][11][12]。これに加えて、環境問題への関心が高まっていることなどもあり、黄砂に対する社会的な関心も高まっている[13][14]

一方、黄砂が自然環境の中で重要な役割を果たしていることも指摘されている。飛来する黄砂は、洪水による氾濫堆積物や火砕物と並ぶ堆積物の一種であり、土地を肥やす効果がある。また、黄砂には生物の生育に必要なミネラル分も含まれており、陸域だけではなく域でもプランクトンの生育などに寄与している[15][16][17][3][18]

また、芸術の分野では、黄砂のもたらす独特の景観などが文化表現にも取り入れられており、黄砂のもたらす情景を詠った古代中国の漢詩が伝えられるなどその歴史は古い。黄砂が生活に深刻な被害を与えている地域もある一方で、影響が軽微であり珍しい自然現象・季節の風物詩などとされている地域もある。

「黄砂」という語でひとくくりにされているが、この語を気象学的に定義すると複数の現象が含まれている。発生地付近では黄砂の元となる「砂塵嵐」(砂嵐)、大気中を浮遊する黄砂は「エアロゾル粒子」であり、風の有無にかかわらず黄砂が空中に大量に浮遊・降下している状態は「風塵」や「煙霧」「ちり煙霧」である。また、視程障害現象にも分類される。東アジア各国では、気象機関がそれぞれ「黄砂」の定義や強弱の基準を定めているが、いずれも少しずつ異なっている(後節参照)。
説明発生地の衛星画像。中央よりやや上によったところにある、薄橙色や薄茶色の部分がおもな発生地。左側からタクラマカン砂漠ゴビ砂漠黄土高原の順に並ぶ。(NASA World WindX.Y. Zhang, et al.(2003)による黄砂発生源の分布地図[19]。タクラマカン、ゴビ、黄土高原が大きな割合を占めるが、周辺の砂漠からの発生もある。
発生する場所黄砂のもととなる、タクラマカン砂漠の砂塵嵐を捉えた衛星画像(PD NASA)時間とともに東に移動する黄砂(紫・黄・黄緑色の部分)。2007年3月30日31日に撮影(PD NASA)

代表的な発生地としては、西から

タクラマカン砂漠(中国西部 新疆

ゴビ砂漠(中国北部 内モンゴル甘粛寧夏陝西 - モンゴル南部)

黄土高原(中国北部 内モンゴル・甘粛・陝西・山西

の3か所が挙げられる。面積は、これら3大発生地だけでも日本の国土面積の5倍(190万km2)以上と広い[20]。これ以外にも、以下のリストのように、黄砂の発生が考えられている乾燥地帯がある。

サルイイシコトラウ砂漠カザフスタン東部)[21]

グルバンテュンギュト(古爾班通古特)砂漠(新疆ウイグル自治区)

クムタグ(庫姆塔格)砂漠(新疆ウイグル自治区 - 甘粛省)…タクラマカン砂漠に隣接し、拡大により1つの砂漠に繋がりつつある[22]

オルドス(鄂爾多斯)砂漠(中国内モンゴル自治区[21]

ムウス(毛烏素)砂漠とクブチ(?布其)砂漠を含む。


バダインジャラン(巴丹吉林)砂漠(同上)[21]

トングリ(騰格里)砂漠(同上 - 甘粛省)[23]

ウランプハ(烏蘭布和)砂漠(同上)[24]

ソニド(蘇尼特)盆地(同上)[21]

ホルチン(科爾沁)砂漠(同上)(参考:中国語版ウィキペディアの記事)[25]


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