この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。
出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2012年7月)
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}
都道府県の職員である「麻薬取締員」とは異なります。
麻薬取締官(まやくとりしまりかん)は、麻薬取締や薬物の不正ルートの解明などの薬物犯罪の捜査や正規麻薬(医療用などの目的で許可を受けて合法的に使用される麻薬)の不正使用・横流し・盗難等の監視・捜査を行う厚生労働省の職員である。俗に麻薬Gメン、マトリと呼ばれる[1]。具体的には、厚生労働省の地方支分部局である地方厚生局(地方厚生支局を含む)に設置されている麻薬取締部(沖縄麻薬取締支所を含む)に配属されている[1]。 麻薬取締官は、麻薬及び向精神薬取締法(以下、麻向法)により、特別司法警察職員としての権限が与えられている。ただし俸給は、公安職でなく、行政職のものが支給され、職務に対する特別手当が付されている。麻薬取締という危険な職務であるため、司法警察員[注釈 1]としての職務を遂行する場合に限り、「小型武器での武装」(拳銃・特殊警棒等の携帯)が認められている他、警察官と同様の逮捕術の訓練も受けている[2]。麻薬取締官の逮捕術は、少林寺拳法を基にしている[3]。 また、麻向法第58条とあへん法第45条の規定に基づき、麻薬取締官および麻薬取締員は厚生労働大臣の許可を得て犯罪捜査において違法に流通している麻薬やアヘンを譲り受けることができると明記されている(おとり捜査が可能)。国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律に基づき違法薬物の流れを把握するための泳がせ捜査によって首謀者や密売組織の実態を解明し、薬物の密売収益の没収等による摘発、検挙および壊滅に繋げている。これは、密売流通ルートを遡るために必要不可欠な突き上げ捜査であり、そのために麻薬取締官は私服の着用や長髪が認められている。 その職務の性質上、麻薬取締員および都道府県警察と密接な協力関係にあり、麻向法第56条でも協力関係が定められている。 麻薬取締官は、海外各国の捜査機関や各都道府県の麻薬取締員、警察、海上保安庁、税関、出入国在留管理庁などと連携して捜査に当っている。定員は、次に記述する増員を経て2016年現在で296人(麻向法施行令第9条)である。 2015年1月19日、厚生労働省は、麻薬取締官を29人増員すると発表した[4][5]。
概要