麻痺
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麻痺
概要
診療科神経学
分類および外部参照情報
ICD-10G72.3
MeSHD010243
[ウィキデータで編集]

麻痺(まひ、痲?とも)とは、一般的には、四肢などが完全に機能を喪失していることや、感覚が鈍って、もしくは完全に失われた状態を指す。比喩的に使われることも多く、「金銭感覚が麻痺する」「交通麻痺(=極度の交通渋滞や災害等により、道路機能が失われること)」などの用例がある。

医学用語としての麻痺は、中枢神経あるいは末梢神経の障害により、身体機能の一部が損なわれる状態をさす。例えば運動しようとしても、四肢などに十分な力の入らない・四肢の感覚が鈍く感じる状態(不全麻痺)、またはまったく動かすことができない・感覚がまったく感じられない状態(完全麻痺)を指し、一般用語の不随に近い意味を持つ。麻痺には、運動神経が障害される運動麻痺と、感覚神経が障害される感覚麻痺(知覚麻痺)がある。また中枢が障害される中枢性麻痺と末梢神経が障害される末梢性麻痺に分類される。狭義の意味の麻痺は両下肢のみの運動麻痺を引き起こす対麻痺に対し、四肢麻痺と呼ばれる。
運動麻痺

診断学においては麻痺(paralysis)とは運動障害であり、感覚障害を示す言葉ではないと考えられている。しかし、書物により定義が一定しておらず、混乱を避けるため、運動麻痺あるいは運動障害といった言葉を用いることが多い。ここでは診断学におけるparalysis、すなわち運動麻痺に関して述べる。なお、運動機能には随意運動不随意運動、協調運動が知られているが運動麻痺といった場合は随意運動の機能障害と考えられている。

運動麻痺には程度と分布による分類が知られている。完全麻痺(paralysis)は骨格筋の随意運動が完全に喪失した状態を示す。不全麻痺(paresis)は運動麻痺分布が部分的であったり、運動麻痺の程度が不完全な状態を示す。分布では単麻痺(monoplegia)は四肢のうち一肢のみの運動麻痺である。片麻痺(hemiplegia)は身体の一側に限局する運動麻痺であり、運動麻痺の頻度としては最も多い。神経診断学として重要な片麻痺に、交代性片麻痺と交叉性片麻痺がある。交代性片麻痺(alternating hemiplegia)とは対側の脳神経麻痺を伴う片側の上下肢麻痺である。これは脳幹病変の存在を示唆する。大脳、内包、視床などが障害された場合は脳神経の麻痺側と四肢の麻痺側が同側となるため、重要な所見である。交叉性片麻痺(crossed hemiplegia)は一側の上肢麻痺と対側の下肢麻痺のことでありこれは延髄下部の錐体交叉部病変の所見と考えられている。頻度としては非常に少ない。対麻痺(paraplegia)は両下肢の運動麻痺であり、脊髄大脳中心前回正中の占拠性病変などで起こる。四肢麻痺(quadriplegiaまたはtetraplegia)は両側上下肢の運動麻痺である。また両麻痺(diplegia)という言葉もあり、四肢麻痺のうち下肢の麻痺が強いものとされているがあまり使わない。
運動麻痺が起きるメカニズム

運動麻痺を随意運動障害と考えると、随意運動の経路である皮質脊髄路、すなわち錐体路を理解するとメカニズムの説明ができる。大脳中心前回一次運動野)に存在する神経細胞が興奮することで随意運動ははじまると考えられている。1次ニューロンの軸索は放線冠、内包後脚、中脳の大脳脚を通過する。延髄下部に存在する錐体交叉にて左右の線維が交叉し、脊髄にて2次ニューロンにシナプスチャンジし、前角細胞を興奮させる。1次ニューロンを上位運動ニューロンといい、2次ニューロンを下位運動ニューロン(α線維)という。下位運動ニューロンは末梢神経として感覚線維と併走し神経筋接合部に至り、筋線維を興奮させる。この経路のどこかが障害されれば運動麻痺は起こりえる。神経診断学では問診と身体所見によって障害部位を決定できると考えている。感覚障害などの随伴症状や身体所見にて障害部位を絞り込み、画像検査にて確認を行う。障害部位の予測なしに画像検査を行うと非特異的な変化との区別が困難な疾患が多い。神経筋接合部に作用して、神経から筋繊維への神経伝達を阻害するのが筋弛緩薬であり、その結果得られる作用は筋弛緩と呼ばれるが、英語ではparalysis(日本語では単なる麻痺を意味する)と記載されることが少なくない[1]

上位運動ニューロン下位運動ニューロン神経筋接合部筋肉
筋萎縮認めない遠位筋優位認めない近位筋優位
筋トーヌス亢進(痙性麻痺)低下(弛緩性麻痺)正常から低下正常から低下
深部腱反射亢進低下から消失低下から消失低下
病的反射認める認めない認めない認めない
筋線維束性収縮認めない認める認めない認める
針筋電図正常神経伝導速度正常筋原性
神経伝導速度正常低下正常正常
反復刺激誘発筋電図正常正常異常正常
テンシロンテスト陰性陰性陽性陰性

通常は障害部位は1か所と考え、診断を進めていく。上位ニューロン障害では脳血管障害、下位運動ニューロン障害では頸椎症の頻度が高い。上位運動ニューロン障害では脳神経外科、神経内科、下位運動ニューロン障害、筋疾患では整形外科、神経内科と専門とする診療科も異なる。なお、上位運動ニューロン障害、下位運動ニューロン障害の混在する疾患として筋萎縮性側索硬化症などがあげられる。神経診断学をすべて行うと非常に専門的となるため、救急室では病歴から脳血管障害が疑われた場合は痙性運動麻痺、腱反射の亢進、表在反射の消失、病的反射(バビンスキー反射、チャドック反射)の出現、膝クローヌス(間代)、足クローヌスといった錐体路徴候のみ診察し、頭部CTにて出血評価、出血がみられなければ頭部MRI(とくに拡散強調画像)といった手順で行う。というのは脳出血ならば緊急手術の適応の評価、脳梗塞ならば血栓溶解療法の適応など緊急を要する選択をしなければならないからである。

脳神経も運動線維を含み、麻痺は起こり得る。脳神経は分類学上は末梢神経であり視神経嗅神経以外は、支持細胞はシュワン細胞である。顔面神経麻痺がマネジメントとして非常に重要である。脳血管障害によるもの以外では顔面神経麻痺の原因としてはベル麻痺が多い。ベル麻痺は29%に後遺症が残り、致死的ではないものの機能予後はよいとは言えない。口角が下がり、水を飲むとこぼしてしまい、寝る時も眼瞼を閉じることができないなど非常に機能予後が悪い。ストレスが発生に関与しており、春先に非常に多い。原因としてはヘルペスウイルスの関与が考えられており、抗ウイルス薬ステロイドの使用によって後遺症を残すリスクを軽減できることが知られている、そのため救急室でもこれらの薬の処方ができることが望ましく、不慣れならば翌日の耳鼻科受診を促すような配慮が望ましいと考えられている。
運動麻痺の臨床解剖学
運動麻痺と大脳皮質運動の小人と感覚の小人。

骨格筋の随意運動を発動する運動細胞が分布する大脳運動皮質(運動野)はブロードマン4野と呼ばれ、中心前回のほぼ後半と中心傍小葉の前半を占めている。各身体部位に対応する体性機能局在(somatotopy)がある。運動野を代表するベッツ細胞(巨大錐体細胞)はこの4野の第5層にある。運動皮質の体性機能局在は1901年にDeijerineの臨床病理所見に基づき記述された。1952年にPenfieldらは脳手術中に局所麻酔下で大脳皮質の体性運動野(中心前回、ブロードマン4野)を電気刺激し、反対側の身体に生じる運動・痙攣の局在を詳細に検討し体性機能局在を小人間像(homunculus、ホムンクルス)として作成した。大脳運動皮質(中心前回)では大脳裂(シルビウス裂)に接する弁蓋部から円錐部を経て頂上に達し、さらに内側矢状面(中心傍小葉)に至るまで、口部、顔面、上肢、体幹、下肢の順に体性機能局在が存在し、身体の逆立ち状に配列されている。

下肢はRolando野皮質の上方にあり、円蓋部の中心前回と最上部から大脳半球内側面(矢状面)の中心傍小葉にかけて位置している。

下肢に続く体幹部は相対的に狭い。

下肢・体幹に比べて手、特に母指が大きく円蓋部中央を占めている。

母指に続いて示指、中指、薬指、小指そして手の順で上方に並んでいる。各々の指の体性機能局在は独立しているようであるが、互いに重なりあい存在しているという説もある。


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