麻布中学校・高等学校(あざぶちゅうがっこう・こうとうがっこう、英: Azabu Junior and Senior High School)は、東京都港区元麻布二丁目に所在し、高等学校においては生徒を募集しない中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校。 東洋英和学校普通科学校長江原素六が、同東洋英和から尋常中学校として分離独立させて創立したのが麻布の始まりで、同校創立以来、江原に形影相伴う存在だった清水由松がこの時に参集した。1900年(明治33年)9月、現在の元麻布の地に移転した[1]。 学校存続のため、当時の明治政府の制度に倣い尋常中学校として分離独立して創られた経緯から、当初から男子に中等普通教育を施し、旧制一高など旧制高等学校への進学に力を入れる中等教育校を標榜していた[2]。 創立者の江原、2代目学校長として麻布の基盤を築いた清水共々キリスト教徒だった。彼らは生徒に対して寛大な姿勢を貫いた人物として語られており、学校運営も当時の国の制度に頼らず、自由な校風を旨とした。 その後現在に至るまで自由な校風として知られ、政財界から芸能の世界に至るまで幅広く人材・異才を送り出してきた[3]。 また、灘中学校?高等学校と生徒交換を行なっている。 校風は自由闊達。校則はなく、自主・自立の校風の下、入学試験を除く学園生活の大部分で生徒が「自分で考えさせる」ことが重視されている[4]。そのため、服装だけでなく頭髪や装飾品に関しても全て生徒自身に裁量が委ねられている。クラブ活動の運営なども生徒の手で自主的に行われている。麻布では、生徒による問題行動が起こった場合は、担任をはじめとする教員間で話し合いをし、家庭にも連絡を取りながら、本人の反省が自他ともに認められれば、通常の授業への参加を認める、という方法をとっている[5]。校則がないこともあり、問題行動だからといって停学・退学処分にすることはない。1960年代までは制服着用や成績による序列化など、管理がそれなりに厳格だったが[6]、1970年代の学園紛争を通して校則や制服は撤廃された。 かつての制服であった標準服が用意されており、希望する生徒は購入できる。詰め襟・黒ボタンで、現在はほぼ全員が私服である。1990年代初めくらいまでは8割くらいの生徒が標準服を着ていたという[7]。
概要
校風・特徴