鹿鳴館_(戯曲)
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鹿鳴館
鹿鳴館の模型(江戸東京博物館
訳題The Rokumeikan
作者三島由紀夫
日本
言語日本語
ジャンル戯曲
幕数4幕
初出情報
初出『文學界1956年12月号
刊本情報
出版元東京創元社
出版年月日1957年3月5日
装幀駒井哲郎
総ページ数193
初演情報
公演名文学座創立20周年記念公演
場所第一生命ホール
初演公開日1956年11月27日
劇団文学座
演出松浦竹夫
主演中村伸郎杉村春子
ポータル 文学 ポータル 舞台芸術
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『鹿鳴館』(ろくめいかん)は、三島由紀夫戯曲。全4幕から成る。三島の代表作の一つで、繰り返し上演され続けている人気の高い演目である[1]。明治19年の天長節鹿鳴館で催された大夜会を舞台に、政治、陰謀と愛憎の渦の中で翻弄される男女・親子の悲劇をドラマチックに描いた物語。修辞に富んだ詩的で高揚感のある台詞まわしと緻密な構成で、華やかな様式美の大芝居が楽しめる作品である[1][2]。三島は自作について、〈この芝居はいはば、私のはじめて書いた「俳優芸術のための作品」である〉と記している[3]

1956年(昭和31年)、文芸雑誌『文學界』12月号に掲載され、初演はその号の発売直後の11月27日、文学座創立20周年記念公演として第一生命ホールで上演された[4][5]。単行本は翌年1957年(昭和32年)3月5日に、東京創元社より刊行され、文庫版は新潮文庫で刊行された[6]。翻訳版は佐藤紘彰訳(英題:The Rokumeikan)、フランスのGeorges Neyrand訳(仏題:Le Palais des fetes)で行われている[7]
作品成立・概要

『鹿鳴館』の舞台は、明治時代の落成間もない鹿鳴館で、登場人物は華族(維新の功臣で勲功華族ともいう)たちである。舞台当日の大夜会は、ピエール・ロティの『江戸の舞踏会』と、芥川龍之介の『舞踏会』に描かれた舞踏会が下敷きとなっている[3]。三島はその意味について、鹿鳴館で踊る日本人の滑稽な様を描いた当時の風刺画そのままの再現ではなく、われわれのイメージの中の〈現実よりはずつと美しい〉舞踏会[3]、〈ノスタルジヤに彩られて、日本近代史上まれに見る花やかなロマンチックな時代〉を描くことであるとし[8]、以下のように解説している。もちろん時代の隔たりがすべてを美化したことが原因だが、それだけではない。こんな風に、或る現実の時代を変改し、そのイメージを現実とちがつたものに作り変へて、それを固定してしまふ作業こそ、作家の仕事であつて、それをわれわれは、ピエール・ロチ(日本の秋)と芥川龍之介(舞踏会)に負うてゐる。そこに更にこの『鹿鳴館』一篇を加へることを、作者の法外な思ひ上りと蔑せらるるや否や。 ? 三島由紀夫「美しき鹿鳴館時代――再演『鹿鳴館』について」[8]

また、三島が自身の演出で上演したいと考えていたヴィクトル・ユーゴーの『ルクレツィア・ボルジア(フランス語版)』(リュクレース・ボルジア)の人物設定なども、藍本になっているのではないかという村松剛や今村忠純の指摘もある[9][10][11][注 1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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