鶏卵
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「ケイラン」はこの項目へ転送されています。恵蘭については「東洋ラン」をご覧ください。

鶏卵(全卵、生)[1]鶏卵
100 gあたりの栄養価
エネルギー632 kJ (151 kcal)

炭水化物0.3 g

脂肪10.3 g

タンパク質12.3 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(19%) 150 μg(0%)3 μg
チアミン (B1)(5%) 0.06 mg
リボフラビン (B2)(36%) 0.43 mg
ナイアシン (B3)(1%) 0.1 mg
パントテン酸 (B5)(29%) 1.45 mg
ビタミンB6(6%) 0.08 mg
葉酸 (B9)(11%) 43 μg
ビタミンB12(38%) 0.9 μg
ビタミンD(12%) 1.8 μg
ビタミンE(7%) 1.0 mg
ビタミンK(12%) 13 μg

ミネラル
ナトリウム(9%) 140 mg
カリウム(3%) 130 mg
カルシウム(5%) 51 mg
マグネシウム(3%) 11 mg
リン(26%) 180 mg
鉄分(14%) 1.8 mg
亜鉛(14%) 1.3 mg
(4%) 0.08 mg
セレン(46%) 32 μg

他の成分
水分76.1 g
コレステロール420 mg
ビオチン(B7)25.4 μg
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]

冷凍液全卵を含む廃棄部位:付着卵白を含む卵殻(卵殻: 13 %)卵黄:卵白=31:69ビタミンD:ビタミンD活性代謝物を含む(ビタミンD活性代謝物を含まない場合: 0.9 μg


単位

μg = マイクログラム (英語版) • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

鶏卵(100g中)の主な脂肪酸の種類と代表値[3]項目分量 (g)
脂肪9.51
飽和脂肪酸3.126
16:0(パルミチン酸)2.231
18:0(ステアリン酸)0.811
一価不飽和脂肪酸3.658
16:1(パルミトレイン酸)0.198
18:1(オレイン酸)3.388
多価不飽和脂肪酸1.911
18:2(リノール酸)1.531
18:3(α-リノレン酸)0.036
20:4(未同定)0.188
22:6 n-3(ドコサヘキサエン酸 (DHA))0.058

鶏卵(けいらん)は、ニワトリ(鶏)のである。動物の卵は先史時代から人類にとって貴重な食料であり続けている[4]

一般的に食用とする鳥類の卵は国・地域によって異なり、カモガチョウダチョウカモメホロホロチョウキジ科エミューといった様々な鳥類の卵が使われる。日本においては、「卵」といえば鶏卵を指すことが多い。東アジア東南アジアではアヒルの卵も一般的である。ハトの卵もあり、用途に応じて使い分けられている。

殻(卵殻)を割った中身は黄身(卵黄)と白身(卵白)に分かれている。

栄養価の高い食品であり、白身と黄身の双方に動物性タンパク質が含まれる。白身はタンパク質のみだが、黄身には動物性タンパク質と動物性脂肪が含まれ、その中にビタミンCを除く12種類のビタミンと12種類のミネラルを含んでいる。全卵においては必須アミノ酸が散在するが、これは白身よりも卵黄に多く含まれる。動物性タンパク質および動物性脂肪の安価な供給源の一つであり、世界中の国や地域で消費され続けている[5]

卵の脂肪分は黄身に集中的に含まれる。白身は88 %が水分で構成され、脂肪は無い。黄身は「リノール酸」を始めとする必須脂肪酸の供給源である[6]卵の黄身には、ビタミンCを除く、すべてのビタミンが含まれる。脂溶性の(油に溶ける)ビタミンであるA・D・E・Kも全て含む。黄身はコリンの供給源でもあり、これは神経伝達、の発達、においても役割を果たす。卵はビタミンのみならず、各種ミネラルの供給源でもある[6]。脂溶性のビタミンは、油と一緒に摂取することにより、身体に吸収されるのを助ける。

卵には、強力な抗酸化作用 (Antioxidant Effect) がある。炎症(誘発)性サイトカイン (Inflammatory Cytokine) の産生を抑える卵黄由来のタンパク質は、人体に有益な効果をもたらす。研究者らは、卵の黄身を日々の食事に追加することにより、における酸化ストレスを軽減できる可能性がある趣旨を報告した[6]

卵にまつわるイメージや比喩については、「卵#卵に関することわざ・故事成語」を参照。
構造と規格鶏卵の断面図
1. 卵殻
2. 外卵殻膜
3. 内卵殻膜
4. カラザ
5. 外水様卵白
6. 濃厚卵白
7. 卵黄膜
8. パンデル核
9. 胚盤(核)
10. 濃色卵黄(黄色卵黄)
11. 淡色卵黄(黄白色卵黄)
12. 内水様卵白
13. カラザ
14. 気室
15. クチクラ層

鶏卵は卵殻、卵白、卵黄から成り、その重量比率はおよそ1:6:3である[7]。卵殻は主に炭酸カルシウムから成る多孔質の殻で、外部から酸素を取り込み、の呼吸によって生じた二酸化炭素を放出できるようになっている。卵殻の内側には卵殻膜と呼ばれる薄皮がある。

卵白は粘度の高い「濃厚卵白」と、粘度の低い「水様卵白」から成る。

卵黄は状の「カラザ」(卵帯)によって卵の中心に固定されている。「カラザ」は日本語で「殻座」あるいは「殻鎖」と書かれることもあるが、実際にはギリシア語由来の「chalaza」(χ?λαζα : の意)の音写であり、漢字での表記は当て字。その成分は通常の卵白とほぼ同じであり、消化速度に留意するほどの違いはない。その内部には通常の卵白にはないシアル酸が豊富に含まれている。卵黄の中心付近には、直径5 mm程度の「ラテブラ」(latebra) と呼ばれる組織がある。「ラテブラ」はゆで卵にしても完全には固まりきらないという性質がある。なお、卵黄は肉眼では液状のように見えるが、顕微鏡等で拡大すると「卵黄球」という粒状の物体が集まったもので出来ていることが分かる。加熱した卵特有のわずかに粒立ったような舌触りやぽろぽろと崩れる様子は、この卵黄球によるものである(卵黄球自体は卵生生物に共通の性質である)。卵黄球の数は、卵のサイズの大小に関わらず、およそ180万とされている。
構造の詳細
卵殻部


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:132 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef