鳴門の渦潮
[Wikipedia|▼Menu]
鳴門の渦潮

鳴門の渦潮(なるとのうずしお)は、徳島県鳴門市兵庫県南あわじ市の間の鳴門海峡で発生する渦潮である。大潮の際にはの直径は最大で30メートルに達するといわれることもあり[1]、渦の大きさは世界最大級といわれる[2]
発生のメカニズム淡路島から見た鳴門海峡。右から流れている。

鳴門海峡は、本州四国の間にある瀬戸内海太平洋とを結ぶ海峡の一つで、幅が約1.3キロメートル潮汐により1日に2回、大量の海水が瀬戸内海に流れ込み、また同様に1日に2回瀬戸内海から流れ出す。したがって、この干潮、満潮により6時間毎に起こる。瀬戸内海と太平洋の水位差は最高で1.5メートルにも及ぶ。海峡の幅が狭いことに加え、海底の複雑な地形も影響し、潮流は13キロメートル毎時から15キロメートル毎時の速度で流れる。大潮の時には20キロメートル毎時に達することもある[3]。この潮流の速度は日本で一番速く、イタリアのメッシーナ海峡やカナダのセイモア海峡(英語版)と並んで「世界三大潮流」にも数えられることもある[4]

この速い潮流と、海峡両岸に近い穏やかな流れの境目において、渦が発生する[5]。複数の渦が発生し、左巻き・右巻きともに生じ、合わさったり分かれたりする。春・秋の大潮の際が大きいとされ、渦の直径は大潮の際は大きいもので10メートルから20メートルほどに達する。また、渦自体の深さは20メートル以上に達するとみられる。
渦潮の鑑賞

遊覧船や両岸から見ることができる。また海峡にかかる大鳴門橋の道路下鳴門側に渦潮観光施設「渦の道」(海面からの高さ45メートル[6])があり、ガラス床から渦潮を見ることができる。橋の上にある神戸淡路鳴門自動車道の路肩は駐停車禁止で、道路も最低時速50キロメートル毎時以上で走行しなければならない[7]
世界遺産を目指して

淡路島内3市等による「『鳴門のうず潮』世界自然遺産登録推進協議会」の発足(2012年10月)や南あわじ市と鳴門市による「『鳴門海峡の渦潮世界遺産化』推進交流会」の発足(2013年9月)など、世界遺産登録を目指した取り組みが進められている[8]

単独での登録方針とは別に、ノルウェースコットランドイギリス)における同様の海流現象(渦潮#有名な渦潮参照)との共同申請の可能性を探ることになった[9]
ギャラリー

複数の渦潮

鳴門の渦潮を描いた歌川広重浮世絵六十余州名所図会「阿波 鳴門の風波」』

脚注[脚注の使い方]
出典^ “南あわじ市の概要”. 南あわじ市秘書課 (2015年4月6日). 2016年11月4日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2016年11月3日閲覧。
^渦の道ウェブサイト「渦潮の魅力」2012年1月23日閲覧
^ “渦潮の紹介 。鳴門海峡の渦潮を世界遺産へ”. 兵庫・徳島「鳴門の渦潮」世界遺産登録推進協議会. 2023年6月12日閲覧。
^ 秋山紀浩 (2017年11月22日). “世界最大級「鳴門の渦潮」に科学のメス 世界遺産に向けた本格調査でメカニズム解明なるか”. 産経ニュース. 株式会社産経デジタル. 2020年4月10日閲覧。
^うずしお観光船 知ろう! 渦潮のこと 鳴門の渦潮はこうしてできる
^ 渦の道展望室ウェブサイト
^ 実際、開通当初には橋上から見ようとするドライバーが後を絶たなかった。そのため、橋上の路側帯には「停駐車禁止 路側走行禁止」(原文ママ)の文字が全線にわたって書かれており、またスピーカーも設置されている。
^神戸新聞|「鳴門の渦潮」世界遺産に 兵庫、徳島県が推進2014年10月25日閲覧
^ 神戸新聞 |「鳴門の渦潮」世界遺産に ノルウェー、スコットランドと連携を 万博で国際シンポも 推進協総会2024年3月23日閲覧

関連項目

鳴門公園

渦の道 - 大鳴門橋橋桁を利用した徳島県立の観光施設。渦潮を真上から見ることができる。

鳴門巻き - 鳴門の渦潮が名の由来といわれる。

観潮

うずしおくん - 鳴門市のマスコット。

うずしお (列車) - 四国旅客鉄道(JR四国)および西日本旅客鉄道(JR西日本)が岡山駅高松駅 - 徳島駅間で運行する特急列車


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:16 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef