鳳凰山
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この項目では、山梨県にある鳳凰三山について説明しています。その他の鳳凰山については「鳳凰山 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

鳳凰山
大樺沢上部から望む鳳凰山
標高2,841[1] m
所在地 日本
山梨県南アルプス市韮崎市北杜市
位置.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯35度42分06秒 東経138度18分17秒 / 北緯35.70167度 東経138.30472度 / 35.70167; 138.30472座標: 北緯35度42分06秒 東経138度18分17秒 / 北緯35.70167度 東経138.30472度 / 35.70167; 138.30472[1]
山系赤石山脈
種類隆起褶曲花崗岩
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北緯35度42分06秒 東経138度18分17秒 / 北緯35.70167度 東経138.30472度 / 35.70167; 138.30472 (鳳凰山)

鳳凰山(甲府) - 地理院地図

鳳凰山 - Google マップ

OpenStreetMap
プロジェクト 山
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鳳凰山(ほうおうざん)は山梨県の南アルプス北東部にある3つの山の総称である。後述の通り、鳳凰山とはどの山を指すのか歴史的には諸説あったため、地蔵ヶ岳・観音ヶ岳・薬師ヶ岳の3山の総称として特に鳳凰三山とも呼ばれる。南アルプス国立公園内にあり、日本百名山[2]新日本百名山[3]新・花の百名山[4]および山梨百名山[5]に選定されている。
概要

鳳凰三山を構成する山は、地蔵ヶ岳、観音ヶ岳、薬師ヶ岳である。地蔵ヶ岳の西に赤抜沢ノ頭、薬師ヶ岳の南に砂払岳の小ピークがある。(国土地理院地図では単に「砂払」と表記)

地蔵ヶ岳と赤抜沢ノ頭との鞍部は「賽ノ河原」と呼ばれ多くの石地蔵が安置されている[6]

山容山名標高
m三角点
等級備考
地蔵ヶ岳
じぞうがだけ2,764オベリスクがある。
観音ヶ岳
かんのんがだけ2,841(停止)[7]鳳凰山の最高点
薬師ヶ岳
やくしがだけ2,780南北2ピークの双耳峰

で標高は北峰のもの

鳳凰山は南アルプスの主脈からは離れており、山がある支脈は甲斐駒ヶ岳から始まり、アサヨ峰、高嶺、鳳凰山へと続いている。鳳凰山の山頂部は3山とも森林限界上のため眺めがよく、天気が良ければ、北岳仙丈ヶ岳甲斐駒ヶ岳八ヶ岳富士山などが眺められる。鳳凰山の東に視界を遮る山はなく甲府盆地が広がっているため、非常に開放感の高い山である。茶色っぽい山が多い南アルプスの中で、甲斐駒ヶ岳とともに例外的に花崗岩の白い山肌となっている。
山名の由来

江戸時代の甲斐国に関する地誌類において、鳳凰山に言及されたものには宝永3年(1706年)の荻生徂徠(おぎゅう そらい)『峡中紀行』、宝暦2年(1752年)の野田成方『裏見寒話』、天明3年(1783年)の萩原元克甲斐名勝志』、文化11年(1814年)の『甲斐国志』などがある。これらの地誌類では「鳳凰山」の指す山域は時代により認識が異なっており、地蔵ヶ岳のみを指す一山説、観音ヶ岳、薬師ヶ岳の二峰を指す二山説、三山すべてを指す三山説があり、山名論争が展開されてきた。

『甲斐国志』では「絶頂に高さ数丈の巌あり遠く望めば人物の状の如し。州人多くは誤り認めてこれを地蔵ヶ嶽なりと云うは非(あやまり)なり。(中略)これより東南の方に対峙するを地蔵ヶ嶽と云う。」とあり、当時の「地蔵ヶ嶽」が現在の地蔵ヶ岳ではないとも考えられる。その場合、当時の「地蔵ヶ嶽」は現在の赤抜沢ノ頭だと考えられる。

鳳凰山の山麓地域では昔は一山説が一般的であったが、後に山岳信仰の広まりに伴い三山説が浸透する。『裏見寒話』の著者である甲府勤番士の野田成方は二峰を区別しがたい甲府に居住しており、近世期の各種甲斐国絵図類では二山説・三山説をとっている。しかしながら、いずれにしても現在となっては鳳凰山とは鳳凰三山と同義である。

地蔵ヶ岳の山頂部はオベリスク(地蔵仏)と呼ばれる巨大な尖塔があり、鳥のくちばしに見立てられることから鳳凰の山名由来になっていると考えられている。オベリスクはこの山域の象徴的存在で甲府盆地からも注意して観察するとその姿を見ることができる。地蔵ヶ岳山頂の2個の巨石が相抱くように突き上がっていることから、古人がこれを大日如来に擬して崇拝し法王山の名が付いたことが山名の由来であるとする説もある[2]

ただし上記『甲斐国志』の記述からすると現在の地蔵ヶ岳は「鳳凰山」ではなかったこととなり、これらの説も確定的ではない。

757年天平宝字元年)に、女帝孝謙天皇(奈良法王)が転地療養のために奈良田に来て法王山に登り、その山名が転化して鳳凰山になったとする説もある[6]

なお、平成17年、それまで「薬師岳」「観音岳」という山名だったものが「関係自治体の申請により(国土地理院)」それぞれ「薬師ヶ岳」「観音ヶ岳」に変更された。
歴史

764年(天平宝8年) - 孝謙天皇が奈良田温泉に滞在した際に鳳凰山へ登頂したと伝えられており[2]、古くから信仰登山の対象であった[8]

江戸時代 - 山域北部では戦国期稼働の金鉱跡が見られ、山論が展開された。

1902年明治35年) - 陸地測量部が、観音岳の山頂に二等三角点を設置した[9]

1904年(明治37年) - 辻本満丸がホウオウシャジンを発見した[9]

1904年(明治37年)7月15日 - ウォルター・ウェストンが地蔵岳のオベリスクの岩峰に初登頂[10][11]

1932年昭和7年)秋 - 深田久弥ら3名が青木鉱泉からドンドコ沢のルートで登頂[2]

1964年(昭和39年)6月1日 - 山域は南アルプス国立公園に指定され、山の上部はその特別保護地区、山腹は特別地域となっている[12]

1990年平成2年)9月15日 - 田中澄江が登頂。その後『新・花の百名山』の著書で、タカネビランジとホウオウシャジンなどの高山植物と鳳凰山を紹介した[4]

登山
登山道

ドンドコ沢ルート
青木鉱泉からドンドコ沢沿いのルートである。後述の夜叉神ルートよりは短時間で登れるため、人気が高い。五色の滝、白糸の滝、鳳凰の滝、南精進ヶ滝の名瀑がある。

中道ルート
青木鉱泉から薬師ヶ岳へ登るルートである。薬師ヶ岳から比較的短時間で下山ができるため、ドンドコ沢ルートで登って、このルートで下る周回ルートは大変人気がある。登りよりも下山利用が多い。

御座石鉱泉からのルート
御座石鉱泉からの燕頭(つばくろ)山と鳳凰小屋を経て、地蔵ヶ岳に至る尾根道がある。


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