鳩山由紀夫内閣の歴史(はとやまゆきおないかくのれきし)では、2009年9月に発足し、2010年6月に総辞職した鳩山由紀夫内閣についての歴史や支持率の推移などを扱う。
内閣の動き
2009年
内閣成立前「第45回衆議院議員総選挙」も参照
7月1日
麻生内閣により平成22年度概算要求基準が閣議了解される[1]が、民主党の直嶋正行政策調査会長は、平成22年度概算要求基準を政権交代後に白紙化し、民主党のマニフェストに基づいた予算編成をすることを民主党の公式見解として発表。
7月23日
民主党の政策である配偶者控除と扶養控除の廃止について、自民党の細田博之幹事長が「年間14万2000円の増税」とテレビ番組で指摘したことについて、平野博文民主党役員室長(のちに官房長官)は、「民主党が主張している配偶者控除と扶養控除の廃止は所得税のみであり、住民税は含んでいない」と反論し、誤解と偏見に満ちた批判を繰り返して国民に誤解を与えたことは極めて不当であると自民党を非難する抗議文を民主党のホームページに掲載した。
8月8日
9月1日に発足する消費者庁の発足や人事について、民主党は「衆院選を前に与党だけの手柄にするのか」と反発し、仙谷由人が「民主党が政権を取ったら一から体制を点検しないといけない」と先延ばしを要求した。政府は、「関連法案の審議に民主党がもっと早く応じていれば、とっくに発足していたものだ」と拒否[2]。
8月30日
民主党開票センターで当選者の氏名に花をつける鳩山由紀夫と小沢一郎
第45回衆議院議員総選挙。民主党が過半数の議席を獲得する。
鳩山由紀夫民主党代表(のちに首相)が、開票センターで、国家戦略局の前段階として「国家戦略室」を設置する考えを明らかにする。さらに、財源については、「まず行政刷新会議で行政の無駄遣いを一掃させる」、「無駄を省いてそれでも足りない、ということは起きない」、「消費税の増税はしない」、「国債の発行も極力抑えるように当然努力する」と語った[3][4]。
民主党が、麻生内閣の策定した2009年度補正予算を執行停止し、10年度予算の概算要求も見直す方針を発表[5]。
8月31日
選挙結果を伝える日本の新聞
衆院選全480議席が確定。議席数は自民119、民主308、公明21、共産9、社民7、国民新3、みんなの党5、新党日本1、新党大地1、無所属6。
東京地検特捜部が鳩山の献金問題の捜査に動き出す[6]。
民主党が日本郵政グループの株式売却を凍結する「郵政民営化見直し法案」を国会へ提出する方針を固める。この法案は日本郵政の上場・民営化の手続きを停止させ、4つに分社された郵政事業を見直す内容[7]。
鳩山由紀夫民主党代表が、『ニューヨーク・タイムズ』に掲載されたみずからの論文がアメリカ合衆国内で批判されていることについて、「決して反米的な考え方を示したものではないことは論文全体を読んでいただければわかる」と発言[8]。
9月1日
民主党が北朝鮮貨物検査特別措置法案を提出する方針を固める。審議拒否で民主党が廃案にした麻生内閣の法案と同様の内容。党幹部が「なるべく早く法案を成立させる必要がある」と述べる[9]。
亀井静香国民新党代表が鳩山由紀夫民主党代表と会談し、連立協議を進めることで合意[10]。
テレビ朝日の昼番組で、福島瑞穂社民党党首が海上自衛隊によるインド洋での給油活動について、即時撤退にこだわらない考えを明らかにする[10]。
民主党の公約「米軍普天間飛行場の沖縄県外への移設」について、米国のジョン・ケリー国務省報道官は、「普天間飛行場を沖縄県名護市の米軍基地内に移設する日米合意案の再交渉を行うつもりはない」と言明した[11]。
9月2日
社民党が3党連立協議への参加を全国代表者会議で正式決定[10]。
民主党が「予算の組み替え」を宣言するが、具体的な指示が出せずに財務省の予算編成作業が完全に停止[12]。
消費税について、鳩山由紀夫民主党代表は、「マニフェストを実現し、政治に対する不信感が少しずつ払拭されたとき、国民にいろんな意味で負担をお願いすることも将来出てくる可能性があろうかと思っている」と発言[13]。
9月3日
鳩山と田中康夫新党日本代表が会談。田中の政策案に対し、鳩山が、「いいアイデアが浮かんだ。サンダーバード隊のようなものを国連演説に入れたい」と回答[14]。
ニューヨーク・タイムズ紙掲載の論文について 日本の月刊誌とアメリカの通信社とのあいだで見解の相違があったと報じられる。鳩山はこの問題について「一部だけとらえられた」と不快感をしめした[15]。
9月4日
民主党、社民党、国民新党の3党が、インド洋給油活動を行う海上自衛隊を来年1月までに撤退させることや、アフガニスタン本土の人道復興支援の重点実施などの方針について一致[16]。
鳩山と権哲賢駐日韓国大使が会談。「(次期政権は)歴史認識でも過去を直視できる政権になる」と述べる[17]。
9月5日
岡田克也幹事長が外務大臣に、菅直人代表代行が国家戦略担当相と副総理を兼務することがそれぞれ内定。