「マス」のその他の用法については「マス (曖昧さ回避)」をご覧ください。
秋、産卵期のビワマスは婚姻色に染まる
マス(鱒、?[1])は、サケ目サケ科に属し日本語名に「マス」がつく魚、または日本で一般にサケ類(サケ(通称でシロザケ、いわゆる鮭)、ベニザケ、キングサーモンなど)と呼ばれる魚以外のサケ科の魚をまとめた総称。マス、トラウト共にサケ類の陸封型の魚、及び降海する前の型の魚を指すことが多い。主に、イワナ、ヤマメ、アマゴ、ニジマス、ブラウントラウトなどがマス類、トラウト類など呼ばれる。
概要塩コショウでグリルした状態のトラウトサーモン
タイヘイヨウサケ属
、タイセイヨウサケ属、イワナ属、コクチマス属、イトウ属などの魚を包括する。一般的に「鱒」がよく使われるが、古い文献では、「?」も使われている。サケとマスの境界が厳密でないため、国により区分方法が異なる。たとえば英語圏でキングサーモンはサケに区分されるが、日本では同じ魚をマスノスケと呼ぶほか、サクラマス、サツキマス、ニジマスをマスとして区分している。英語では、サケがSalmon、マスがTroutに対応している。単にtroutというと淡水産を意味し、海産のものはsalmon troutと呼ばれるが、シートラウト(Sea trout、ブラウントラウトの降海型、Salmo trutta morpha trutta)という例外もある。(⇒ サケ類#サケとマス)
北半球の高緯度地域に自然分布し、最高水温が20℃以下の河川や池沼(淡水)で産卵し稚魚の一部が降海し海洋で生活する生活様式をもつ。南半球では、放流によりオーストラリア、ニュージーランド、チリなどに分布する。ほとんどの種が重要な食用種で、毒性がなく独特のうまみがあるため身や卵を様々に加工調理し利用されている。
サケ目サケ科以外の魚種であるニベ科ナガニベ属には、スポッティドシートラウト(Spotted sea trout)と呼ばれる。
食材
焼き物
塩焼き、ムニエル、ポワレ、バター焼き、ホイル焼き
マスの一覧ニジマスカワマスシナノユキマスアメマス(イワナ)サクラマス(ヤマメ)
タイセイヨウサケ属 Salmo
ブラウントラウト Salmo trutta
タイガートラウト Salmo trutta x Salvelinus fontinalis
タイヘイヨウサケ属 Oncorhynchus
カラフトマス O. gorbuscha
サクラマス(ヤマメ)O. masou masou
サツキマス(アマゴ)O. masou ishikawae
タイワンマス O. masou formosanus
ビワマス O. masou rhodurus
ニジマス(スチールヘッド) O. mykiss
ヒメマス(ベニザケ) O. nerka
クニマス O. nerka kawamurae
マスノスケ O. tshawytscha
シロマス属 Coregonus
モトコクチマス C. albula
エニセイシロマス[2] C.autumnalis
ダウリアシロマス[3] C. chadary
シロマス[4] C. clupeaformis
シナノユキマス C. maraena
オームリ(バイカルシロマス)[5] C. migratorius
アイヅユキマス C. peled
ウスリーシロマス[6] C. ussuriensis
イワナ属 Salvelinus
イワナ S. leucomaenis
オショロコマ S. malma
カワマス(ブルックトラウト)S. fontinalis
レイクトラウト S. namaycush
イトウ属 Hucho
イトウ H. perryi
タイメン(アムールイトウ)H. taimen
コクチマス属 Brachymystax
コクチマス[7] B. lenok
ガイママス[8] B. tumensis
カワヒメマス属 Thymallus
キタカワヒメマス T. arcticus
ウオノハナ(カワヒメマス) T. grubii
ホンカワヒメマス T. thymallus
チョウセンウオノハナ T. yaluensis
サケマス分類の混乱