この項目「鰭 (魚類)」は翻訳されたばかりのものです。不自然あるいは曖昧な表現などが含まれる可能性があり、このままでは読みづらいかもしれません。(原文:en:Fish fin
14:54, 18 May 2020)この項目では、魚類の身体部位について説明しています。脊椎動物一般の広義な説明については「鰭」を、食肉の部位については「ヒレ」をご覧ください。
真骨類 のハダカイワシ科に見られる鰭条の部位名称
(1) 胸鰭(一対), (2) 腹鰭 (一対), (3) 背鰭,
(4) 脂鰭, (5) 臀鰭, (6) 尾鰭
鰭(ひれ 英:fin)とは、一般的に魚類を最も区別しやすい解剖学的特徴の一つである。体から突き出た複数の鰭棘や鰭条で構成され、皮膚がそれらを覆うと共に一体結合しており、大半の硬骨魚綱に見られるものでは水かきがあったり、サメ等に見られるものでは鰭脚のついた形状である。尾鰭を除いて魚類の鰭は背骨と直接つながっておらず、棘でつながり筋肉のみで支えられている。主な機能は魚が泳ぐ際の補助である。
魚の様々な部位にある鰭は、前進、旋回、直立姿勢の維持、停止といった様々な目的で使用される。魚類の大半が各部位の鰭を泳ぐ際に使うが、トビウオが滑空したりカエルアンコウが海底を這うのには胸鰭を活用する。これ以外の目的でも鰭が使用されることがある。雄のサメやカダヤシは精子を送り込むために変容した鰭を使い、オナガザメは獲物を気絶させるのに尾鰭を使い、チョウチンアンコウは背鰭の第1棘を釣り竿のように使って獲物を誘ったりする。 どの種類の鰭に関しても、進化の過程でこの特定の鰭が失われた魚類種が存在する。 胸鰭
種類
(きょうき・むなびれ)一対の胸鰭は左右どちら側にもあり、通常は鰓蓋のすぐ後ろにある。これは四肢動物でいう前肢に相当する。
一部の魚で高度に発達した胸鰭の特異な機能は、サメなどの一部の魚が深度を維持する際の補助となる力強い揚力を生み出したり、トビウオの「飛行」をも可能にしている。
多くの魚で、胸鰭が歩行の補助をしており、特に一部のチョウチンアンコウやトビハゼのローブ状の鰭がそうである。
胸鰭の特定の鰭条は、ホウボウ科やセミホウボウ科などで、扇みたいな突出に適応する場合がある 。
マンタとその近親種の「角」は頭鰭(とうき・あたまびれ)と呼ばれている。実際にはこれは胸鰭の前部が変化したものである。
腹鰭
(ふっき・はらびれ)一対の腹鰭は通常、腹部の下で胸鰭の後ろにあるが、胸鰭の前に配置されている魚類科も多い(例:タラ)。四足動物でいう後肢に相当する。腹鰭は魚が水中を上下に動いたり、鋭く向きを変えたり、急停止する際の補助を行っている。
ハゼでは、腹鰭が単一の吸盤に融合することが多い。これは物体にくっつく目的で使用される[1]。
腹鰭は魚の腹面に沿って様々な位置取りができる。先祖の腹部配置は例えばミノーで見られる。胸部配置はマンボウで、頸部配置は骨盤が胸鰭の前方にある時期のカワメンタイで見られる[2]。
背鰭
(はいき・せびれ)サメの背びれチャブの背鰭背鰭は背中にある。魚は最大3つの背鰭を持っている。背鰭は魚を横揺れから保護し、急旋回や急停止の補助をする。
チョウチンアンコウでは、背鰭の前部が誘引突起(イリシウムやエスカと呼ばれる)に変化しており、これは釣り竿とルアーに等しい生物学的機能を持つ。
背鰭を支える骨は担鰭骨(たんきこつ)と呼ばれる。
臀鰭
(でんき・しりびれ)臀鰭は腹側の肛門より後ろにある。この鰭は遊泳中に魚体を安定させるのに使われる。
脂鰭
(しき・あぶらびれ)マスの脂鰭脂鰭とは、背鰭の後方背部かつ尾鰭のすぐ手前にある柔らかい肉質の鰭である。多くの魚類科には存在しないが、31の正真骨亜目
脂鰭の機能には若干謎めいたところがある。孵化養殖場で飼育された魚の印付けとして頻繁に切り取られるが、2005年のデータでは脂鰭を除去されたマスは尾を振る頻度が8%高いことが示された[4][5]。2011年に発表された追加情報では、この鰭が接触、音、圧力変化といった刺激の検出や対応に極めて重要だと示唆している。カナダの研究者達は鰭内部の神経ネットワークを特定し、感覚機能を有する可能性が高いことを指摘しているが、それを除去した結果がどうなるかはまだ正確に分かっていない[6][7]。
2013年の比較研究は脂鰭が異なる2つの行程で発達しうることを示した。1つはサケ型の行程で、脂鰭は幼生期の鰭から他の正中鰭と同時に同じように発達する。もう1つはカラシン目型の行程で、これは幼生期の鰭の折り目が小さくなって他の正中鰭が発達した後で脂鰭が遅れて発達する。カラシン目型の発達があるということは脂鰭が「幼生期の鰭の残りが単に畳まれたものではない」ことを示唆しており、脂鰭には機能がないとする見解では辻褄が合わないとの説が唱えられている[3]。
2014年に発表された研究は、脂鰭が収斂進化であることを指摘している[8]。
尾鰭
(びき・おびれ)
尾鰭は尾柄の端にあり、推進に使われる(推力#水中動物の推力を参照)。
(A)-歪尾(Heterocercal)とは、脊椎骨が尾の上葉まで伸びて上が長いもの(サメなどに見られる)を指す。上下で長さが著しく異なるので異尾とも言う。
脊柱が尾の下葉まで伸びて、下が長い形の逆歪尾(Hypocercal,Reversed Heterocercal)もある[9]。これはビルケニアなどの欠甲目に見られた。
(B)-原始尾(Protocercal)とは、脊椎骨が尾の先まで伸びて尾の形状は対称的ながらも鰭が伸びていないもの(ナメクジウオに見られる)を指す。
(C)-正尾(Homocercal) は、一見すると対称に見えるが、実際は脊椎骨がごく短い距離だけ鰭の上葉に伸びている(左の写真参照)。
(D)-原正尾(Diphycercal)とは、脊椎骨が尾の先端まで伸びて対称形に尾が伸びているもの(ポリプテルス、肺魚、ヤツメウナギ、シーラカンスなどに見られる)を指す。古生代の魚類の大部分は原正尾的な歪尾だったとされている[10]。
現代の魚類の大部分(硬骨魚)は正尾である。その尾鰭後縁は様々な形状をとりうる。
円形
截形、先端が多少なりとも垂直な形状(サケなど)
二叉形、先端が二叉に尖っている
湾入形、先端が僅かに内側へカーブしているもの
三日月形、三日月のような形状
尾柄隆起縁
(びへいりゅうきえん)
小離鰭
(しょうりき)高速で泳ぐタイプの一部の魚には、尾鰭のすぐ前方に水平な尾柄隆起縁がある[11]。船のキールと同様、これは尾柄部側方の隆起であり、一般的には鱗甲で構成され、尾鰭に安定性と支持力を与える。一対の隆起があるなら左右各側に1つずつ、二対だと上下も加わることがある。
小離鰭とは、一般に背鰭および尻鰭の後方にある小さな鰭である(ポリプテルスには、背鰭面にのみ小離鰭があり尻鰭にはない)。