鯨のジャーキー(くじらのジャーキー)とは、鯨肉をジャーキー(干し肉)にした食品である。ペットフードにも用いられる。 鯨類の干し肉の歴史は古く、縄文時代の真脇遺跡(石川県能都町)からイルカの骨が大量に出土していることにより、その頃から保存のために干し肉が行われ、交易にも用いられていたと推測する研究者もいる[1]。 いしやきくじら。熱した石の上でクジラの切り身を炙(あぶ)り、脂を取ったあとのクジラ肉を干したものとされる[2]。とても硬い干し肉で、熱い灰で温めたり、水で戻して食すると伝わる[2]。北海道・利尻島のアイヌの伝統食でもあり、内地との交易品であった[2][3]。 1696年に泰山(利尻山)に漂着した朝鮮人が残した『漂舟録』には、鯨の干し肉が大量に積まれていたことが記されており、当時の松前名産の石焼鯨だったと考えられている[4]。この時、朝鮮人を世話したアイヌは、飯(米や穀物)ではなく「魚汁一腕と鯨の干肉何切れか」を朝鮮人へ食事として与えたと伝わる[3]。 Whale, beluga, meat, dried
歴史
石焼鯨
食べ物
(Alaska Native)[5]100 gあたりの栄養価
エネルギー327 kcal (1,370 kJ)
炭水化物0.00 g
食物繊維0.0 g
脂肪5.34 g
飽和脂肪酸1.204
一価不飽和3.345
多価不飽和0.319
タンパク質69.86 g
ビタミン
ビタミンA相当量(0%) 0 μg
チアミン (B1)(3%) 0.039 mg
リボフラビン (B2)(43%) 0.519 mg
ナイアシン (B3)(101%) 15.200 mg
ビタミンB6(10%) 0.131 mg
葉酸 (B9)(3%) 10 μg
ビタミンB12(305%) 7.31 μg
ビタミンC(0%) 0.0 mg
ビタミンE(2%) 0.27 mg
ビタミンK(0%) 0.0 μg
ミネラル
ナトリウム(15%) 220 mg
カリウム(17%) 800 mg
カルシウム(2%) 22 mg
マグネシウム(18%) 63 mg
リン(78%) 549 mg
鉄分(557%) 72.35 mg
亜鉛(82%) 7.80 mg
他の成分
水分22.39 g
ビタミンA効力0 IU
砂糖0.00 g
カフェイン0 mg
コレステロール122 mg
単位
μg = マイクログラム (英語版)
IU = 国際単位
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI
出典: USDA栄養データベース
お酒のおつまみ、子供のおやつなどに用いられ、地域によってはオードブルになる。 グリーンランド(デンマーク)のイヌイットにはイッカクの干し肉が伝わる[6]。クジラの燻製も作られる[7]。 フェロー諸島(デンマーク)では、鯨の干し肉がオードブルに用いられる。鯨の脂肪も用いられる。[8] アイスランドではミンククジラを用いて燻製させ干し肉が作られている[10]。 フィリピンでも、乾燥、塩蔵の鯨肉が存在する[11]。
世界
ノルウェーの鯨の干し肉。