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コイ
コイ(Cyprinus carpio)
保全状況評価[1]
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
European carp
common carp
自然分布 移入分布
コイ飼育型コイ飼育型とソウギョ(中央はニシキゴイ)
コイ(鯉、学名:Cyprinus carpio)は、コイ科に分類される魚の一種である。比較的流れが緩やかな川や池、沼、湖、用水路などにも広く生息する大型の淡水魚。
コイの語源は体が肥えていることまたは味が肥えていることに由来するという[2]。別名はマゴイ、ノゴイ(後述のように体高の低いコイのグループがありノゴイはその呼称でもある)[3]。 2亜種が存在する。
分類
C. c. carpio
C. c. yilmaz (Deniz carp) はアナトリア(特にチョルム周辺)原産である。
東アジア原産の3つ目の亜種C. c. haematopterus(Amur carp)は過去に認められていたが[5]、近年の出典はこれをC. rubrofuscusの学名の下で別種として扱っている[1][6]。純粋な型のヨーロッパのコイと様々なアジアの近縁種は、計数形質(英語版)によって分類できるが、それらは異種交配できる[1][7]。ヨーロッパのコイはキンギョとも異種交配可能である[8][9]。日本においてもコイフナ(英語版)と呼ばれる雑種が確認されている[10]。
名称が似ているニゴイはコイ亜科ではなくカマツカ亜科であり同科異亜科の関係である。 コイは外見が同亜科異属のフナに似るが頭や目は体に対して小さい。吻はフナよりも長く伸出させることができる[2][3]。また上顎後方及び口角に1対ずつ触覚や味覚を感知する口ひげがある[2][3]。体長は約60センチメートルで、130センチメートル以上に達するものもある[2][3]。飼育されたり養殖されてきた系統の個体は体高が高く、動きも遅いが、野生の個体は体高が低く細身な体つきで、動きもわりあい速い。雌雄を外観で判断することは難しいが、体は雌のほうが大きく逆に雄の方が頭が大きい、雄のほうが体がやや細くて胸鰭が大きく角張っているなどの特徴がある[2]。また雌の胸鰭は丸型をしている。 食性は雑食性で水草、貝類、イトミミズなどを食べる[3]。その他、昆虫類、甲殻類、他の魚の卵や小魚、米粒、トウモロコシ、芋、麩、パン、カステラ、うどん、カエルなど、口に入るものならたいていなんでも食べる。口に歯はないが、喉に咽頭歯という歯があり、これでタニシなどの硬い貝殻なども砕き割ってのみこむ[2][3]。さらに口は開くと下を向き、湖底の餌をついばんで食べやすくなっている。なお、コイには胃がない。コイ科の特徴として、ウェーバー器官を持ち、音に敏感である。
生態