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米軍のルーズベルト(ミサイル駆逐艦)から発射されるMk54魚雷。インド海軍のVarunastra。(長魚雷の一種)Mk46を搭載したLynx WG13ヘリコプター(フランス)海上自衛隊の12式魚雷
魚雷(ぎょらい、英: torpedo トーピード)は、魚形水雷の略称であり、水中を自走する葉巻形の兵器[1]。水中を航行し、目標の艦船類を浸水や爆発によって破壊することを目的とした兵器である。他の兵器と比較してその発射装置、維持管理が困難であるため、国家規模で運営される軍隊でしか運用されておらず、攻撃兵器としてしか用いられていない。[注釈 1]。
基本構造として弾頭・エンジン・推進機が組み合わされている。高度なものでは航行の深度を感知するセンサー、水平方向の針路はジャイロスコープでそれぞれ感知している[1]。
魚雷は、水上の艦船の喫水下の部分を破壊するため、多大な浸水を与え、機関部については行動力を奪う。潜水艦を攻撃目標とする場合、沈没につながる致命傷を与えやすい。また、弾頭を搭載しない特殊な用途の魚雷も一部存在する。
第二次世界大戦ころまでは、主に中小型の水上艦、潜水艦、雷撃機又は艦上攻撃機などに搭載されて運用された。その後水上艦が用いる対水上艦兵器としては対艦ミサイルが主力になったが、より先進的な誘導能力を付与された魚雷も引き続き広く配備・運用されている。現代の魚雷は大きく2つに分類することもでき、一方は 対艦攻撃用の大型・長射程の魚雷でありこれを「長魚雷」あるいは「重魚雷」といい、もうひとつは対潜水艦攻撃用の小型・短射程の魚雷であり、これを「短魚雷」あるいは「軽魚雷」という。たとえば潜水艦は長魚雷を用いて水上の艦船や水中の潜水艦を攻撃し、水上の艦艇や上空の対潜哨戒機は短魚雷を用いて水中の潜水艦を攻撃する。
魚雷・爆雷を用いて攻撃することを雷撃、魚雷の命中・爆雷の爆発を浴びる事を被雷
と呼ぶ。水面下で使用されるものである上に軍事機密が多く含まれるため、特に近年の魚雷の詳細な情報は不明な点が多い。 開発当初の魚雷は信頼性が低かったが、航走距離の延伸、命中率を向上させるために多くの技術改良がなされる一方で、その防御方法も編み出された。初期の魚雷は単純なジャイロ誘導であり、直進することしかできなかった。当時は低い命中率を補うため同時に複数の魚雷を扇状に発射し、いずれか1本でも命中することを期待する戦術を採っていた(通常、商船など低速な目標に対しては1-2本だが、軍艦などの高速な目標に対しては4-6本発射していた)。第二次世界大戦時から、艦船が出す音響などを感知して追跡するホーミング魚雷の開発・配備が進んだ。 魚雷の発射にはいくつかの方法がある。潜水艦においては魚雷発射管を用い、管に装填した魚雷を高圧空気または水圧で押し出す。潜水艦の運動性能が低かった時代[いつ?]には、艦首と艦尾に発射管を装備しているのが一般的であった。潜水艦の速度が向上した現在では、対戦する艦船に近距離追尾される状況が減ったので、艦首だけに装備することがほとんどである。
概要