魚道
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広瀬川の郡山堰右岸魚道。階段式。
(仙台市、2005年7月)

魚道(ぎょどう)は、魚の遡行が妨げられる箇所で、遡行を助けるためにに設ける工作物である。
概説

通常はダム、床止めなどの施設に付属して設ける。魚道形式としては河床の段差部が比較的小さい場合はその一部から下流側の河床に向けて突き出した形状で設けられる突出型魚道、下流側の河床に向けて扇状に設けられる扇形魚道、河川幅の横断方向の全体に設置する全断面魚道などがある。

また、砂防ダムなど段差部の高低差が比較的大きな箇所に設ける専用の魚道としては無かったため、段差部が比較的小さな箇所に設ける「突出型魚道」に使用する魚道製品を利用して折り返して設置したり、螺旋状に積み上げて設置してきた建設例がある。

最近になり、砂防ダムなど高低差が比較的大きな箇所の専用魚道として開発された新型魚道は、砂防ダムや側壁など河川構造物の壁面の前面に直接取り付けることで壁面に沿って縦方向に組上げる魚道形式であり既に設置されている。高低差がより大きなダムなどに設ける魚道としては機械力を用いたエレベーター式魚道方式も挙げられる。
目的

川に棲息する魚類の中には、サケのように一生の間に川の上流と下流・を行き来する(回遊する)種がある。しかし、川にダムや堰などの障害物が設置された場合には、魚の遡上が妨げられるため、それらの回遊する種は川に住めなくなり、その川から絶滅してしまう。歴史的には、魚道はそのような事態を防ぐために設けられ、サケ・マスアユなどの漁業資源を保つために作られたのが始まりである。

近年[いつ?]では生態系保全の観点から、あらゆる魚と水生生物が対象に含められる傾向にある。川に棲む生き物は、大きな回遊をしない場合でも成長にともなう小規模の生活圏移動を行っている。特に最近になって[いつ?]、通常の生活域は常時水のある河川や水路であっても、河川の増水時に水没する川べりのヨシ原かんがい(灌漑)が行われる水田など、一時的に水没する水域(一時的水域)で繁殖を行うという魚が多い、ということが判明してきた。

治水のために行われる川岸の護岸はヨシ原を消失させ、魚の繁殖にとって問題となる。また、圃場整備に伴う用排分離(これ自体は用水水質維持のために必要とされるが)によって、水路部分と水田部分の魚類の行き来が阻害されることが、メダカドジョウナマズ絶滅危惧種アユモドキイトヨといった魚類や、トキコウノトリサシバなど湿地水田里山)を生息域にする鳥類の減少・絶滅の原因であることが広く知られるようになってきている。また、洪水で流された生物が元の場所に復帰遡行できなければ、河川内で生活圏の後退が起こる。そのため、堰などで遮断された地点から上流の生態系は貧弱になる傾向がある。

今日の日本の河川は、経済目的のダムや砂防堰堤によって非常に細かく分断されており、先述のように一時的水域と恒常的水域の間も分断が強まっている。こうした状況下で漁業資源の保全のみならず生態系の保全をも行うために、サケ・マスのような大型で力が強い魚だけでなく、小さな魚やエビカニといった無脊椎動物まで対象にする魚道が構想され、施工されている。そうした中には、水路や河川と水田を結ぶ水田魚道と呼ばれるものや、海から遡上するエビやカニの幼体が這い上がれるように、底面に人工芝などの足場を張ったものなどがある。変わったものではウナギのためにブラシを並べたウナギ用魚道がある。

なお、現状では大規模な貯水池を持つダムへの魚道の付設事例は多くない。ダムは高落差ゆえ、魚を上流に上げるのが困難だが、下ってきた魚を広大な貯水池から魚道の上流口に導くのは、それ以上に困難となる。
基本構造による分類

魚道内を自然流下で流す形式には大別してプール式、ストリーム式がある。

前者は魚道内を多数の比較的大規模な隔壁で仕切って流速を抑える形式であり、隔壁の間には低流速の湛水域(プール)が出来る。後者はプール式よりも小規模な障害物で流れを抑える形式であり、プール式のような湛水域は生じない。しかし、障害物の大きさによってはプール式、ストリーム式の中間的な流れになる場合もあり、また、同じ魚道でも水深の増減によってプール式からストリーム式の流れに変わる場合もある。このような流れの変化を積極的に活用したものとしてハイブリッド式と呼ばれるものもある。一方、エレベータ、フィッシュポンプ、閘門などの機械力によって魚を上流に引き上げる魚道形式もあり、これらは総括してオペレーション式と呼ばれる。また、自然石等を用いて自然河川のように魚道を構築したものもあり、これらは近自然型もしくは多自然型魚道と呼ばれる。前者はより自然に近づけた魚道という意味合いがあり、後者は魚道内に自然的要素を増やすという意味合いがある。これらの形式も自然流下を基本とするので、魚道内の流れはプール式、ストリーム式などと同様になる。
突出型魚道

「突出型魚道」の基本として共通した構造は、コンクリートの三面張り水路の中に一定間隔で仕切壁としてプール壁が設けられた構造となっている。水路内に設けるプール壁の各種形状により階段式、アイスハーバー式、バーチカルスロット式、潜孔式、粗石付き斜路式、デニール式などの魚道方式の名称がある。
プール式魚道


バーチカルスロット式魚道
石川県鍋谷川北沖用水堰)越流式(アイスハーバー式)魚道(埼玉県利根川利根大堰

水路の中に多数の仕切壁(隔壁)を連ね、その間に低流速の湛水域(プール)を設けた魚道をプール式魚道と言う。この魚道では、隔壁により水路内の流速を抑えられ、隔壁間の低流速域で魚が休息出来る。隔壁部で水をどう流すかで、越流式、バーチカルスロット式、潜孔式に区分される。越流式は隔壁上から水を越流させる方式であり、バーチカルスロット式は隔壁に空けた縦溝から水を流す方式である。一方、潜孔式は隔壁下部に空けた穴から水を流下させる方式である。

越流式には階段式、アイスハーバー式等がある。前者は古くから用いられている形式で隔壁上に段差を付けたものが多い。後者は隔壁の一部を高くして非越流としたもので、その両脇または片脇で水が越流するようにしたものである。非越流壁の後ろを安全な休息場として確保し、乱流を抑えることを狙っている。階段式、アイスハーバー式いずれの魚道でも洪水時にプール内に溜まる土砂、石レキを排除するため、隔壁下端に潜孔を設ける場合が多い。その際、アイスハーバー式では、流れの安定ともう一つの副次的な遡上経路にすることをねらって大きめの潜孔にする。

プール式魚道の隔壁部での流れは概して速く、魚にとって遡上の難所となる。 特に魚道上流の水位が上がると、隔壁部の流速も上がるので遡上は困難になる。この流速上昇はバーチカルスロット式、潜孔式では越流式ほど大きくなく、潜孔式では流速に加え、流量変動も抑制されるので、魚道内の流況は比較的安定する。 反面、これらの魚道では隔壁部の流速を十分抑えるために、隔壁上下流の水位差を越流式よりも小さくしなければならず、このため、魚道の勾配は緩やかになり、長大な魚道となってしまう。これは建設費の増大につながり、魚道配置の適正化にとってもマイナスとなる。また、これらの魚道では、隔壁部のゴミづまり等の問題にも注意を要す。例えば、バーチカルスロット式では浮遊ゴミでスロット閉塞すれば、局所的に水位差増大、流速増大となり、遡上の難所が出来る。一方、潜孔式では流下石レキによる閉塞が問題になりうるが、潜孔上流の接近流速は概して速くないので、大きな問題にならない可能性もある。例えば、階段式魚道でも土砂排除用に潜孔が設けられるが、この部分に石レキが詰まって水位差増大となった事例はない。
階段式魚道長野県坂城町、埴科頭首工に併設されている階段式魚道。(上流側から見る)

日本国内では遊泳魚用及び底生魚用として多い形式である。魚道内の流量が少なくても機能するように設計可能であるが、水位変化に対応させるため流量の調節機能が必要になるとされている。また、土砂が堆積しやすく、対策あるいは管理が必要となる。
ストリーム式魚道

傾斜をつけた水路を設け、魚にこの流れを一気に上らせるもの。単なる傾斜水路では途中で流れが加速して急流になるため、魚道内にイボ型、桟型の突起を設けたり、阻流板と呼ばれる板を立てて流れを妨げ、流速を落とす。突起を設けたものとしては粗石付き斜路式魚道があり、阻流板を用いたものとしては、いくつかの派生型を持つデニール式魚道がその典型である。

デニール式は、凹字型の板を斜め上流側に傾けて水路に差しこんだ独特の形状をした魚道で、水面付近が激流になるが、底の流れが緩い。 ストリーム式(水路タイプ)の魚道はプール式のように流れを大きく遮る隔壁を設けないので、概して勾配が緩やかになるが、デニール式はその中でも急勾配化が可能な形式である。反面、急勾配化のためには水路断面に対し、阻流板を大きくしなければならないので、ゴミづまりの問題が生じやすくなる。

ストリーム式魚道では、プール式のように低流速のプールがないので、魚道の途中に休息プールを設けなければならないことも多々ある。
自然石スロープ魚道「自然石スロープ魚道」(揖斐川支流・根尾川)根尾川にもある玉石を使用して設置された魚道。


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