魔獣戦士ルナ・ヴァルガー
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魔獣戦士ルナ・ヴァルガー
ジャンルファンタジー[1]
小説
著者秋津透
イラストあろひろし(1 - 9巻)
つなき亜樹(10巻以降)
出版社角川書店
レーベル角川文庫
角川スニーカー文庫
刊行期間1988年4月 - 1995年5月
巻数全13巻(本編12巻+外伝1巻)
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル
ポータル文学

『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』(まじゅうせんしルナ・ヴァルガー)は、秋津透による日本ライトノベル。イラストレーションを1巻から9巻までがあろひろし、10巻から12巻と外伝はつなき亜樹が手がけた。角川文庫角川スニーカー文庫角川書店)より1988年4月から1995年5月まで刊行された。シリーズ累計部数は100万部を記録している[2]

本作に続いて「魔獣戦記ネオ・ヴァルガー」も出され、ヴァルガーシリーズを形成した。また本作だけでもアニメーションテーブルトークRPGにもなっている。
あらすじ

この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2016年4月)(使い方

全くの別の次元・時間・世界。とある大陸の小国リムズベルは、世界征服をせんがために北進してきたダンバス帝国の大軍に包囲されていた。美人で剣の達人であるリムズベルの第二公女ルナは、その活躍で一度はダンバス軍を混乱させるも、次の攻撃には持ちそうにない状況だった。

その状況の中、ルナはリムズベル城地下深く封じ込められていた大魔獣ヴァルガーを復活させ、ダンバス軍を蹴散らすことに成功するが、気づくとルナは魔獣の頭部と合体していた。このままでは嫁にも行けない身体になったルナは、この状態を解いてもらうため、伝説の大魔道師ザシャムを捜しに北へと旅立った。
主な登場人物
ルナ・ド・リムズベル
本編の主人公。17歳。リムズベル公国の第二公女であり、ヴァルガーとの合体前から軍を率いて戦っており、猛将公女(はねっかえりプリンセス)として諸国に知られていた。火攻めを得意とする。物語の初頭でドラゴン・ヴァルガーと合体し、世界の動乱の中心となる。信義に厚く、一度交わした約束を必ず守り通すが、かなりのお人好しで、リルからは「カモ」扱いされる。跳ねっ返りと呼ばれているもののヴィーナから「(ヴァルガーと合体した後に)このままでは行かず後家」と言われた事にショックを受けている辺り、人並みの恋愛や結婚を望む普通の女の子と言える。ミル・ユードと大恋愛の末に結婚し、娘のディアーヌをもうける。
ゼナ・ド・リムズベル
ルナの姉。リムズベル公国の第一公女。隠居したヴォルフ大公に代わり、以後公国の政治面をとりしきる。
天然ボケな上に絶望的な長話をする。ただ長いだけではなく、その呼吸といい言葉遣いといい、聞く者全ての気力を根こそぎ奪い去る、まさに天才(天災)的といえる。しかしルナによれば、本人はこれでもごくざっくばらんに話しているつもりとの事で、これが手紙ともなると「キチンとした形式と定型を守り、粗相の無いよう万全の注意を払い、清く、正しく、美しく、気品と気合と気迫を込めまくって(ルナ談)」書いてしまう為、その破壊力は会話の比ではなく、「一撃よく山羆をも倒す」程の威力を誇るらしい(ミル・ユードはさわりを読んだだけで行動不能になるほどのダメージを受けた)。後にノワール・ダンバスの元に嫁いでダンバス皇妃となるが、ダンバスの屈強な戦士達も彼女の長話からは逃げ出してしまう。
ヴィーナ・ド・リムズベル
ルナの妹。12歳。リムズベル公国の第三公女。諸国を漫遊するルナに代わり、以後軍を率いる。可憐だが気丈で、頭の回転も速い。ゼナとルナがそれぞれ嫁いだ後はリムズベル公国の事実上の女大公となって政務を取り仕切る。
ヴォルフ・ド・リムズベル
ルナの祖父。物語スタート時におけるリムズベル公国の大公。
カーライル
リムズベル公国の近衛戦士団長。21歳。裏表の無い性格で、公女であるルナやヴィーナが相手でも遠慮なく意見を述べる。エリオン王国でのお家騒動の後にテオドラと結ばれてエリオン王となるが、ヴィーナからは「逆タマ」と言われてしまう。
エルミ
リムズベル公国で働く侍女。主にヴォルフの身の回りの世話を勤める。母親は「伝説の娼婦」と呼ばれた人物で、母親直々に教え込まれた「技術」はリルに匹敵する。城に売春宿を開いたリルに侍女を勧誘しないよう説得するが、当然ながらリルに押し倒されて手篭めにされるも、教えられた「技術」を使って何とか「引き分け」に持ち込む。
ジャン・ジャック・ジャックポット・ドレスデン(マスク・ド・ジャック)
リムズベルにバイキング達を引き連れてやってきた商人。ドレスデン一族の出身だが、父親が4WDとの権力争いに敗れて殺害された事から賞金首となり、顔を隠す為に仮面を身につけている。一族の当主になった暁にはジャン・ジャック・ジャックポット・ジャスティスブレイカー・ドレスデンと名乗るつもりだったが、リムズベルの事実上の海軍司令官になった事で叶わなかった。ログリアンのダンバス艦隊を焼き討ちした時の経緯からヴィーナと相思相愛の間柄となる。
ドン・デンガーン
千人以上にもなるバイキングの船団デンガーン族を率いる族長。間延びした胴間声で話すのが特徴で、何か話す度に周りの子分達が大声で騒いで太鼓を叩きまくる。母港を失って流浪していた所をジャックに拾われ、リムズベルを新たな母港とした。
バト・ロビス
ロビス家当主でありながら、ダンバス軍に所属する軍人。軍における階級は部隊長。隻眼・強面髭面・筋骨隆々とした大男で、リムズベル攻城戦でルナに敗れて以来、物語を通して活躍する。最終巻ではルナと姻戚関係となるなど、以後物語中で重要な役割を果たす。カルバドク卿ミル・ユードの母方の叔父である。妻はリドル侯爵家出身のアイーナ。無謀戦士と呼ばれる猪突猛進型の戦士であるが、優秀な戦術家であり、作戦を立案するとなると常に的確なものを考える。また、ノワール皇帝との会話では「本当に恐ろしい相手は和解の余地がない相手であり、強大でも話し合いによる和睦の通じる相手には恐怖する必要はない」と発言している。愛用の武器は南方独特の武器、斧剣(アクスォード)。作中一の性豪であり、領地のロビス渓谷には母親が全員異なる息子が9人おり、更にリオネル、ファラとの間にもそれぞれ1人ずつ子供をもうける。最終巻の戦いの後にロビス家の習慣に従って世界放浪の旅に出る。
テオドラ・ド・エリオン
エリオン王国の王女。心理・変形・移送の複合魔術師であり、自らの魔法で限定的ながらルナの体に見かけ上ヴァルガーの尻尾以外を押し込めることに成功。力が使えるのは月の触りの間に限られる(後に結婚してからは条件が変わった)。変形魔術師としての能力は対象物に翼をつけることで、それにより黒翼猫のロコを生み出した。顔に似合わず辛辣な毒舌家で、ギルバートをこっぴどく振った経験があり、彼から深く恨まれる。
ロコ
テオドラの使い魔。のちにルナに付き従い冒険をともにする。黒翼猫(ウイングキャット)であり、尻尾をもった少年の姿か、翼(羽状)を備えた黒猫の姿をとることができる。後にリルとの間に1子をもうける。
ミル・ユード
ダンバス帝国カルバドク侯の嫡子で、主に北方において隊商を引き連れ陸上貿易を営む。魔道都市アルタイオにてルナと出会って以来行動を供にし、魔剣「斬魔獣剣(スレイヤー・オブ・ヴァルガーズ)」を振るって、ルナと共に様々な戦いに臨む。バト・ロビスの甥であり、剣術の腕前もバト譲り。冷静で理知的な性格だが、いざという時の決断力は無謀戦士の甥に相応しいものとなる。
レイピア・ロナ
ミル・ユードの乳兄妹で従者。彼を「我が君(マイ・ロード)」と呼び、絶対的な忠誠を誓っている。武器は細剣(レイピア)と九条鞭。
ギルバート・エゼン
ワイバーンコーリングの能力を持つ召喚魔道師。最初は通常のワイバーンをコーリングするだけだったが、魔道力の増加と共に、より強力なゴールデンワイバーンのコーリングを修得。更に数え切れない程多数を召喚して自在に操る事もできる様になり、最終的には伝説の魔道師ザシャムからギガントワイバーンコーリングの呪文を授かるほどになる。自信過剰でお気楽な性格と能天気な高笑いがタマに瑕。極度の方向音痴でもある。一方で召喚魔道師としてはアルタイオでもトップクラスの実力を持ち、ファラの評価も高い。実は「ルナ・ヴァルガー」の時代ではヴァルガーに3度も戦いを挑んだ唯一の魔道師でもある。当初はお気楽さが目立っていたが、中盤からはミルやレイピアのために無償で骨身を削る義理堅い一面も見せるようになり、最終的にはノワール皇帝と堂々と渡り合うまでの人格的な成長を見せた。なお、彼の召喚するワイバーンの形状はムササビに似た皮膜を持つトカゲである。口から火球や火炎を吐き、ゴールデンワイバーンは超音速で飛行する事もできる。ただし、ギガントワイバーンのみは非常に巨大な翼竜の姿をしている。エゼン家は代々変人揃いで有名で、父親は魔道士の素質がありながら戦士になる事を目指してアルタイオを出奔している。後にレイピアと結婚、「ネオ・ヴァルガー」の時代では2児の父親で、アルタイオの評議員を務めている。ワイバーンにはゴールデン・ギガントに加えバーニングワイバーンというのがいるらしい。
アチャラカ・スチャラカ・チャーラン・ポーラン
ウニコーリングの能力を持つ魔道師。「通称・海栗雪崩」と呼ばれる技はその圧倒的な召喚数でランド・シップを地の底に沈めてしまったことがある。このウニはまずくて食用にならない(食材としての表記は『雲丹』)。ポーラン家はコーリングメイジの家系だが何故か「海産物を召喚する能力」以外滅多に出てこない。ゴシップ誌「でいりぃ・あるたいお」の発行無責任者。うさんくさい怪しげな記事な場合が多数だが、本質に迫っている場合もあり、ミルは一時彼から情報を買おうと考えていた。なお、ファラ・ミルドレッドは熱心な読者である。厚かましく他人の迷惑をかえりみない人柄のせいか、彼の周りにはトラブルが絶えない。自身を「ミスター・ポーラン」と呼んで貰いたがる。ギルバートやチョーサーに比べると方向感覚は比較的まとも。
ギネヴィア・オフィーリア・コンスタンツェ・ポーラン
チャーランの妹で、天候操作(降雨)の能力を持つ魔道師。薬作りの才能があり、薬品店を経営している。彼女もかなりの長話だが、ゼナ公女の様な破壊力は無い。ミル・ユードのファン。ポーラン家では数代ぶりに現れた、海産物召喚(コーリング)以外の能力を持つ魔道師ではあるが、能力使用の場面は無かった。なぜか、ギネヴィアというファーストネームで呼ばれることを嫌い、「レディポーラン」と呼ばれる。ルナがログリアンでドレスデン一族に捕らわれた際に彼女の名前で誤魔化そうとした。
スミス・チョーサー
天候操作(晴天)の能力を持つ魔道師。メガネが特徴。お気楽さでは群を抜いているが、そのお気楽さで晴天を呼び込んでおり、彼にとっては欠かせない能力である。ギルバートと互角以上の方向音痴。趣味の武器屋(ただし魔道師は戒律で武器の使用を禁じられている為、実際には使用できない武器だけを扱っている)を経営していたが、商才は無く、破産の憂き目をみる。直接の原因は、使用できないと思って高額で仕入れた斬魔獣剣などを「実際に使用するもので商売はできない」と無償で譲り渡してしまった為だが、他にも「ホワイトヒーター(炎を発するが剣全体が白熱するため使えない)」をバト・ロビスが「根性」で使いこなした際にも無償で譲っている。リムズベルに立ち寄った時には、ヴィーナの可憐さに一目惚れして「さーどぷりんせす」というヴィーナのファンクラブを立ち上げ、普段のお気楽ぶりとは考えられないほど熱狂的に活動するが、チャーランに半ば強引に南方への旅路に同行させられ、活動休止を余儀なくされる。物語中盤でザシャムの「ゆうもあ」に関する弟子となる。
リム・リリス
縞兎(ストライプヘア)に変身する獣人族(ゾアン・ウールス)の少女。愛称はリル。母親はゾアン・ウールスの伝統儀式の生贄として選ばれた身であったが、生贄に与えられた特権をさんざん楽しんだ挙句に見張り役をたらし込んで逃亡し、彼女を生んだ。それによって生贄としての資格は失われたが、自身は追っ手によって殺され、今度は娘が次の生贄として狙われる事になった。父親はたらし込まれた見張り役で、共に殺された。享楽的かつ自己中心的な性格。倫理観念がほとんどない。性行為に関しても同様で、主に街の売春宿で働いており、その「技術」はトップクラス。そして同性異性見境無しにその技術を振るい、ルナ、レイピア、リオネル、バト、ロコ等と関係を持つ。シャドウの虜囚となった時も一族の娘たちを次々と毒牙にかけ、ハーレムを形成している。ゾアンたちからは「性悪」と呼ばれている。ある事件が元でお化けや死霊術師が苦手である。一方で売春婦の仕事に強いプロ意識を持っており、お客様には相手が誰であれ全力でサービスする事をモットーとしている。名前の由来はリリスから(なお、ゾアン・ウールスの名前は姓+名である)。
リム・リオネル
ゾアン・ウールスの巫女で、リルの従姉妹。高飛車でキツイ性格だが、巫女としての責任感がそうさせているだけで、実際は心優しい少女である。実の姉がリルの母親の代わりに生贄にされた過去があり、更に実妹のエルザがリルの代わりの生贄になっていた為、リルを捕らえるべく奔走する。リルやファラほどではないが性については奔放な一面があり、エルザ、バト、リルと関係を持ち、バトとの間にゾアンと人間のハーフである娘、ヴェローナをもうける。なお、ゾアンは人間族との間に子が出来た例が無く、懐妊した際には本人が一番驚いていた。人間時はかなりの美少女だが、変身すると非常に不細工なカモノハシペンギンになってしまう。
ファラ・ミルドレッド
死霊術師(ネクロマンサー)。女性ながら魔道都市(アルタイオ)の評議長となる。ネクロマンサーであるため他者の精気(エナジー)を吸収して寿命を延ばす能力があり、外見は若々しいが実年齢は100歳を超える。必要な精気は魔道屍人(ダムンド)から吸い上げる。彼女も性に関しては奔放であり、男性のダムンドを夜のお相手としても用いている。バトとも関係を持ち、息子を懐妊する。
グレゴール・クライシス
魔道都市アルアイオにおいても稀に見るほどの天才死霊魔術士。非常に知性が高いのだが、他者に対する配慮があまりに乏しく、倫理観が欠けている。そのため、数々の非道な実験に手を染め、マッドサイエンティストの名をほしいままにしている。登場時は「永遠の命」に執着しており、非道な実験の末に、「力ある者」(魔道師)の脳から闇魂(ダークソウル)を作り出すことに成功している。なお、この時の犠牲者はポーラン家の先祖であるらしい(絶命時に銀ダラを召喚)。そして完成した闇魂の被験者第一号は、使い魔のチャフである。闇魂製造のために行ってきた数々の行為が発覚し処刑されるが、チャフにより闇魂を埋め込まれ不死性を取得して復活。およそ100年後、復讐の為にアルタイオを襲撃して壊滅寸前まで追い詰める。その折、ヴァルガーという圧倒的な存在を知り、今度はそちらに興味を向けることになる。主人公たちと紆余曲折あって、ヴェルフレイ神殿にヒュレーネと共に閉じ込められ、ヒュレーネの長話を延々20年近くも(「ネオ・ヴァルガー」の時代まで)聞かされる羽目になる。彼女の他者への気配り皆無な態度に振り回される経験はさすがに堪えたらしく、「ネオ・ヴァルガー」以降は他者への気配りも多少は見られるようになり、闇魂の素材となったローラ・パウルを完全な自由意志を持つ個体として復活させたり、(以前に比べれば比較的)穏便な手段でヴァルガー研究を進めたり、果ては倫理観の塊のようなディアーヌに好意を寄せたり、ザシャムとチェスをしながら茶をすすったりと、(相変わらず尊大な態度ではあるが)人として大きく成長する。彼は作者のお気に入りらしく、初登場した4巻では丸々1章分を使って彼が過去に起こした事件のストーリーが描かれたが、シリーズ中、最も陰惨な内容だった。
チャフ
グレゴールの使い魔である有翼猫。翼は蝙蝠の羽根となっており、「バットキャット」とルビが振られている。最初に闇魂を埋め込む実験を受けた個体でほぼ不死身。非常に口が悪い上にリル以上に性悪で、周りからは「性悪猫(クソ猫)」と呼ばれている。グレゴールの指示で誘拐や殺人など数々の悪事に手を染めており、良心や倫理観といったものを全く持たない。その反面、使い魔としてのメンタリティに縛られ自由意思と言った物はほとんどない(イタズラ等もあくまで「命令された事のついでにしでかした」事である)。グレゴールの下を離れた後はドン・ペドロの使い魔として活躍し、彼との間に息子をもうける。「ネオ・ヴァルガー」の時代では母親になった事で落ち着いたのか、昔よりも性格が丸くなったが、これまでに行ってきた数多の悪行の為に「迷惑猫」と呼ばれて悪名を轟かせている。
ザグ・ロビス
グレゴールに従う狂戦士。バトの大叔父に当たる。かつては勇者と呼ぶに相応しい人物だったが、魔剣「魂喰い(ソウルイーター)」で致命傷を負った事による死の恐怖に屈服して闇魂を受け入れ、グレゴールの忠実な僕となる。
ローラ・パウル
ファラ・ミルドレッドの先輩である死霊術師。理知的で清楚な雰囲気を漂わせた美女である。100年前、グレゴールの研究内容に興味を持ち、彼に近づいた結果、惨殺されて闇魂の素材にされてしまう。この一連のストーリーは、読者にとって(可憐な美少女のイラストが伴ったことも手伝って)ショッキングなものとなり、彼女のイラスト付きの抗議文を送った読者が複数現れる程であった[要出典]。ところが「ネオ・ヴァルガー」の時代になって、惨殺した張本人であるグレゴールの手によって、ホワイトコブラ・ヴァルガー(ヒュレーネ)の肉体を素材として復活。さらに彼女は、自発的にグレゴールを師として仰ぎ、主人公(ヴェローナ&ディアーヌ)達の敵として立ち塞がるという再登場を果たした。知的探求に関しては自由な発想の持ち主で、その点ではグレゴールに似た感覚を持ち合わせている(それがグレゴールに弟子入りした理由だとファラは分析している)。また、男女交際に関してはかなりの堅物であり、自由奔放なファラにとっては堅苦しくて取っ付き難い先輩だったようである。
ヒュレーネ・ド・ヴェルフレイ
大白蛇魔獣(ホワイトコブラ・ヴァルガー)のブレインである死霊術師。「千年惚気話」と呼ばれるほどの恐ろしい長話をする。破壊力はゼナ程ではないが、とにかく長い上に休息も睡眠も無しに、相手が生きている限り何年でも延々と続く。魔道師としては圧倒的なまでの魔力と実力を持ち、ヴァルガーですら眠らせる魔獣睡眠や魔獣麻痺といった強力な魔法を苦も無く扱う。
ドン・ペドロ・カルロス・ドレスデン
ドレスデン一族の一員でランドシップ船団を率いる。海賊でありながらカナヅチな上に潮風のアレルギー持ちで、ギルバートから間抜け呼ばわりされる。なお、彼の配下も全員がカナヅチで、新たに部下をとる際にも「泳げるかどうか」が第一の条件。ドレスデン一族らしく倫理観は希薄だが、グレゴールよりはマシで、使い魔にしたチャフが4WDを殺害した事を知った時は仰天してしまっている。ノワールに謁見した時に彼の度量に心酔し、以後は絶対の忠誠を誓う。
ワルス・ワルサー・ワルプルギス・ワーワルスキー・ドレスデン
ドレスデン一族の当主で、名前の頭文字が全てWから始まるので「4WD」と呼ばれる。「時は金なり(タイム・イズ・マネー)」をモットーにしており、何事もスピードを第一に考える。猫と魔道と女と余計なおしゃべりが嫌いで、全てを1つにまとめたような存在であるチャフを毛嫌いしていた。ドレスデン一族の当主に力で成り上がっただけに陰謀や策略を得意とするが、自分にとって予測不可能な事や理不尽な事を理解しようとしない頑迷さを併せ持つ。


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