この項目では、横山光輝の漫画およびそれを原作としたアニメ作品について説明しています。アンジュルムの楽曲については「七転び八起き/臥薪嘗胆/魔法使いサリー」をご覧ください。
魔法使いサリー
ジャンル少女漫画・魔法少女
漫画
作者横山光輝
出版社集英社
その他の出版社
講談社、小学館クリエイティブ
掲載誌りぼん
発表号1966年7月号 - 1967年10月号
アニメ:1966年版
脚本雪室俊一 他
音楽小林亜星
アニメーション制作東映動画
製作東映動画
放送局日本教育テレビ系列
放送期間1966年12月5日 - 1968年12月30日
話数全109話
アニメ:1989年版
シリーズディレクター葛西治
脚本酒井あきよし、丸尾みほ
朝倉千筆 他
キャラクターデザイン山口泰弘、鈴木郁乃
音楽美野春樹
アニメーション制作東映動画
製作テレビ朝日、東映
放送局テレビ朝日系列
放送期間1989年10月9日 - 1991年9月23日
話数全90話(本編88話+スペシャル2話)
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画・アニメ
ポータル漫画・アニメ
『魔法使いサリー』(まほうつかいサリー)は、横山光輝の漫画およびそれを原作としたアニメ作品である。1966年版は東映魔女っ子シリーズ第1作。また本作は少女を主人公とする日本のテレビアニメの最初のものでもある。 魔法の国から人間界へやってきた小学5年生の少女・サリーと、サリーが魔法使いであることを知らない同級生たちが繰り広げる愛や友情の物語である。 原作である漫画は1966年(昭和41年)7月号から1967年(昭和42年)10月号まで、集英社の少女漫画雑誌『りぼん』に連載された。連載当初は『魔法使いサニー』の題名であったが5回連載した後に商標の問題で『魔法使いサリー』と名前を変えた。 アニメ化にあたり、東映が自動車の「サニー」を販売していた日産自動車に許可をもらいに行ったところ、家電メーカーソニー(登録商標日本第494012号)が自社製品と似た名前の商標権を全部押さえていて、日産もその許可をうけていることが判明した。ソニーは許可を出さなかったため、「サリー」の新名称が会議で決められた[1]。以後、漫画・アニメ共に「魔法使いサリー」の名前で統一し作品を展開している[注釈 1]。[2] また、1989年版のアニメ放送に合わせて小学館の『ぴょんぴょん』や『学習雑誌』によしかわ進による漫画版が連載された。よしかわ版は単行本化されていない。 東映魔女っ子シリーズ アメリカの人気ドラマ『奥さまは魔女』のヒットがきっかけとなった、日本初の少女向けアニメである。敏腕製作者・渡邊亮徳東映テレビ部部長(のち本社副社長)が原作者・横山光輝を説得し、東映動画として製作した魔法少女シリーズ第1作である。『ジャパニーズヒーローは世界を制覇す!』 を始め、「ニッポン人脈記、いつもアニメがNo.5」(2010年3月25日付朝日新聞夕刊)などに、魔法使いサリー成功の経緯について詳しく書かれている。 17話まではモノクロ、18話(1967年4月3日初放送)からはカラー[注釈 2]。そのため、1970年代後期からの再放送は18話から行うようになっている。 雪室俊一によると当初は半年で終わる予定で、最終回のフィルムが早々と完成していたので、ポロンなどの延長分で登場したキャラクターは最終回に登場しないため、どうするか悩んだという[3]。 最終回の予告では次番組『ひみつのアッコちゃん』(第1作)とコラボを行った。これはVHSビデオソフト版最終31巻ラストやDVD-BOX『ひみつのアッコちゃん』シリーズ全巻購入特典としても収録されている。また2004年9月 - 2005年8月に東映チャンネルの「わくわく!!アニメタイム」で放送された時も、次番組が『アッコちゃん』ということもあってそのまま放送された[注釈 3]。 人間界へとお忍びでやってきた魔法の国の王女サリーは、ひょんなことから人間の女の子、よし子とすみれと出会い仲良くなる。それをきっかけに、魔法で家を建てて人間界へ定住し、笑いあり、涙ありの様々な人間模様を繰り広げていく。
作品概要
漫画版
単行本
『原作完全版 魔法使いサリー』講談社、2004年、全1巻
『原作完全版 魔法使いサリー』講談社〈講談社漫画文庫〉、2006年、全1巻
『テレビ復刻版 魔法使いサリー』講談社、2007年、全1巻
『カラー版 魔法使いサリー』小学館クリエイティブ、2014年、全1巻
アニメ・1966年版
第1作魔法使いサリー1966年12月
- 1968年12月
第2作ひみつのアッコちゃん1969年1月
- 1970年10月
「ねりまアニメ年表」の一コマ。
解説
ストーリー
放送期間など
放送期間:1966年(昭和41年)12月5日 - 1968年(昭和43年)12月30日
放送時間:日本教育テレビ(NET)系列月曜19時 - 19時30分
放送回数:全109話
登場人物
人間界
夢野 サリー
人間界では小学5年生の少女。11歳。実は魔法の国の王女で魔法使い。サリーという名前は生まれてすぐ自分でつけた[注釈 4]。カブとポロンと同居している。
カブ
サリーの使い魔。人間界ではサリーの弟ということにしている。国王たちの家来で魔法も使える。国王の前ではカラスのような姿に変身することが多い。大のいたずら好き。
ポロン
サリーの使い魔。76話から108話まで登場。横山の原作には存在しない、アニメオリジナルキャラクター。人間界ではサリーの従妹ということにしている。いたずら好きの魔法使いで、特に物を縮小する魔法が得意。泣き出すと物を揺らしてしまう能力がある。元来は「カオル」という人間の子供で、捨て子だったのをサリーのパパに拾われ、侍従(パパの家来)に育てられた。寝ている時は元の人間に戻り、その時は右手にクローバーのあざが浮かぶ。第108話で真の両親のもとに返され、さらに魔法をサリーが吸収し続けたことにより人間に戻り、両親共々ブラジルへ永住するため日本を去った。
花村 よし子
サリーの同級生の友達。男勝りで姐御肌な性格。髪型は三つ編み。あだ名は「よっちゃん」。
花村 トン吉、花村 チン平、花村 カン太
よし子の三つ子の弟。よし子と同じ顔つきをしている。カブに負けないいたずら好き。姉には頭が上がらない。なお三つ子とカブはアニメ化に当たって設置されたオリジナルキャラだが、原作にも「逆輸入」として登場している。
花村 利夫
よし子、トン吉、チン平、カン太の父親。職業はタクシーの運転手。妻とは死別している。顔つきはよし子や三つ子に似ている。原作漫画では八百屋で妻も健在だが両親共に多忙という設定。
春日野 すみれ
サリーの同級生の友達。よし子とは正反対のおとなしい女の子。勉強がよくできる。父親は医師。よし子と比べると出番が少なく、登場しない回も多い。原作漫画では「すみちゃん」という名前で、キャラや衣装も大幅に異なっていた。
山部 アキラ
サリーたちの担任(希望ヶ丘小学校5年3組)でハンサムな男の先生。第71話で大財閥の娘・澄子と結婚した。
神奈川 健
アニメオリジナルキャラ。サリーの同級生である少年。あだ名は「ケンちゃん」。サリーの憧れで、すみれ以上に勉強がよくできる。丸刈り頭が特徴。第12話で初登場後、初期に準レギュラーとして不定期に登場するも、中盤から登場しなくなるが、末期に再び準レギュラーとして不定期登場、そして最終回でよし子・すみれ・三つ子と共に、魔法の国に帰還するサリーとカブを見送った。なお第2作には登場しない。
魔法の国
サリーのパパ
魔法の国の国王。威厳のある王であり、サリーにも厳しく接しようとするが甘さが隠せない。2本角の髪型[注釈 5]でカイゼル髭を生やし、常に黒ずくめの服装に黒のマント姿。妻に一喝されるとあっさり折れる恐妻家の一面もある。登場する際はテーマ曲(クラシック、曲名調査中)が流れる。
サリーのママ
魔法の国の王妃。やさしく控えめな良妻賢母タイプだが、実はパパの頭をしっかり押さえている。いつもロングドレス姿で、編み物をしている姿で登場する。原作漫画では名前はシーマ。
大魔王
サリーの祖父。アニメオリジナルキャラクター。大魔王の名に相応しく強大な魔力を持っており、本気で魔法を使えば天変地異さえ起こせるが、人助けの為にしか使わない。サリーたちと瀬戸内海の街に旅行で出かけた折、公害を原因とする大規模な赤潮が発生し、当地の養殖事業に全滅の危機が訪れた。サリーとカブが二人がかりで赤潮を太平洋に押し出そうとしてもどうにもならなかったが、大魔王はサリーと瀬戸内海の街で知り合った少年の友情に感じ入り、天変地異を起こして赤潮を太平洋に吹き飛ばした。ときどき人間界に来るため、よし子・すみれ・三つ子とも面識がある。
ウルトラ婆さん
サリーの家庭教師である老魔女。ときどき現れて口うるさく話す。最終回でもサリーに魔法の国への帰還を話した。アニメオリジナルキャラクター。
声の出演
夢野 サリー - 平井道子
花村 よし子 - 加藤みどり
春日野 すみれ、サリーのママ - 向井真理子(第10話まで)→山口奈々(第11話以降)
カブ - 千々松幸子
ポロン - 白石冬美[注釈 6]
花村 利夫(よし子の父)、サリーのパパ - 内海賢二
花村 トン吉、カン太 - 野沢雅子[注釈 7]
花村 チン平 - 朝井ゆかり、山本圭子(後半一部)
すみれの父 - 田の中勇 他
山部 アキラ - 石原良
神奈川 健 - 小原乃梨子(第12話)→白川澄子(第32話)→山本圭子(最終話)
ウルトラ婆さん - 麻生みつ子、高橋和枝、麻生美代子
大魔王 - 富田耕吉 他
スタッフ
企画:笹谷岩男、飯島敬、松本貞光、横山賢二
製作担当:笹谷岩男
原作:横山光輝
音楽:小林亜星
作画:生頼昭憲、清山滋崇、鈴木欽一郎、大橋学、小松原一男、鈴木康彦、彦根範夫、高橋春男、塩山紀生、小田部羊一、宮崎駿、吉田茂承、角田紘一 他
背景:井岡雅宏、穂積勝義、小林七郎 他
撮影:菅谷正昭、白根基万、井出昭一郎、池田重好、不破孝喜、高梨洋一、藤橋秀行
編集:古村均、鈴木寛、花井正明、鈴木亮
録音:石井幸夫、神原広巳、荒川文雄、波多野勲、小西進
効果:大平紀義
記録:水上紘子、的場節代、前野美代子、河島利子、竹部ヒサ子、藤井雅子、池田紀代子、星田絹代、佐伯節子
演出助手:佐々木勝利、及部保雄、葛西治、宮崎一哉、山吉康夫、小湊洋市、岡崎稔、神谷興一、 川田武範、蕪木登喜司、金子充洋、大網郁夫、奥西武
製作進行:豊島勝義、菅原吉郎、堤四四三、佐伯雅久、大辻平八郎、三沢徹夫、渡部一雄、館浩二、佐藤哲雄、大野清、久保田弘夫
製作:東映動画
主題歌
オープニングテーマ「魔法使いサリーのうた」[注釈 8]
作詞 - 山本清 / 作曲・編曲 - 小林亜星 / 歌 - スリー・グレイセス・薗田憲一とデキシーキングス
エンディングテーマ
「魔法のマンボ」(1話-26話)
作詞 - 山本清 / 作曲・編曲 - 小林亜星 / 歌 - 前川陽子、ハニー・ナイツ
「いたずらのうた」(27話 - 73話)
作詞 - 山本清 / 作曲・編曲 - 小林亜星 / 歌 - 朝井ゆかり、野沢雅子、加藤みどり、千々松幸子、平井道子歌詞は登場キャラクターたちの自己紹介になっており、歌唱者もそれぞれの担当声優。なお、すみれだけが出て来ない。
「パパパのチョイナのうた」[注釈 9](74話 - 109話)
作詞 - 山本清 / 作曲・編曲 - 小林亜星 / 歌 - 水垣洋子、フォー・メイツ
オープニング曲の補足
TV版、朝日ソノラマ・ソノシート版
歌 - スリー・グレイセス
日本コロムビア版
歌 - ダイヤモンド・シスターズ(伴奏は薗田憲一とデキシーキングス)スリー・グレイセスが当時キングレコードに所属していたため、日本コロムビアから発売されたレコードではダイヤモンド・シスターズが歌っている。主題歌レコードの販売数は30万枚。これは日本コロムビアの当時の子供番組主題歌売り上げの新記録である[4]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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